不快な存在
少しずつおててが言うことを聞いてくれはじめたのでもしかしたら2日に1話投稿が出来るかもしれません。
そして毎日投稿なのですが腱鞘炎とか怖いのでしばらくの間は様子見をしようと思います。
まさかミヨヨが私んちに来るなんて一体全体どうなってんの〜!?私の部屋ちゃんと掃除してたっけ!?メイク道具出しっぱなしだったかも☆しかも朝に着替えた寝間着出しっぱなしだったかもっ!?ヤバいよー!!
「あ、あの、ちょっと、部屋汚いかもしれないけど気にしないでね!普段はちゃんとしてるんだよ!?」
「え?あ、うん…そうなんだね。」
ミヨヨは私の前置きを聞くと少しだけ不思議そうな表情をしてから私の住んでいる階を見上げる。そこからは見えないと思うよミヨヨ。
「あ、今日はパパとママも居るんだった!ヤバい!どうしよう…?」
パパとママ多分家に居るよ〜言い訳どうしよう〜!
「…家に居るの?それは朝も…?」
「え?う、うん。お仕事休みだし多分家でゆっくりしてると思うよ〜。」
「…もし、居たら今日は開校記念日だったって言おう。そして勘違いして登校したら私も勘違いしていて、開かない校門前で一緒に遊ぼう的な話になりましたって言えば良いよ。」
「ミヨヨ…天才。」
ミヨヨ頭良すぎっしょ!これならサボりがパパママにばれん!
「じゃあ私んち行こっか。」
私はミヨヨを連れてエレベーターで7階まで昇っていき、廊下を少し歩いて私んちの部屋の前に到着する。…ちょい緊張してきた。良く考えると友達を家に連れてくるの初めてなんですけど〜!?エグいぐらい震えてきた…!
「…なんか緊張してる?」
「ひゃいっ!?き、緊張なんてしてないよっ!?」
「…そう。」
あれれー!なんでこんなのおかしいよ〜!なんでこんなに緊張しちゃうの?ミヨヨだから?
「あーう〜ん…よ、ようこそ?」
「…どうも。」
私は玄関のドアを開きミヨヨを招き入れる。ちょっと誘い方が変になっちゃったけど仕方ないよね!?だってまるで初めて彼氏を自宅に招くみたいな感じなんだもん!前は小さくて可愛かったのに今は背が高くて大人びてカッコいいんだよミヨヨ…。
「あ、パパ!ママ!」
私がリビングに入るとパパとママがソファーに座って寛いでいた。えっと、なんて言えば良かったんだっけ?
「えっと…ミヨヨだよ。私の友達。」
「…なるほど。こういう感じか。」
私がミヨヨをパパとママに紹介してから今日は開校記念日で休みだったことを伝える。するとママがお菓子を焼いてくれると言ってくれた!嬉しい!
「ママの焼くクッキーめっちゃ美味いから期待してて☆」
「…クッキー、クッキーね…。」
あれ?さっきから反応が悪い気がする。もしかしてミヨヨも緊張しちゃってる?
「あ…ゴメンゴメン。ちょっと人の家にあがる機会が少なくてさ…。」
確かにミヨヨはあまり人の家に行ったり呼んだりすること少なそう。私と一緒だね☆
「じゃあ私の部屋に行かない?…ちょっと片付いてないけど。」
「片付く…?いや、ううん。大丈夫だよ。ミリマリストの部屋楽しみ〜。」
「ミリ…?」
ミヨヨなんて言ったかな?なんか難しい言葉使った気がするよ。
「部屋に物を置かない人のことだよ。」
「寧ろ私の部屋ごちゃってるから!でも私とミヨヨが座れるぐらいのスペースはあるかな?」
こんなことを言うとママに部屋を片付けなさいと言われるし、パパはそんなやり取りを聞いて笑ってるしでミヨヨに恥ずかしいところ見られちゃった…。
(あれ、ミヨヨ無反応。あまり気にしていない?)
ミヨヨなんか私の顔をじっと見てくるしなんだろう…。変なこと言っていたかな?
「あ〜部屋こっち。」
「…オッケー。」
リビングを抜けて奥の方に私の部屋はある。角の部屋でお気に入りなんだよね。
「あ〜やっぱりメイク道具と寝間着そのまんまにしてた〜!恥ずかしい〜!笑」
「あ、そんな感じなんだね。なるほどなるほど。」
「ちょ!あんま見ないでミヨヨ〜!」
あ〜こんなことなら日頃からちゃんと掃除しておけば良かった〜!ママがたまにしてくれるし気にしていなかったけど、こういう所はちゃんとしておかないとだらしなく見られるよね…。
「えっと、とりあえずベッドに座ってて!片付けるから!」
「ベッド…?」
ミヨヨが辺りを見回しながら私の部屋の惨状を観察している。止めて!恥ずかしいよ〜!
「早くこのベッドに座って!」
私はミヨヨの腕を掴んでベッドに座らせる。早く片付けてミヨヨとお話しないと!…あ!下着が床に落ちてる!見られたかな!?
「…マオマオ、今の私ってベッドに座れてる?」
とても変な質問だ。もしかしてミヨヨはベッドに座ったことがない?どんなお嬢様育ち?
「座ってんじゃん〜!ちょい待ち〜!」
とにかく服をクローゼットの中に詰め込んで〜!それからメイク道具をしまってテーブルを綺麗にして〜!あとあと〜!
「…さっきから何をしているの?」
「片付けだよ〜!ミヨヨ片付けしたことないの〜!?」
「片付け…片付けか。なるほど。メイク道具は分かったんだけど他がね。」
さっきからミヨヨの質問がおかしいし表情が硬い。なにをそんなに不思議そうにしているの?もしかして私の部屋ってそんなに変ッ!?
私って同い年の女の子の部屋の中とか知らないしもしかして変なのかもしれない…。そりゃあちょっと散らかってぬいぐるみとか多いかもだけどさ…。
「…気持ち悪い。いや、気色悪い…かな。」
「え?」
小声で良く聞き取れなかったけど、今なんか言っていたよね?
「今の聞き取れなかった?結構声量あったと思うけど?」
「ううん…何も聞き取れなかったけど?」
片付けしながらだから良く聞いていなかっただけだよ…?どこが変なのだろう。…多分、ミヨヨは私が変だと思ってる。…勿論分かってるよ。私が変だってことはさ。
みんなと歩調合わないし…浮いてるし…クラスに友達居ないし…避けられてる感じあるの自覚してるもん。
でも、ミヨヨはそういうことあまりしてこない娘だと思っていたのに…
「…なんで、そんな言い方するの。いじわるだよミヨヨ…。」
「いじわる…?私が変なことを言ったと思ってるの?」
ミヨヨは驚いて私の顔をガン見し、それから腕を組んで何かを考え始めてしまった。
『なんですかこれ。私の認識がおかしいわけじゃないですよね?』
『私達の視点でも異常に見える だからミヨは正常だ 異常なのはこの女 全く…とんでもないものを掘り起こしてしまったようだな…』
え?誰?今…ミヨヨと別の人の声が聞こえた気がする。
「男の声…?」
「聞こえた…?私と先生とのパスに割り込んだ…?」
ミヨヨがまた変な事を言ったと思ったら私はミヨヨに押し倒されて首を掴まれていた。
「お前…危険だ…!なんなんだよっ!一体何者だッ!」
「ひゃぅ…!」
ま、待って…い、息が…!息ができなひ…!
『落ち着けミヨ!殺しては駄目だ!もしコイツを殺してから生き返らせようと時間操作をしたら時間制限が無くなる!まだ殺すな!』
また声が…する…。誰…?私のこと話してる…?しかも殺すとかどうとか言っていて訳が分からないよ…
「でも、危険すぎますよ…っ!どう考えても異常です!何もかも嘘で出来てる!」
ミヨヨの顔がすぐ近くまで来て私を凄い顔で見ている。なんでこんなにも苦しそうな顔をしているの?私のほうが苦しいよ。抵抗しようとしてもミヨヨの力が強すぎて何も出来ないし、もう意識が…ヤバ…ほんとうに…死…
『ミヨ!!』
「…分かりました。」
ミヨヨが首を掴んだ手を離してくれたおかげで私はやっと息を吸えることが出来た。
「ゲホゲホッ!」
「…あなたの事、色々調べたよ。」
私は咳き込み床の上で横になっているとミヨヨが膝立ちで私を見下ろしながらまた変なことを言い出す。何がなんだか訳が分からないよ…!
「中学校とか、小学校とか、あなたの家族構成とかね。」
「けほっけほっ…何?なんでそんなこと調べたの…?」
涙目ながらにミヨヨの目を見るとその冷たさに息が詰まってしまう。さっきは物理的に詰まったけど今は違う意味で詰まっている。
「殺すかどうかを決めるため。今日ここに来たのは見定めるため。今のところは殺さないけど多分あとで殺す。」
「こ、ころす…?誰を、誰が…?」
「私がお前を。」
な、何を言っているの?ミヨヨが私を…?なんで殺さなれないといけないの?
「だから質問に答えて。あなたヤバい薬とか使ってる?」
「な、なんなの。なんでそんなことを聞くの?」
「質問に質問で返すな。」
ミヨヨ怖い…。まるでさっきとは別人だよ。今のミヨヨは好きになれないよ…。
「…質問変えるけどこれ、見える?」
ミヨヨがなんか左手でジェスチャーをしだした。…何かを握ってる?
「ひ、左手を握ってるように見えるよ…」
「これは見えないのか…。見えたり見えなかったりするね。じゃあ…これは?」
ミヨヨは持ってきていた鞄から拳銃を取り出し先端に筒みたいなものを付け始める。…おもちゃにしてはすごく本物っぽい。
「なにそれ、おもちゃ?」
「左を見なさい。」
ミヨヨに言われる通りに顔を左に向けると何かがすぐ目の前を高速で通り過ぎて床に衝撃が響いた。そして床を見ると穴が開いてそこから白い煙が立ち昇る。…花火の臭いがした。
「本物だよ。これで頭を撃ちぬけば死んじゃうよ?」
そう言ってミヨヨは本物の拳銃で私を脅し始める。どうしてこうなってしまったのか私には分からない。でもミヨヨの言うとおり私がおかしくて、彼女はなにか目的があって私に接触を図ったのかもと、頭のすみで私はそう考えるのだった。




