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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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出し惜しみしない立ち回り

ここ最近の話はカロリー高めなので出来るだけ読みやすいように消化しやすいように書いていますけど……胃もたれしてもおかしくなさそうな展開が続いてて無理っぽいですね。

ドローン型爆弾が私の方に向かって来た。まだサイコキネシスは見つけられていないけど恐らく周りのビルの何処かからコチラを見ている筈。でなければ正確に私の位置を把握出来ないからだ。


(だからまずはこのドローンを撃ち落とす。)


銃で撃ち落としつつ私は2つの行動に出た。1つ目はここから移動して回避行動を取る事。ドローンだけではなく周りには武装した兵士と装甲車が居るから狙い撃ちにされる。


2つ目はドローンの軌道を追うこと。撃ち落とされたドローンは私のベルガー粒子に触れている。だから軌道を創り出して何処から来たのか探る。上手く行けばサイコキネシスの位置が分かる。


Fire(撃て)Fire(撃て)!」


近くの兵士から英語の指示が聞こえた。こいつら完全に海外の組織だな。誰が雇ったのかは分からないし背後関係を探りたい気持ちもあるけど…殺すしかない。尋問する余裕なんて今の私には無い。…それにもうそんな事を考える暇もなさそうだしね!


装甲車から降りてきた兵士が私に向かって銃口を向けて発砲してきた。しかも包囲網を作りながらという嫌らしさ。その場で5〜6発撃ったら少し移動してまた発砲。そしてまた移動といった動作を兵士全体で同時に行なうもんだからその練度は凄まじい。


(土地を把握している?)


今戦っている場所は片側2車線、合計4車線の道路の上で両隣にビルが立ち並んでいる。市街戦というやつなんだろうけどあいつらのホームグラウンドみたいなものかもね。私はいつもコソコソと室内で戦っていたからこんなに広く取られるとちょっとだけ混乱する。


だけど混乱している暇はない。戦いに不必要な考えはいらない。切り替えろ私。まずは敵の特徴だ。


まずこいつら間違いなく軍人か元軍人、または傭兵だ。見た目が軍人とか傭兵とかがしてそうな恰好で装備もアサルトライフルと防弾チョッキにヘルメットだ。中には暗視ゴーグルを付けている人も居る。動きに統制が取れ過ぎているし間違いないかな。


だけどね…装備がショボい気がする。あとはマガジンとか手榴弾も持ってはいるけど本当にそれぐらい。能力者相手にそれは危なくないか?一撃貰ったら死ぬと思うけど?


私の考えとしてパワードスーツとかでガッチガチに固めないと能力者とは立ち向かえないと思うんだけど…あれか?機動力を駆使して戦ったほうが良いのかな?私みたいな細い身体付きしている女にはこっちのほうが戦いやすいのかもしれない。


いや、装甲車を破壊する程のパワーがあるとは知らなかったとかかな。もしそれぐらいパワーがあるなら別の装備で襲ってきたのかもしれないね。


(それにしてもお互いに誤射しない絶妙な位置関係に加え正確無比の射撃。あっぱれとしか言えない。)


ドローンを撃ち落としながら避けようとしても先回りするように銃弾が置かれているから回避しきれない。もう何十発も食らってしまっている。外傷は無いけど弾の衝撃が結構キツい。普通の弾じゃない。かなり重くて硬い金属で出来ていると思う。胴体に当たると服越しでも内臓に響いてくる。


しかも上からドローンが次々と降ってくる。周りを取り囲む兵士達は爆発に巻き込まれない位置から撃ち続けてくるし…でもドローンの爆発は絶対に近距離で直撃してはいけない。…もう出し惜しみ無しで数を減らしに行くかっ!


上空を認識しながらドローンの数を確認。数はあと10機だけ。かなり危ない橋を渡るけど…能力をフルに使えば何とかなる!


怪腕を道路に向かって思いっきり振り下ろした。辺りに轟音が鳴り響いてアスファルトの破片が上空にまで飛び散っていく。


(【反復(リテイン)】!)


怪腕も元はベルガー粒子を固めたもの。つまり怪腕が触れた道路の表面も私の効果範囲に含まれる。飛び散った破片は失速する事も干渉を受ける事も無く真っすぐ突き進んだ。


上方向に飛んだ破片は空中に飛び交っていたドローンを次々と破壊し真横に飛んだ破片は兵士や装甲車を襲った。


私と比較的に近い位置に居た兵士を中心に確定された軌道が襲いかかる。破片が人間の肉に突き刺さり貫通したがそれでも破片は止まらない。


だが兵士達にとって貫通するならまだ良い方だ。防弾チョッキに突き刺さりそのまま後方まで破片と一緒に吹き飛び装甲車に激突し挟まれれば肉と骨が潰れて圧死。そしてそのまま装甲車に挟まれた兵士は装甲車と一緒に吹き飛んで被害を拡大させる。


装甲車が吹き飛び速度は破片が飛び散った初速…およそ時速450km。


時速450kmは拳銃で撃たれた銃弾の半分の速度だが吹き飛んでいるのは重量10t以上の装甲車。この重量の装甲車が吹き飛ぶには尋常ではない運動エネルギーが発生している。


反復(リテイン)】された破片は減速もしなければ軌道がズレる事も無い。この攻撃は無差別で破片が飛び散るからただの人間には避ける事も防ぐ事も出来ない。生き残る手段はただ1つ…神に祈るしかない。


この攻撃は強力ではあるが危険過ぎるし本当に使いたくない手段でもあった。破片は下方向にも向かって突き進むし被害の規模が地平線にまで及ぶ。だからこの攻撃は現場に物的証拠を残し過ぎて私が所属している組織にも知られてしまう。下手をすると組織の人間も殺さなければならない。


私は被害を抑えるためにも効果時間は1秒未満に収めた。軌道の固定が解除されて吹き飛んだ破片はその影響で減速していく。しかし吹き飛んだ装甲車に働いている運動エネルギーはすぐに消えることはない。装甲車は重力に引かれて地面に接触しボウリングの玉のように転がる。そのままピンの代わりのビルに衝突してから停止。


装甲車の中に居た人間は突然のGの負荷に耐えられなくて首の骨を折る重傷を負った。あと数分で死亡するだろう。


(あと…半分ぐらいか。)


1秒にも満たない能力で半数を殺せた。脳の調子はまだ大丈夫。必ず殺し尽くしてみせる。


(…分断されてる。孤立している敵から狩っていこうか。)


左手に銃を再現して孤立している兵士達から撃ち抜き右腕にベルガー粒子を纏わせる。


「シィッ!」


右腕に付けた暗器からワイヤーを伸ばして力いっぱいに横薙ぎに振るう。その途中で軌道を固定させたら反りの深い日本刀のような形状になりそのまま3人の敵の首を刎ねた。


「オラッ!」


怪腕で銃を構えた兵士を次々と消し飛ばしていく。殴られた兵士はバラバラにされ、その身体の破片が後方に居る敵にぶつかりその敵もバラバラに吹き飛んだ。


「【再現(リムーブ)】」


私の銃から放たれた弾丸が再び走った。その軌道上に現れた敵を貫き相手の行動を大きく制限する。視認出来ない即死(トラップ)と言っていいだろう。こういうひらけた場所で多人数を相手する場合にこれほど効果的な使い方は無いだろう。【探求(リサーチ)】で何時誰がどこで軌道に重なったかを完璧に認識出来る私だからこそ可能な運用方法だ。


「オリャッ!」


軌道を確定された蹴りで敵の胴体を真っ二つに裂いた。感触が気持ち悪かったけど血で汚れないから我慢できる。


「ーーー〜〜〜!?」


私への攻撃が通じない事に気付いた敵が錯乱しながら銃を乱射し味方諸共撃ち抜いていく。とんでもない奴だな…


私は乱射野郎の頭部を撃ち抜いて楽にしてあげた。もう彼が錯乱することは無い。次の標的を探そうと【探求(リサーチ)】にリソースを割いたらある情報が脳に送られた。


(…サイコキネシスの位置が分かった。)


ドローンの軌道を追ったらドローンを格納しておくそれらしい装置を見つけた。そしてその近くのビルの扉がこじ開けられている。多分このビルの中にサイコキネシスが居る。


(早くこいつらを殺して向かわないと。)


私は能力者同士の戦いに備えて肉弾戦で兵士を殺す算段を立て行動に移していく。

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