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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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不意打ち

3000文字前後で収めたいこの頃です。

(う、上手くいったあ〜〜〜!良かった〜〜〜!)


一時はどうなるかと思ったけどなんとか最上階に来れた。…が、相手に動揺は見せられない。だから表情には出さずに澄ました顔を作ってまるで全部ちゃんと分かってやりましたけど?みたいな感じで行く。


まあ心臓がバクバクして目が爛々としていたのはご愛嬌という事でひとつ!


「…空も飛べるのかよ。…何でもありだな。」


アイツが飛べたとしても俺だって飛べる。あともう少しの時間を稼げたら俺達の勝ちだ…!


「クールタイムはまだ掛かりそう?ベルガー粒子がまだ不安定気味だからまだだとは思うけどさ。」


(!?)


コイツ…!俺の能力の弱点を知って…!?しかも俺達が知らない事も言っていた…ベルガー粒子?


「詳しいんだな。俺達以上に俺達を知っていそうだが…お前は何者なんだ。なんで俺達を狙っている。」


時間稼ぎのつもりなら悪手だね。でもここはあえて乗ってあげよう。


「あなた達はやり過ぎた。あなた達の事を処理するように依頼されて来たのが私…つまりは殺し屋って訳。」


「殺し屋?本当にそんなのが居たとはね。」


「…ねえ、大人しく警察に捕まるから命だけは…」


焔も時間稼ぎの為に会話に参加した。


「あなた達をブチ込める刑務所なんてあるわけ無いでしょ?特に響?さんはいつでも逃げられるんだから。」


「俺達はただ生きたいが為にこんな事をしていたんだ。親の居ない子供達3人が生きる為にはな…」


ゴーレムの言葉に眉を(ひそ)める。そうかコイツらは親が居なくてこんな事をしていたのか、そうかそうか。


「そ、そうよ!しかも能力も持っていて施設の人達に疎まれて追い出されたのよ?まだ小学生の子供が!」


「俺達は誰にも助けてはもらえず3人で力合わせて何とか今まで生きてきたんだ。それが罪だっていうならこの社会全体に罪があるだろう!?」


なるほどなるほど…で?それで?まさかそれだけなの?は〜聞くに堪えないな。


3人の話に興味を失った私はテーブルの上にあるピザに興味が移りそちらに向かう。こうでもしないと感情任せで殺してしまいそうだ。


「なあ頼むよ!俺たちにチャンスをくれないか!?見逃してくれるなら…」


「黙れ。」


ビクッと身体が反応した3人はまったく同じモノを感じた…目の前の女から途轍もない殺気をだ。その殺気にあてられた3人は部屋全体が軋みあげているような錯覚に襲われ平衡感覚にも支障をきたした。


「何調子の良いことを言っているの?チャンスをくれ?見逃してくれ?そんな段階は過ぎているのも分からないのか?」


女はピザを取り出して口に入れる。その間こちらを見もしていないのに全方向から視られているような居心地悪さを感じる。


「お前達は言ったな…生き残る為に犯罪に手を染めたって。ふざけるにも大概にしろ。」


ゴクリと唾を飲み込む。見た目はまだ幼さの残る少女なのにそこから放たれるプレッシャーが凄まじい…。身体が押し潰されそうだ。


「生き残るのにこんなマンションがいるのか?食べていくのにLサイズのピザが必要なのか?下の階に居る手下共はなんだ?そいつらが居ないと生きていけないのか?」


こちらを向いた少女の(まなこ)には憎悪と怒りが渦巻いていた。


「お前達の能力なら一般人より楽に生きていけるだろう…違うか?それに施設を追い出された?この世には児童養護施設が1つしかないのか?他の所で保護してもらえばいいだろう?」


3人はベルガー粒子を視認出来なくても感じる事が出来る。少女から漏れるベルガー粒子で息が詰まりそうだ。


「犯罪に手を染めたのは仕方なくか?嘘だろう?ゴーレムと焔、お前達2人は私に能力を使って殺そうとしたな?」


「…そ、それは…あなたが私達を殺そうとしたからで…」


「お前達は人間に対して能力を行使することに躊躇が無かった…それどころか慣れすら感じた。お前達二人は人を殺した事があるだろう?それも一人や二人の数じゃない、大勢の人間を殺してきたな?」


図星だった。一時期は毎日のように人を殺した。歯向かって来るやつはみんな殺した。


「確かに生きるにはお金がいる。だが、そのお金を得る為にお前達がやった事は中高生を中心にクスリをばら撒いて金を巻き上げることだった…生きるって、お金を手にするのって大変な事だよな〜おい。」


今にも爆発しそうな怒りを必死に抑えて冷静に話している。これは仕事なんだからプロフェッショナルに徹しなければならない。だけど…


「私も色々と調べてからここに来ている。お前達が狙った層は裕福な家庭の子供達ばかりだな?」


こんな奴らに人生を台無しにされた人々の事を考えたら、怒り抑えつけることすらやめてしまいそうだ。


「中高生でクラブに行くような奴らなんか刺激を求めた金持ちのボンボンばかりだ。そこを狙ったんだろ?自分達は金もなく親も居なくて苦労してきたのに、苦労せずのうのうと生きている同い年ぐらいのガキが妬ましくて妬ましくて仕方なかったんでしょ?」


誰にも指摘された事がなかったのかな?まあ指摘しようとした奴はみんな殺してそうだけどね。


「コンプレックス拗らせて犯罪なんてクソガキのする典型的な自慰行為だよね…キモいんだよホント。」


「お前に何が分かるのよ!上から散々言ってくれたけどさあ!」


「私が分かっている事はお前達のせいで人生を台無しにされた人の数だよ。クスリ漬けで21人が入院中、クスリ所持で逮捕されたのが87人、知らない男の子供を妊娠させられたのが18人、首を吊ったのが11人、クスリで死んだのが15人、暴行を受けて死んだのが31人、電車に轢かれて死んだのが4人…一昨日の朝のニュースを見たか?14歳の子供が遺書を遺して自殺したんだぞ?お前たちのせいでな。」


「俺達はクスリをばら撒いただけでそれ以外は何もしていない。死んだのはそいつらが弱くて運の無い奴等だっただけさ。」


「おい!アイツを刺激するよ…」


「剛毅黙っていて!」


焔が火球を創り出しあいの風に飛ばした。


「お前も運が無い奴等と一緒に死んどけよッ!」


(…殺すか。)


ピザの一切れを掴んで軌道を固定し焔に向かって投げ飛ばした。ピザと火球はぶつかり合ったがお互いに通過してそのまますり抜けた。ピザは固定されて火球は炎であるからお互いの軌道に干渉は出来なかった。


私が投擲したピザの尖った先端が焔の胸部に突き刺さって心臓を真っ二つにし肺を潰した。


「かふっ…」


致命傷を負った焔は即死し、その影響でベルガー粒子の操作も途切れて火球が私に接触する前に掻き消えた。


(お前の火球は時速100km前後、それに対し私が投げたピザは時速200km…先に届くのはお前の方だよ。)


「ほ…焔?」


見ただけで分かる。完全に脱力した身体は後から倒れてその身が投げ出された。心臓の位置にはさっきまで食べていたピザが突き刺さり湯気が立ち上っている。……肉が焼けた匂いがここまで届いてくるようだ。


こんな…こんな馬鹿な死に方があるか!?…ふざけるなッ!!!


「あいの風ッ!!!!お前は俺の手で殺すッ!!!!」


再生しきっていない身体で突っ込んでくるゴーレム。頭に血が上って単純な動作のパンチか…それがお前の最期で良いんだな?


「私は自分の手は使わないよ。」


「ウオオオオッ!!!!」


私の頭部ぐらいの大きさがある拳が飛んでくる。あと数センチで私に接触しようとする距離まで近付いてきたが…


(【削除(リボーク)】)


軌跡しか残さない一撃が剛毅を襲った。悪魔の拳が剛毅の腹部に接触した瞬間、その凄まじい威力に装甲と皮膚が吹き飛び、腹筋を引き裂きながら怪腕が侵入する。


筋肉を突き破るとその衝撃で内臓類が腹の中でシェイクされた。怪腕がお腹に侵入した分、腹の中はスペースが無くなり逃げ場を求めた体液と内臓と血液が上と下の口から排出された。


それでも怪腕は止まらない。背骨まで達した衝撃は骨髄を溢れ出させ、隣接していた背中の装甲も衝撃に耐えられなくてヒビ割れた。


この間、わずか0.1秒にも満たない時間であったが、異形型能力者の命を狩るには十分な時間ではあった。


怪腕から生じた運動エネルギーはそのまま剛毅の身体に移り、天井、床、壁に跳ねる事によって運動エネルギーを発散させてようやく停止した。


「剛毅!」


「他人の心配をする暇なんて与えないから。」


腰に装備していナイフを右手で外しPOISONリーダーに投擲した。ナイフはリーダーの男の左腕に深く突き刺さる。


「がアッ!?」


コイツは簡単には殺さない…精々私の為に役に立ってから死んでくれ。

今日は頑張って早く投稿しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 被害者の数が想像以上に多くて…でもスカッとしましたね
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