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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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先生達の言い分

遅くなりました!明日は早めに投稿したいと思います!

「伊藤さん止めなさい!」


突然土下座してきた教え子に驚きつつ止めるように注意する。ここ最近でも問題児ぶりに拍車がかかってきた伊藤美世さん。入学当初は大人しい子だったのに今では…


「はい!」


今度は直立不動の姿勢をとって運動部ばりの返事をする。もうこの子の考えている事が分からない!あなた女子でしょ!?普通職員達の目の前で土下座する!?


「こっちへ来なさい!」


伊藤さんの手を取り職員室を出る。もうここじゃ視線が集まって話し合いが出来ない。私の変な噂が立ったらどうするの!




「伊藤さっきのはどういうつもり?」


星野未来先生がめちゃくちゃ不機嫌で私に問いかけてくる。笑顔なのに目が怒気に包まれている先生の表情に私は死期を悟る。


「つい身体が動いてしまいました。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」


私の必死の謝罪が通じたのか、とりあえずは怒りを沈めてくれた。ふー危なかった。


星野未来先生は独身貴族に名を連ねる猛者の中の猛者で、容姿は優れているのに体格に恵まれず(特に胸)私は勝手にシンパシーを感じている。まあ私はまだ成長期段階なのでもしかしたら先生とは違う運命を辿るかもしれない。その時はゴメンね先生?


「とりあえず座りなさい。」


星野先生に連れてこられたのは二階にある空き教室で元々は1年E組の教室だったけど少子化の影響で数年前から使われなくなったらしい。星野先生みたいな独身貴族達の働きで少子化が進んでると言っても過言ではないだろう。まったく…先生はしょうがない大人だな〜。


「今日呼ばれたのは言うまでもなく、最近の伊藤さんの学校生活に対しての姿勢よ。」


「私姿勢良いですよ?」


最近は体幹を意識して鍛えているから同級生の誰よりも姿勢が良いと自負している。


「伊藤さんふざけているの?」


「すいません冗談です。」


やっぱり星野先生と“先生”は大違いだ。まず冗談が通じないし言葉が強い。最早言葉で殴られている気分だ。


「入学したばかりの時はそんな態度じゃなかったでしょ?」


あの頃は猫被っていたからね。小中でも被っていたけど最近は暑いし脱ぎ捨ててしまった。もう衣替えを済ませて半袖だ。


「アクセサリーもそんなに付けて!校則でも節度ある格好をするように書かれているでしょ!」


「節度は守っているつもりです。ピアス付けてきてないでしょ?」


この子…素で言っているみたいだから質が悪い。中学校の先生から伊藤さんの家庭事情や学校生活での様子を聞いていた。


誰とも仲良くせず一人で行動していて、部活や勉強もパッと目立つような所は無いけど、その容姿で悪目立ちしていた生徒だと聞かされた時は心配していた。


入学当初はただ大人しい子でそこまで目立たない生徒だったのに…今ではクラスのなかでも華やかな女子グループよりオシャレに着飾っているから周りに悪い影響を与えてしまっている。


言ってしまえばクラスのファッションリーダーとして頭角を現してきているのよね。この頃の女の子はオシャレの為に校則なんて平気に無視するから。


「そうね。ピアスはしてこなくなったわね…でもそのペンダントやブレスレットはどういうつもり?学校生活には不必要だと思うけど?」


ここで釘を差しておかないとクラス全体に彼女のような在り方が流行してしまう。居るのよねこういう居るだけで周りに影響を与えてしまう存在が。伊藤さんの場合は天然だから本当に質が悪い。


「学校生活どころかアクセサリーなんて生きる上で必須では無いですよね?でも市場には一杯流れていますしみんな付けている…何なんでしょうねアクセサリーって。」


何を言っているのこの子は?哲学の話なのか誤魔化す為に言っているのか判断に困るわ。伊藤さん絶対に対人スキルに難を抱えているわね。


「知るわけないでしょ…はあ〜。あのね?伊藤さんを真似して最近はクラスの女子生徒全体にアクセサリーを身に着けるのが流行しているのよ。これが学年全体にまで広がりつつあって学年主任から私に対して注意するように言われたの。」


「え?何で私の真似をする必要があるのですか?というよりそんな流行知りませんでしたし、私は無関係です!それに私の真似をするような人どころか友達も居ないんですよ!?」


後半はキレながら反論する伊藤さん。やっぱり自覚なかったか…それに友達が居ないというのはそれはそれで問題だ。イジメ…られているわけじゃないよね?


「誰か一人校則違反をすると周りもそれをやってもいいんだと判断してしまうものなの。だから伊藤さんには生徒の模範になるような立ち振る舞いをしてもらいたいの。お願い、先生を助けると思ってちゃんとした格好をして!」


先生に頭を下げさせてしまった…しかもあの鬼教師がだ。かなりの罪悪感と私って結構悪いやつなのかもしれないという自覚。これは結構問題なんじゃない?私結構問題児なんじゃない?


「先生顔を上げてください!まるで私が悪い事をしているみたいじゃないですか!」


「悪い事をしているから呼び出されているんでしょうが!!」


星野未来、今年2度目のガチギレを伊藤美世にぶつける。因みに一度目のガチギレも伊藤美世が原因である。


「え!?何で!?そんなに大罪を犯しているつもりは無いですよ!?」


先週は能力者を一人殺したけどアレは必要な処置だったし、国から許可は得ている。それに比べてアクセサリーしただけであんなに怒るなんて、先生もしかして…あの日かな?


「ギルティよ伊藤さん。この学校では伊藤さんの存在が罪の象徴になりかけているの。」


な、なんだってー!?結構キツイことを言われたけどもし真実なら私とんでもない問題児じゃん!?


「私って罪作りな女だったんですね。」


話しているかぎりでは伊藤さんはバカではないのにバカなのよね。仕方ない…バカにはバカなりの交渉術があるのよ。


「伊藤さん。これ以上学校の風紀を乱すなら…」


「ゴクリ…乱すなら?」


伊藤さんは悪い子では無いからこんなやり方は良くないのは分かっているけど、もうこの手しかない!


「ご家族を呼んで三者面…」


「今すぐ外して捨ててきます!」


教室内のゴミ箱にアクセサリーを捨てようとしたら先生に止められて家に持ち帰るように言われた。良かった…三者面談を防ぐためならば賄賂を渡すことだって辞さない。


「じゃあ午後からの授業も頑張ってね。期末試験も近いんだから。」


「はい!赤点を取らないように頑張ります!」


先生との和解を遂げて、やっと開放された私は残りの時間で素早くお昼を済ませるために教室に戻ることにした。トイレに行っている暇なんてないしね。


教室に向かおうとしたら先生とのパスに反応がある。


『ミヨ 今大丈夫か?』


『先生!大丈夫です!』


後ろから制服姿の私の軌道を再現して先生が現れる。学校で話すのは初めてだ。


『ここがミヨが通っている学校か?ふむ…面白いな』


あっちこっちを見回して見る姿は入学したての高校一年生みたいで微笑ましい。この娘いまフリーかな???


『それで先生。今日はどんな御用が?』


私は教室に戻りながら質問すると先生が後から付いてきてくれる。可愛いな。


『ああ ミヨに新しい能力を覚えてほしくてな それでまた訓練を行いたいと思っているのだよ 出来れば今日から始めたい』


『早退します!』


『ーーー目立つ行動は控えよ 出来るだけ年相応の立ち振る舞いをして周りに溶け込むのだ』


『必ずそうします!』


さっき言われた星野先生の話もあるから少し地味目の格好をしていこう。もともと地味だしね私は。


『また訓練場所を教えるから時間が出来たら向かうように』


『はい!』


また先生とのランデブーポイントを見つける旅が始まるのね!私達の戦いはこれからだ!


私は新たな能力と先生との個人レッスンに胸を踊らせながら教室にへと向かったのだった。

いつも読んでくださりありがとうございます!出来ればブクマや評価ポイントを付けてくれると作者が一方的に得します!本当です!

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