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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
2.死神の猟犬
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【再現】の発展形能力

ブクマと評価ポイントありがとうございました!モチベがものすごく上がるので助かります!

いきなり現れた“異質”にその場の誰もが動けずにいた。死神であっても予想外の成長を見せた伊藤美世の成長に一瞬だけ思考放棄をさせるほどに。


《再現出来てしまったものは仕方ない ()()()()()()()()()()()()()()()ミヨなら上手く使いこなせるだろう》


『ミヨ この際その能力を使用しても構わないが第三者に決して見られることは無いように!他の能力よりも厳重な管理が必要だと心に刻むのだ!』


『え?えっと、はい分かりました!取り敢えず宮沢みゆきは確実に殺せという事ですね!』


理解が早い…しかし後々致命的な失敗をしそうで不安になる死神とこの場面でこちらを無視して何かに集中している彼女を見て不安になる宮沢みゆき。両者は奇しくも同じ思いを抱いていた。


(とりま殴ってみて反応を見るか。)


美世は能力にリソースを喰われたおかげで感情が薄くなり冷静になれた。その代わりに短絡的な行動しか取れなくなっていた。


彼女は対象に一直線に向かってよく分からない能力をバリアに叩きつけようとする。


その対象となる宮沢みゆきは反応が遅れて受け身の姿勢を取らざるえなかった。バリアにあの腕が触れるのは危険だと感じてはいたが能力にリソースを使い過ぎて運動機能すらマトモに働いていない状況で後退する事も出来ずにその腕をバリアで受けてしまった。


ズンッ…バリアに腕が沈み込み完璧な球体状のドームに凹みが生まれる。しかもこの現象に美世も宮沢みゆきも反応出来ない程速かった。美世の【探求(リサーチ)】の認識速度でも“腕”の軌道を正確に認識する事が出来ず、宮沢みゆきのバリアもいつの間にか急に凹んだとしか認識出来なかった。


《その腕の軌道は完璧に再現していないからこそ速く認識が難しいのだ 途中の軌道を取り除かれている為この能力は近距離戦では無類の強さを誇る》


伊藤美世自身が放った拳は確かに速いが物理法則の範囲内の速度しか出ていない。しかしこの“腕”は違う。モーションとしては美世と同じ動きをしているが途中途中の軌道が取り除かれている為に全体の動きが短くなっていた。


分かりやすく説明するとパラパラ漫画のイメージだ。同じモーションでもコマ数が多いか少ないかでモーションの長さが変わる。そしてこの“怪腕(かいわん)”はコマ数を取り除いて物理法則すら無視した軌道を描く…いや、軌道を描かずに物理的現象を引き起こす。


軌道すら取り除いて“軌跡”だけが残る。【再現(リムーブ)】の発展形能力であり“死神”が持つ能力で最大の破壊力を秘めた派生能力“【削除(リボーク)】”


『説明を省くがその能力は絶対に自身の身体で使うんじゃないぞ!その怪腕以外での使用は禁止する!』


私は先生の焦った声を聞いて宮沢みゆきとの距離を取って先生に話しかける。


『先生この能力って地下駐車場の時と明らかに違うみたいですけど…その時と比べてかなり危険な能力だと使っていて分かりましたが。』


『この闘いが終わったら説明する。今はその能力(リボーク)を制御しつつ対象を処理する事だけに集中するのだ』


先生の表情は今までで1番焦っているように見えるけどこの“怪腕”ってそれほど危険なの?それにリボーク?


先生とのパスから必要最低限の情報が流れてくる…なるほど【削除(リボーク)】か。


『先生ありがとうございます。すぐに仕留めてきます。』


私の両肩から一本ずつ生えた怪腕を完璧にコントロールするには今の脳では不可能だと判断する。先生の情報通りなら殴れば決着つけられるし【再現(リムーブ)】と【削除(リボーク)】が同時に使用出来る事も分かった!


全身を【再現(リムーブ)】で強化して私が出せる最高速度で距離を詰めて怪腕で殴る。


両腕でジャブを打つように1発ずつ打ち込めば乾いた笑いが出るほど簡単にバリアが凹んだ。さっきまでの苦労は何だったのだろうか。


「うう!?」


続けざまに4発打ちこんでみれば、バリアの一部が拡散し宮沢みゆき自身が後ずさりした事で確信を得る。この怪腕なら行ける!


しかし対象のベルガー粒子が再び妖しく輝きバリアの形状に変化が起きる。凹んだ箇所が少しずつ膨れるように回復され元の形状に戻ろうとする。


「させるかっー!」


回復の暇をあたえないように怪腕を放ち続ける。そして気付いてしまった。…あれ、これってまさか?オラオラですか?


大変な事実に気付いてしまった!スタンドじゃん!!!!WRYYYYYY!!!!マッーーージで最っ高にハイってやつだ!!!!!!


無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!


「ゔゔゔゔゔゔゔあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


私の無駄無駄ラッシュに対抗しようとバリアを前面に集中させて硬度を上げようとしてくるが無駄ァ!


「ブッ潰れろぉ!!!」


今までにない衝撃音が響き渡り、これを勝機と見た私は間髪入れずに怪腕をひたすら放ち続けてバリアを拡散し続ける。この怪腕は私の腕で放っている訳では無いから疲れるという概念が存在しないし痛みも感じない。更に私自身の両腕は現在フリーで活動している状態で暇を持て余している。


左手に握られている銃にもリソースを割く事である動作を行なう。これは先生に教えてもらった制約であり銃にあって当然のギミック。


()()()()!」


銃を右側にスナップを利かしてシリンダーを開放する。その動作を行なう事で現在の軌道を無くす代わりに弾数を回復出来る。今度は左側にスナップを利かしてシリンダーを仕舞う。


(軌道が無くなった事も弾数が回復したことも理解出来る。)


銃口を向け引き金を引いて軌道を再現しそこに軌跡だけを残したラッシュ。この攻撃を防ぎきれるかな?


新しく得た能力によってバリアが砂の城のように崩される。そしてそこに追い撃ちをかける能力を伊藤美世は持っている。


「【再現(リムーブ)】!」


同時に不可視の弾丸が再現されバリアを襲う。バリアの前面が完全に拡散され宮沢みゆきの生身が晒される。


「【再現(リムーブ)】!!」


「ゔゔゔ、うあああ!!!!!」


宮沢みゆきが残されたベルガー粒子をかき集めて両腕に纏わせ盾のようにバリア構える。そこに再現された弾丸6発分の軌道が走った。


「きゃあああっ!!」


制約上では能力同士は干渉出来ないがそれを行使する能力者には干渉出来る。6発分の衝撃を訓練も行っていない宮沢みゆきの腕では耐えることは出来ずに皮膚と肉がはじけ飛び骨が砕け衝撃は胴体にまで届く。その結果肋骨にヒビが入り彼女は3メートル後方まで吹き飛ばされる。


「ううう…」


痛みは感じないものの肺が上手く働かず呼吸が出来ない。その為、脳に酸素が回らず能力を使用する事も出来なくなり最早虫の息だ。


『ミヨの勝ちだ』


それが試合終了の合図となり私は怪腕を消し去った後、宮沢みゆきにトドメを刺すため私は銃を構えながら歩み寄った。

これからも投稿頑張りますので引き続きお付き合いの程を願います。

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