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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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包囲

ここからの展開が書きたくて土日に書けるように話の長さと流れを調整しました。私は満足です。

響の腕に刺さったナイフを回収してからソマホで組織に連絡を入れようとした。


「あれ?電波立たないんだけど。」


何でだろうこんな事は初めてだ。ソマホは組織が用意してくれた機器だからもし壊してしまったら何かペナルティとかあったり?もしそうなら最悪だ。報酬が減ったりしないよね?唯でさえテレポーターの脳を沸騰させてしまったのだ。これ以上の減少は避けたい。


(でもスマホは固定していたし説明書にもかなり頑丈に設計されているって書いてあったし…え〜何でだ?)


もしかして空間が歪んだ影響で繋がりにくいとか?それか単純に最上階で電波が届いてないとか?


分からないから取り敢えずリュックを回収する為にも下に行ってから連絡がとれるか試してみよう。


階段で30階も降りるのは流石に頭おかしくなりそうなので能力を駆使して外から降りた。この辺りには人が居ない事は確認済みだから見られるという心配はない。軌道を操作し地面へと降り立つ。


リュックを置いた花壇の元に行って回収し自分のスマホを弄りながらマンションから離れる。


「あれ?私のスマホも繋がらない…ここら辺で電波障害でも起きてるのかな?」


よく分からないけど電波塔が故障したとかな?組織と連絡を取らないと……直接向かうか?


あのビルはコンビニみたいに24時間営業しているから夜遅くでもやっている。コンビニと違うのは朝出勤している人が次の朝まで働いていたりする所かな。シフト調整がイカれているよ…


とりあえず道路を歩きながらこれからの予定を考える。まずは組織に報告する為に電車で向かう。スマホもソマホも使えないからタクシーは厳しいな。支払いが現金でしか払えないからね。電車でGO!


あとは…明日の朝にまた仕事して〜帰って〜課金して〜日常を楽しむ。


我ながら完璧なプランだ。だけど焼肉食べたかったなー。でも報告が第一だしね。報酬貰ってこそのお仕事。報告が終わるまでが仕事って誰かが言っていた。


「う〜よよ〜〜。」


背伸びをしてうーんと伸びる。能力を使い過ぎて脳が疲れたね。ベルガー粒子の操作もちょいとキツイかな。もう少し持久性を上げないとかも。能力が強過ぎるせいで私の脳が付いていけてない。改善点として先生に相談してみよう。


上を見上げたら星は…見えない。見えないけどいい夜だ。道路を歩いても誰も居ない。人気が無い夜の道はなんかね、いい雰囲気だ。東京で夜の道は人が多い。住宅街でも深夜でも大学生だったり変な人がしょっちゅう歩いてる。


いや〜しかし清々しいな本当に…クズが世界から消えてまた平穏な世界に近付いた。この充実感と達成感が私にやる気をくれる。


お母さんを殺したクソ野郎を探し出す間に私は他のクソ野郎共を殺し続ける。それが私の役割であり天職だと思っている。私はクソ野郎をいくら殺しても良心も傷まないしその日は寝付きが良くなる。私にとって人殺しは健康的で刺激もある趣味のようなものだ。スポーツと同じ。みんなも走ったりするでしょ?


だから心も身体も清々しいー!ありったけの空気を吸って吐き出す。人って死ぬとすげー臭うんだよ知ってた?鼻の中に残るんだよ鉄と臓物と焼けた肉の臭いがさ。


私の軌道は固定されているから水が私に付くことも染み込むこともないけど臭いの分子は身体の中に入るから防げないんだよね。もし防げたら呼吸が出来なくなるし、能力とは不思議なものだと思います。


能力はとても奥深くて魅惑的で、だから能力の実験は私のライフワークの一つだし必要な事なのだよ。分かるかねワトソン君。


偉大な助手君なら私の心の内も分かってくれるはず。私はクスリを使わないしシャーロックより人道的だ。それに私のほうがカッコいい。


(今の私はかなりカッコいいと思う。仕事の出来る女って感じでさ。)


風に揺られながら月夜に照らさせた道を歩いているとノスタルジックな感傷に浸れる。だから能力を解除して髪を揺らした。


暗闇の中を歩く漆黒の女子高生(殺し屋)の自分に酔いしれていた。そう酔いしれていた…だからいつもと違う事に気付かなかった。


()()()()()()()()()()()()()


まだ人が出歩いていておかしくない時間帯だった。私の肉眼には人が一人も認識出来なかった。マンションを出てから歩き始めて5分も経っているのにだ。


だから敵に先手を取らせてしまったのだ。


音はしなかった。私に向かって何かが飛んできたけど私は視認出来なかった。完全に死角からの一撃だったからだ。しかし私の能力、【探求(リサーチ)】は半径10mの効果範囲で常に発動し続けている。これは常時発動型の能力であり私が仇を見逃さないために決して解除することはない。


そのおかけで私の右斜め後方から飛んできた銃弾を認識する事ができた。認識出来てももう10mまで近付いていた銃弾を避ける事なんて出来なかった。完全に油断していたのだ。私が軌道の固定を止めたタイミングで仕掛けてきたということは相手が探知タイプの能力者だということ。


(弾丸ッ!?ヤバい早く軌道を固定しないと!)


髪の毛に当たった銃弾が弾かれて道路に突き刺さる。


「ハァー! ハァー!」


敵襲!?POISONの仲間か?いや余りにも正確な狙撃過ぎた。銃声が聴こえないぐらい遠くからの狙撃だ。あいつらにそんな狙撃手は用意できない筈。犯罪組織だけど武装組織じゃないからジャンルが違う。


(やってくれるな…だけど私の能力を前に不意打ちや暗殺は不可能と思え!)


視界を飛ばして銃弾が飛来した方向を探る。しかし見ただけで分かった。1kmは離れた位置にビルがある。あそこからか。


その時私は判断を誤った。敵が狙撃手だけだと思い込んでしまっていたのだ。


狙撃手の反対側の方角から何かが飛来してきた。銃弾ではない。例えるとドローンみたいな物体だった。しかし音がしなかった。だから私は後ろを取られる自体に気付けなかった。


ドローンらしき物体が私に向かって突っ込んできた。速度は時速80kmぐらいで空気を切り裂く音が出ないイヤらしい速度だ。


その事に気付かず狙撃手の攻撃に対して集中し過ぎた私は接近を許してしまい、その飛来物は突然爆発した。


「がはッ!?」


(何!?爆発!?)


軌道を固定した私はもろに爆風を食らってその衝撃と熱でダメージを食らってしまった。


私は慌てて視界を自身の周りに戻して渦を巻くようにマッピングを開始する。


「熱いっ…皮膚が焼けるッ!」


急いでその場から離れようとしたがまた飛来物が飛んできた。その数およそ20。マッピングに入っている数でも20はあるのにその奥にはまだまだ控えている。


これは…完全に私を殺しに来ている。あのドローンみたいなやつ…能力で操られているな。ベルガー粒子が纏ってあるから間違いない。狙撃手とこのドローンを操作している能力者で合計2人。…私を殺す為に2人も来たのか。


…人気者だな私って。


その時気付いた。街中で能力を使ってきている事に。暗黙の了解で街中の能力の使用はどの組織も行わない。何故なら能力者の存在が露呈してしまうからだ。つまりは相手はどの組織にも所属していないフリーの能力者…?


ていうかそもそも人が居ない。私の能力で周りを探っているのに半径1km近く誰も居ない…!これは異常だ!なんで気付かなかったんだ!


これも能力だ!前に読んだマニュアルにこれに近い状況を作れる能力を見た。結界型の能力だ。物理系ではない。物理的に結界を張るとその中に誰も入れなくなる。でも私は結界の中に居るはず。多分私を中心に張られている。つまりは精神系…結界型精神系能力者がこの近くに居る!


精神系は文字通り人の精神に干渉してその場から人を排除出来る能力だ。初めて体験したけどこれはかなり不味いんじゃないか?


この事実に私は混乱した。結界型の能力者は貴重でかなり強力な能力者だ。各組織に一人か二人居ればいい方で滅多に外に出る事はないらしい…。攫われたりするからだってマニュアルに書いてあった。だから相手は敵対組織の可能性が高い。相手はかなり本腰を入れて私を狩りに来ている。


(先生が前に言っていた敵対組織がなんたらって…まさかこのタイミングとは。完全に私の行動を知られているな。)


内通者の存在を考えようとしたが敵はそんな時間を与えてくれない。ドローンが再び私に向かって特攻を仕掛けてきた。あれは爆弾を付けたドローンを飛来させている。多分念動の能力だ。飛行に適した形状の爆弾を操っているやつが必ず私の近くに居る!あいつらは私と違って視認しないと正確に攻撃を仕掛けられないはずだから!


軌道を固定して道路を駆けた。私のほうが速い…しかしここで私はまた判断を誤った…()()()()()()()()


車らしき物体が高速で近づいてきた。乗っているのは無能力者だが、善良な一般人ではない。みんな銃みたいなものを携帯して車には機関銃が備えられていた。


「何人居るんだよ!?女子高生相手にそこまでするか普通!?」


足は止められないけど進行方向から複数の武装された装甲車が走ってきた。前にも左右にも上からも波状攻撃を仕掛けてくる。


ドローン型爆弾が私の進行方向を塞ぐように爆発した為にその熱と衝撃で近付けない。そこで足を止めたら再び狙撃が飛んできた。


「しつこい!」


狙撃された方向を見た瞬間装甲車から何かが飛んできた。銃弾ではない。これは…もしかして催涙弾!?


私の周りにばら撒かれるようにスプレー缶のような物が飛行し地面に落ちた催涙弾は無色透明なガスを噴出した。


「ゲホゲホッ!ゲホッ!ゲホゲホッ!」


頭が痛いッ!喉も苦しいッ!しかもこのガス…脳の機能を下げる効果がある!?能力が上手く使えない!


その場で膝を着いて頭を下げた瞬間にまた狙撃が飛んできた。


完全に軌道を固定されなかった頭部に重い銃弾が当たり髪の毛ごと頭皮を少し抉られる。被弾した痛みが一瞬で頭のてっぺんから足の爪先まで走り抜けて、あまりの痛みで尻の穴が引き締まって筋肉が強張り背中が反れる。


ここから離れなければ殺される!


力が入らない身体を無理やり軌道を確定させて動かした。その場でジャンプするような姿勢を取り怪腕を足から出現させた。これが今の限界だ。これで逃げられなければ死ぬ。


(行っけええええッ!)


思いっきり後方に飛んだ私は時速300km近くでその場から離脱した。怪腕を使った反動で道路のアスファルトが陥没して水飛沫のように飛散していった。


ミサイルの様に吹き飛んだ私は軌道を確定させて空気抵抗と重力を無視した放物線を描いた。このまま行けば私は大気圏にまで吹っ飛ぶだろう。だから相手から500m程度離れた所で能力を解除し空気抵抗で減速した私は重力に引かれて落下した。


地面に身体が触れる前に先に足の裏から生やした怪腕で着地して衝撃を和らげる。この速度で足から着地したら骨が折れるからだ。


そのおかげで50mも道路を抉りながらだけど無事に着地に成功する。人間の身で飛行機の不時着はみたいな真似はキツイな…。


「ゴボッゴボッ…スゥーハァー…」


しかしまだまだ敵の追手は振り切れていない…まずは数を減らさないと。


「…まずはウザったい狙撃手から殺すか。」

次回からは更に激しいバトルが続きます。お楽しみに。

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