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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
2.死神の猟犬
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公開の後悔

気が付いたら初投稿から1ヶ月過ぎてました。早いものです。


今回のお話は短いですが土日のどちらか2話投稿をしようと思います。

ソプリからの通知に四苦八苦しながらもどうにか帰宅して、そこでも玄関で父と一悶着があったけど、初任務の初日を終えた私は翌日の朝から“先生”の説教を聞かされながら登校していた。


登校中に投稿について説教されるとは…ちゃんと許可を取らずに写真をネットに流すのは止めようね!


まあ、そんなこんなで女子高生の仕事を終えて放課後、スマホの修理の為にショップに向かう事にしたが気乗りしない。


昨日の晩、父に連絡しなかった理由をスマホを落としてしまって探していたら遅くなった。しかもスマホがお亡くなりになったから連絡も出来なかったと言い訳をしたら明日ショップに行くぞと言われてしまった。宮沢みゆきマジ許すまじ。


父と二人で出掛けるのはスマホを買った時以来だ。


(まあ現地集合だし、その後は解散して個々に帰宅すればいいか。)


学校からショップまではそこまで距離がある訳ではないので歩いて向かうことにする。和裁士さん達お手製のリュックサックを背負い直して私は校門を抜けるのだった。


それにしても最近は新しい物に溢れた生活になって来ている。右手にはスマートウォッチ、左手にはブレスレットが巻かれて首にはネックレスを付けている。すっかりオシャレに目覚めてしまった私は耳にピアス穴を開けようか迷っているぐらいに美意識が女子高生の標準まで上がった。


(今度雪さんに会ったら相談してみよう。)


昨日はソプリが荒ぶっていたしスマホが壊れて連絡が取れなかったからね。直接会って色々とご教授願おう。


これからの予定を考えながら歩いていたら目的地に着いてしまった。時計を確認すると学校を出てから20分も経っていた。速すぎる…【削除(リボーク)】を使ってしまったのかな?


そんな小粋な能力冗談(ジョーク)をかましていたら店内から父が出てきた。


…行きますよ〜行けば良いんでしょ〜?


父と店内に入った後は手続きは全て任せて私は話には混ざらずに、ただただ隣で座り続けていた。私はただの置き物です。


「良し帰るぞ。」


気が付いたら私の手元には新しい古い機種のスマホがあった。これも【削除(リボーク)】の力か…


「私寄るところあるから。」


「何処に寄るんだ?」


絶対に聞かれると思った。まあ座っている時に言い訳は考えていたから大丈夫だけど。


「スマホを探すの手伝ってくれたバイトの先輩に何かお礼にしたくてお菓子買いに行くの。」


「…そうか。先に帰えるが遅くならないように。」


「はーい。」


父と別れる事になって1人の時間が私を出迎えてくれる。ただいま!そしてスマホおかえり!顔立ちはかなり変わったけど中身データは昔のままだね!


早速雪さんにスタンプ爆弾しようっと♪フッフッフー!私の爆弾は核爆発する威力だよ〜?


ラインを開いたら雪さんとのトークに通知が来てた。良しスタンプ合戦だ!!!!


しかし雪さんから送られて来た文章を読んだ瞬間、私は組織のビルまで走り出していた。


「本日は…」


「これ!第二部に用があります!」


警備員にブレスレットを見せてからすかさずに用件を話しゲートをくぐる。人に見られるけど最大速度で第二部のビルまで走り抜ける。


(雪さん!待っててね!)


玄関を抜けてロビーのエントランスに入る。中は白を基調とした清潔で清廉なイメージがする。ここは能力者の研究所であり組織で働いている職員達の健康管理を行なっている医療施設でもある。なのでほとんど病院のような内装をしている。


「伊藤さん!?本日は…」


見たことない人だけど私の事を知っているらしい。


「雪さんはどこに居ますか!?」


「雪さん?あ、淡雪?それなら3階…」


「ありがとうございました!」


スマートウォッチを操作しながら“視界”を3階に飛ばしエレベーターまで移動する。


「伊藤さん?」「え、本物?」「昨日の話聞かせて!」


恐らくは昨日の投稿を知っているらしい人達に囲まれる。


「あとでお願いします!」


私の圧力に負けて人が避けていき、鼻息荒くした私が一人でエレベーターに乗り込む。ふんすー!


「【削除(リボーク)】で短縮したい…!」


たった3階に向かう距離であっても短縮したくなるぐらい焦っている。視界で部屋の位置は分かったから直ぐに向かえるような姿勢を取って構える。両手を床に付けてお尻の位置を頭より高く上げ直ぐに駆けられるように足を前後に置く。即ちクラウチングスタートの構えだ。


エレベーターの扉が開いた瞬間に私の人生史上1番の好スタートを切る。


「え!?」「は!?」「何で病棟でクラウチングスタートかましてるんだ!?」


そんな雑音も私の好スタートの前では気にならない。ここを曲がって左の部屋に雪さんが入院してる!


「雪さん大丈夫!?生きてるよね!?雪さん死なないで〜!!!!」


その時、一瞬だけ見せた雪さんの厄介な客が来たなという表情を見逃すほど私の【探求(リサーチ)】の精度は低くない。


「死んでませ〜ん〜残念でした♪」


「生きているなら何で直ぐに連絡くれなかったの!?」


「美世ちゃんの初任務に支障をきたしたくなくてね…ゴメンね。」


雪さんは宮沢みゆきとの接触の際に軽く戦闘があり同じチームの人を庇った結果、頭に負傷を負って入院する事になったらしい。あのアマ…惨たらしく殺しておくべきだったな。


「雪さんカッコつけ過ぎだよ…私の為とか言ってさ。」


「初任務は力が入り過ぎて失敗する事が多いし処理課なら尚更気を付けないとだから、課長にお願いして私の情報は伏せてもらったの。」


「雪さん好き〜。」


私は雪さんの豊満な胸に抱きつく。こういう時に人は本性をあらわにするものだ。


「私も美世ちゃん好き〜!」


ぐへへ!美世ちゃん粒子補充出来たから明日退院しようっと♪


「今度から私を直ぐに呼んでね?最速で向かうから!」


「私は美世ちゃんの先輩なんだから!美世ちゃんが大変な時は私を呼んでね?」


「雪さん!」


「美世ちゃん!」


ひしっ!再び抱きつく女性2人。ここの間に挟まれたい男性は多く居るだろうが、能力者2人の筋力で挟まれたら多くの男性は逝ってしまうだろう。


「無事で良かったです…。」


「うん。お疲れ様美世ちゃん。」

遅くなってゴメン、ゴメンだて。

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