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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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私は女子高生として教室に寄与する

次回からまた訓練に戻ります。頑張れ先生。

完全に私のミスだ。何とか誤魔化さないとマリナさんの頭の中が処理課の人達によってまっさらにクリーニングされてしまう!恩を仇で返すような女では無いだろう私は!


「バイト先の繋がりでねっ…。」


ここは雪さん達が用意してくれた設定を活かすしかない!でもモデルをやってるとか言いたくないな〜。私かわいいアピはしたくないよ。


「え!?美世ちゃんバイトしてんの!?どこどこ?」


やっぱり食いついてくるよね…なんて答えようかな。


「そ、それはちょっと…」


「お願い!誰にも言わないから!」


そういう約束事が守られた事ってこの世に存在したの?wikipedi○に載っていないけど。


んん~…絶対に喋るよね。特に女子高生という生き物はさ。


(でも秘密の共有って確か人との信頼関係を築くのに有効的だって何かのツイートで見たな。)


この娘達には私の盾になってもらいたいから敢えて話してしまうか?リスクもあるけどリターンもあるね。これからの高校生活を考えたら悪い案ではない。


「美世が困ってるでしょ。あまり困らせることしないの。」


私が思考している最中にマリナ様から鶴の一声がかかる。その気遣いは本当に嬉しいけど話してしまおう。多分だけどマリナ様が居る場所で話せば箝口令(かんこうれい)を敷いてくれると思う。


「あ、あの…ここだけの話にしてくれますか。」


私が小声で話すとみんなが顔を近付けて無言のまま話の続きを催促する。女子はこういう時の規律がちゃんとされていているから助かる。他のグループの人達も聞き耳を立ててるけど絶対に教えないから!


「私がしているバイトはモデルの仕事なんです。誰にも言わないでくださいね?」


「「「「「マジ!?」」」」」


女子高生が好きそうな餌を垂らしたら見事に釣られてヒットした!みんなの表情を見れば満足出来る話題がグループ内に(もたら)された事が分かる。しかしみんなのリアクションが大きいせいで周りの人達がこちらを注目させてしまったよ。


(どの事務所のモデルなの!?読者モデル!?)


1番に食い付きがいいのがリンさん。小声なのに迫力がある。やはりファッションにご興味がお有りのようで。


「ごめんなさいそれは秘密、恥ずかしいから。」


私が載っている雑誌なんて無いけど参ったな。リンさんかなりファッション雑誌を読んでそうだから私がモデルをやっていない事がバレるかも。下部組織にはそういうアリバイ工作が得意な所があるって雪さんが言っていたから今日の夜に連絡してみようかな。


「美世っちがモデルって意外だな〜そういうのやりたがらないタイプだと思ってた。」


「確かにそうだよね〜。やっぱりスカウトされたの?」


う〜んこの辺の設定はどうしようかな。ある程度は作ってあるんだけどいつかボロが出そうだからあまり話したくないな。


「スカウト、なのかな?私ってこういう性格だから人前に出るのとか苦手で、でもそういう所を直したかったし、続けて行けば自分に自信が持てるのかなって。」


伏せ目がちに言う事で本当はモデルなんてやりたくなかったけどこの機会にこんな自分を変えてみたい!って雰囲気とニュアンスを含ませる。


「こんな事言うと偉そうに聞こえるんだけどさ、偉いと思うよ。」


「最近の美世さん、結構生き生きとしていたから続けた方がいいと思う!」


「うんうん!めっちゃ輝いてたし私も美世みたいになりたいって思ってたもん!」


前に星野先生がクラスの女子が私の真似をしようとしてるみたいな事を話していたけどここのグループの事を言っていたのかな?私って彼女らに憧れのような気持ちを持ってもらってたのかな?


「私みたいに?暗くて友達が居ないような子になりたいの?」


「アッハハハ違うよ!」


「美世っちおもしろ~い!」


冗談交じりに聞いたらウケてしまった。え、なんだろうこの気持ち…陽キャグループのみんなを笑わせた事に快感を得ているのか?なんて悲しい生き物なんだ陰キャ()は。


「美世ってもしかして天然?」


「天然ではないと思うけど。」


自分のことを天然と言う女は度し難いと思っているので否定する。絶対に天然ではないからね私は。


「いや美世は絶対に天然だよ。普通の人と違うもん。」


「美世ちゃんてマリナぐらい話し掛けづらいオーラ纏ってるのに話してみると全然そうじゃないもん。」


「クール系に見えるのに中身は天然系なのきゅんです。」


私ってそんなに天然に見えるのかな?不安になってきたよ…私ってノーマルだよね?


「そういえばさ〜前に美世とお昼一緒にしたじゃん?」


「一回だけあったね。あの時誘うの緊張したな〜。」


「あれさ、迷惑だった?」


ゴクリッ…無意識に喉が鳴る。いやーマリナ様の詰問きちいーすよ…。迷惑ジャナカッタデスヨ?ホントホント。


「私、せっかく誘ってもらったのに誰かとご飯食べるの慣れていないせいでみんなに気を遣わせちゃってたから…マリナちゃん怖かったし。」


最後は小声でマリナ様のせいにしちゃったけど聞こえちゃったかな?あーマリナ様の表情が強張っちゃった。聞こえちゃってたね終わったね。


「マリナ恐がられてんじゃん!」


「マリナのせいで美世とご飯食べれなかったのかー。」


「良かったあ〜避けられてたのマリナが居たからか。」


「美世っち言うね〜!」


「…別に恐がれてないし。」


マリナ虐が始まったけど私は乗らない。マリナ様への恩は返さなければ。


「でも今はマリナちゃんが頼りになる人だって分かったから大丈夫です。」


あくまで私はマリナ勢力を脅かすような事はしないとアピールの為にマリナ様にごまをする。高校卒業まで彼女に守ってもらわなければ。


「美世ちゃん本当にカワイイよね〜。」


「マリナ良かったじゃん。美世っちが頼りにしてるってさ。」


「うっさい。」


ちょっと満更でもない表情のマリナ様。美人がこう恥ずかしがって顔を赤くするのはズルいよね。まあ私もズルい事をしているんだけどさ。


この娘たちにとって私は仲良くしたい人物でありちょっと憧れもある感じだったんだろうね。でもストーカーの一件で庇護する対象に置き換わって私と関わるのはペットを世話するみたいな気持ちなのかも。


うん、気分が良いだろうね。憧れの伊藤美世さんを守ってあげる私達ってさ。実質的に私の上に立てる事になるしね。それに私みたいな敵対しない女子というのは中々居ないだろう。陰口も言わない仲良くもなりすぎないというのは今の世の中ではかなり利点として働く。


美世ちゃんを可愛がる私達カワイイと思うのもそれならそれで構わない。どうせ学校の中でしか関わらないしね。精々皆さんには可愛がってもらおうっと。

主人公は基本的に人と関わるときは損得勘定で関わるか関わらないかを決めています。例え話が合う人間でも利益が無いと判断したら一切関わりません。

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