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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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ヤクザからの情報

すっごく頑張ったので早く投稿します。

「ハッハッハッ!気に入った!おい茶出してやれ!」


どうやら私の一発芸を気に入ってもらったようだ。良かった良かった。これで入社した時の飲みの席でも披露出来る。世の中には新人イジりがあるらしいから一発芸として披露してみよう。


「そういえば名前を聞いてなかったな。お嬢ちゃん名前は?」


「あいの風です。」


「あいの風…?変わった名前だな。」


私もそう思います。あとお茶頂きます。ズズ〜ゥ


「あいよお…(うち)に入らないか?金ならたんまり出すぜ?」


私の向かいのソファーに腰掛けた親分さんが勧誘してくる。


「えっとお断りします。多分ですけど組織が許さないと思います。」


「まあそうだよな。」


断られる事は分かっていたけど一応聞いてみた感じかな。


「あの…親分さん。情報貰えますかね。」


「後藤だ。親分じゃねえ。」


親分では無いのか。若頭って感じなのかな?


「では、後藤さんが持っている情報を頂けますか?」


後藤さん達から頂いたUSBメモリーをタブPCに挿して情報を閲覧する。


「あいに頼みてえ仕事は(うち)のシマを荒らしている能力者のガキ共を処理する事だ。」


クスリ売買から売春までの様々な違法行為で荒稼ぎしている犯罪グループ“POISON(ポイズン)


3人組の能力者が若者を利用し犯罪行為に加担させて抜け出せなくし、そこから友達、知り合いを更に犯罪行為に加担させる事でねずみ算方式にその数を爆発的に増やしているグループだとか。グループは現段階で数百単位の10代から20代の男女で構成されている。


「なるほど、屑共ですね。」


「コイツらがのさばっているおかげでこちとら商売あがったりなんだよ。」


SNSを駆使して連絡を取り合っているから実態を把握しきれない。若者なんてみんなSNSを利用しているから母数が多すぎて特定する事は難しい。しかも末端の中高生や学生などが持っている情報なんてたかが知れている。この層はクスリを買うか身体を売ってクスリ代を稼いでいるだけだから能力者の情報は持っていない。


「クスリを若者にバラ撒いている奴を見つけてそいつからクスリを調達している能力者の所在を吐かせるしかないですね。」


「ああ(うち)の倉庫から商品を盗んで売り払っていやがるからな。」


能力を使って倉庫からクスリをくすねた奴がPOISONの能力者なんだろう。


「ガキ共にクスリを売っている奴らの尻尾は掴んでる。まずはそいつ等から情報を聞き出せれば芋づる式で情報を得られる筈だ。」


ヤクザビルから出た私はクスリの売人が活動しているエリアである六本木まで移動する。まだ午前の9時ぐらいだから居るかは分からない。最悪自宅の方に向かって聞き出すしかないかな。


(取り敢えず六本木に向かって治安の悪そうな通りを歩きながら釣るしかないかな。)


電車で六本木駅まで向かう。土曜はやっぱり電車が混む。海外からの観光客も多い。ツアー客でも電車を利用するから東京の電車の移動は便利だ。


電車に揺られているとチラチラと視線が送られて気になってしまう。恐らくは太腿が原因だろう。私だって見てしまうぐらいに良い太腿だ。和裁士さん達からも好評だった。しかも外国人にも人気があるようでツアー客達からも視線が送られる。


(うーん嫌ではないけど慣れないんだよな…)


今までは夜に行動していたから今のように視線を集める事は無かった。これからは昼間に行動する時は目立たないように行動しないと人の記憶に残ってしまう。気を付けないと…。


六本木駅で電車が停車しドアが開く。そうすると利用客が降りていくがここで降りる人の多さに驚いた。若者と外国人もここで降りている。六本木に何か用があるのかな…最近の若者達は何処で何を楽しみにしているか気になるからついて行こう。


男女混合のグループを追跡していたら途中で別れた。男子はコインロッカーに向かい、女子は待ち合わせをしている者と合流。多種多様だが動きが怪しい。


(これ早速当たり引いたかな?)


男子はクスリの運び屋で女子はパパ活かな?多分今日得た情報が無ければ見逃していただろう。意識していたから彼らの行動を認識出来た。


彼等から得られる情報ではそこまでの進展は見込めないだろうけど、少しでも情報が欲しいから聞くしかない。私はコインロッカーに向かった男子達に声を掛ける。


「ねえちょっといい?」


「え!?ど、どうしました?」


どうしたはこっちの台詞だ。この様子だとかなりテンパっているみたいだし強く押せば行けそうだね。


「そのブツを誰から受け取ったか言わないと写真を学校に送りつけるよ。」


スマホを見せつけて脅す。本当は撮ってないけどこのぐらいのガキには判断出来まい。


「お!お前!」


こいつが大声を出したから他の男子が集まってくる。丁度いいや。


「君たちにも聞きたいんだけど居るんでしょ?君達に危ないバイトをさせている奴らがさ。話聞きたいから女子も集めてくれない?」


こいつらは多分知り合い同士で連絡先を交換している筈、早くしないと女子が何処かのホテルやホテルやホテルに連れて行かれてしまう。


「おいこいつ何だよ。」


「俺も知らねえよ!こいつに写真を取られた!」


「はあ!?何してんだよ!」


駅構内はお静かに。誰かに聞かれたらまずいんでしょ?少しは頭を働かせてほしいものだ。


「そういう事だから言う事聞かないと学校とご家族に君達のバイトがバレちゃうよ?早く女子を呼んで。君達だって女子を行かせたくないでしょ?」


私の脅しが功を奏したのか男子達がラインやら電話を駆使して呼び寄せる。


「じゃあみんな集まったら移動しよっか。」


私達は六本木ヒルズの中にあるカフェに移動して男子3人女子2人+私というメンバーで隅の6人座れるテーブルに座った。さて始めますか。


「いきなりの事で混乱していると思いますけど私はあなた達の味方です。でも反抗的な態度や行動を取ったら敵にもなります。それを頭に入れた状態で話を聞いてください。」


5人がお互いの顔を見回す。不安が全面に出ている表情が並んでいるけど取り乱したりしていないから冷静な判断は出来ているのかな?


「ここは私が奢るので何か頼んでください。怪しまれます。」


店員を呼んで各々が飲みたいものを注文していき、飲み物が運ばれて来てから尋問を開始した。


「あなた達はPOISONの名前を知っていますか?」


「…知っているもなにも、運びをさせているのがPOISONだよ。」


「POISONと連絡取れますか?」


「…取れない。あっちから一方的に連絡が入るし連絡を入れてくる奴も俺達と似た立場の奴らだから。」


「じゃあPOISONの上の人達と連絡が取れそうな人物に心当たりはありますか?」


ビクッと身体が震えたのを見逃すほど私の認識スピードと正確さは悪くない。震えたのは女子2人だ。


「女子は知ってそうだけど?」


「こいつらは知らない!」


「俺達は何も知らないんだ!」


すぐさまに男子からフォローが入るけど悪手だよそれは。


「じゃあみんな仲良く少年院に行きますか?私はそれでも良いですよ。犯罪行為をしている奴らに慈悲なんてかける必要がないんですから。」


無言になる彼等。無言が一番良くないよね。


「では私行きますね。」


珈琲を飲み終えてその場から立ち去ろうとしたら女子の一人から待ったをかけられる。


「待って!…お願いそれだけは、それだけはやめて。」


「じゃあ喋って。私は興味本位で聞いている訳ではないから話してくれた内容は漏らさないよ。」


一人が話し始めたら2人3人と話し始めた。彼女達から話された内容を簡潔に言うと、2ヶ月前にクラブで遊んでいたら酒を飲まされクスリを打たれて男達に輪姦されて写真を取られて飼われていた。しかし一ヶ月前に新しいおもちゃを手に入れた男達に捨てられたけど売春をしてお金を貢ぐように言われて脅され続けている。


男子達もクラブで遊んでいたらその女子グループに誘われて乱交パーティー。しかし目を覚ましたら怖いお兄さん達が来て写真を取られて…後は分かるよね?


(まあ割と自業自得感あるし可哀想とは思えないな。自分から危ない場所に行って危ない目にあっただけの話じゃん。)


台風が来ているときに田んぼ見てくると言って川に流される老人と変わらない。熊が出ると言われている山へ山菜を摘みに行って命を散らすアホと大差無い。


「それは大変な思いをしましたね。」


口八丁(くちはっちょう)とはこの事だ。そんな事を思っていないのにその場に適した言葉が口から勝手に漏れる。


「実は私はPOISONを壊滅させる為に派遣されたエージェントです。」


「君が?」


「私とそんなに年が変わらなそうだけど…」


「潜入捜査専門なんです。見た目があなた達と変わらないから私がエージェントとは思わないでしょ?」


私は腰から拳銃を取り出してテーブルに置く。一応拳銃から手は離していない。ヤバくなったらすぐに仕舞えるようにだ。


「え、本物?」


「本物ですよ。ここで見たことは秘密ですよ?」


お互いに秘密を共有することで信頼関係を築く。そうすれば彼等の情報をもっと引き出せる。


「…なあ、本当にあいつらをどうにか出来るのか?」


拳銃をしまい彼の質問に答える。


「今週中に壊滅させます。なので話してくれればあなた達は来週から普通に過ごせますよ。」


私の自信満々の言葉を聞いて再び5人がお互いの顔を見合うが、先程と違い希望を見出した表情だ。


「本当に信じていいんですか?」


「信じても信じなくても今週中に壊滅させます。でも話してくれれば成功率が上がるし私に対しての印象も上がりますよ?写真を消したいんでしょ?」


私が言った写真とは私が撮ったと思い込んでる写真と彼等に撮られた写真の2種類だ。


「みんな良いよね?」


「うん…もうこんな事、嫌だもん。」


「ああ、この人を信じてみよう。」


はいチョロい。精神的に弱っている高校生を誑かすのは簡単な事だ。み〜んな被害者ぶっている。男子達なんてクスリを自分と同じ年齢ぐらいの高校生に売っている時点で加害者なのにね。馬鹿な奴らだ…ある意味で幸せものだよ。


「俺達を脅している奴らは“box 東京”って言うクラブに居る。そこは夜しか空いていないから今は居ないけど。」


「昼間は港区のパチンコ屋に居るらしい。そいつ等を見たって話を良く聞くから。」


「お願い…わたし達を助けて!」


まあ、正直な話…こういうノリは嫌いじゃない。一度くらいヒーロー願望に身を委ねますかね。


「もう安心して家に帰っていいよ。もうそいつ等が君達に出会う事も連絡を取ることも無いから。」


伝票を持ってその場から離れた私は絶対にカッコよかったと思う。彼等の目には私がヒーローとして映ったに違いないよね!

次回辺りからグロくなるかも?残酷かも?

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