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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
4.血の繋がった家族
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人生回帰

美世の母親のお話です。

私は旧い団地のアパートで父と母と3人で暮らしていた。父は平のサラリーマンで母は専業主婦。父はマイホームを夢見て夜遅くまで働き、家に居る母は私を一人で育てていた。


そんなどこにでもあるような3人家族だったが、一つだけ他の家庭とは違う事がある。それは娘である私が周囲から浮いていた事だろう。


同じ団地に住んでいる同年代の男の子からよくイタズラをされて泣かされ、同い年の女の子から居ないものとして扱われた。


私は何故そんな事をされるのか分からず私は母に訪ねた。すると…


「あなたは可愛いからちょっかいを出したくなるの。」


幼い頃に言われた私は正直その言葉の意味が分からなかった。可愛いとイジメられるのだろうか。幼い頃の私は納得がいかなかった。でも母はそれ以上の言葉を掛けてくれなくて、私を少しずつ遠ざける様にパートを始めて家を空ける事が多くなった。


小学校に上がると色んな事が顕著に現れる。イジメはクラスメートの数だけ増えて、父も母も家に居る時間が減っていった。


唯一味方だったのは担任の先生で、よく放課後に呼び出して相談にのってくれた。でもあれは私を思った行動ではなく自分の欲を満たす為の行為だった。


男性でいて独身のその先生は自宅に私を何度か招こうとしたけど、私はそれを全て拒否した。そうしたら今度は先生も私をイジメるようになり、それがとても悲しかったと記憶に残っている。


私は最初なんで先生まで私をイジメるのか理由が分からなかったけど、そんな私の疑問に誰も答えてはくれなかった。そして私は本当に一人ぼっちになってしまった。


何故自分は周囲から愛されないのか、何故みんな同じ目を向けるのか。それが分かったのは私が帰宅して珍しく早く帰宅していた父と二人きりで家に居た時だった。


この頃から父と母との間が上手くいっていない事は察していた。私が寝たあとによく二人で口論をしていたから。その内容はお互いの浮気の事や私の事。私は二人からも疎まれていた事をその時に知って、何も知らないフリをし続けて日々を過ごしていた。


だから父と二人で家に居るのはとても窮屈だったけど、私は父に愛されたいと思い父の背中に抱きついて耳元で“遊んで”と囁いた。


私はその日に父に襲われ犯された。初潮も済ましていない私の身体を父は獰猛に貪った。母はその日に帰って来なかったからこの事を知られずに済んだけど、その代わり朝まで父の責め苦を味わう事になった。


幼い身体では応えきれない要求も、刺激も、私は父から求められ与えもした。父は私と恋人のような関係性を求めていたように感じた。


それからも父との肉体関係は続き、私の穴という穴は全て父によって快楽を提供する道具へ開発されてしまう。


その頃ぐらいだろうか。私の身体は成長期を迎え始め初潮も迎えたと記憶している。父が大変喜んでいたから印象に残っている。


そしてその時、学校でも変化が訪れる。周りの男子の反応が変わり、あれだけからかって来た男子が私に優しくなったのだ。


よくリコーダーや体操着が盗まれていたけど、その代わりに私の下駄箱に恋文が置かれるようになった。そこで私は自分が可愛いんだと自覚した。ここからが私の人生の転機になる。


私は自分の武器を理解して父に快楽と愛情を注いだ。たった1週間ぐらいで父は私に優しくなり何でも買ってくれるようになった。しかも父は私に不倫相手の女を紹介しホテルの一室で3人一緒に行為を及ぶ事も増え、その女にも父と同じ様に快楽と愛情を与えた。


父もその不倫相手も私の言う事をなんでも聞いてくれるようになり、私には人を堕落させ思い通りに動かす才能がある事を知った。


それからの私は学校でもその才能を発揮した。適当なクラスメートの男子を一人校舎裏に呼んで…


「あなたの事が好き。今日あなたの部屋で遊びたい。」


そう囁けば年頃の男子は悶々としながら私を自室に連れ込んでくれる。あとは幼い男の子の身体に快感を植え付け、私に依存するように手取り足取り性行為のヤり方を実践で教えてあげれば……あら不思議。みんな私の言う事を聞いてくれるようになる。


それをクラスメートの男子全員にやったらその日からみんなで集団下校。秘密基地で乱交パーティーが日課になった。


放課後はクラスメートと乱交し、夜は父と浮気相手の相手をする日々の中、次は誰を食べようかなと考えていたら私は母に目をつけられた。


母の浮気相手は女性で、母は女の人が好きな人種だった。私はある日、母に外食へと誘われ車に乗せられて知らない建物に連れ込まれた。母は私に性的なエグい要求をしてきたので私は全てに応えてあげた。それが心底良かったのだろう。母のセフレ達にも同じ様な事をしてあげたら大層喜んでくれた。


父も母も私の言いなりになって家族のヒエラルキーで私が頂点になる頃にはクラスメートの女子の処女をいただき、クラスメートのピラミッドで一番下の階層だった私は一番上の階層へと上がっていた。


高学年の女子は大人っぽくなりたい年頃だったからちょっとグループで誘えば簡単に食えた。それが学年中に噂になったけど、先生達とも私は関係を持っていたから噂は噂だけで私に実害は無いよう大人たちが動いてくれた。


担任も学年主任も音楽の先生も保険の先生もみーんな仲良くお互いの身体を貪った。


中学に上がる頃には私の噂は他校にまで広がっていたけど、特に問題は感じなかったかな。だって一週間後にはみんなのハメ撮りが手元にあったし、先生達も保護者達も私の味方だったからね。


しかも欲しいとは言ってないのにクレジットカードをくれたり、使っていないマンションの鍵とかお金になるプレゼントとかを毎日の様に渡されていたからお金にも困らない日々だった。


それから、この時ぐらいから避妊はしていた。体型が崩れるのが嫌だったし父親を誰にするのかで揉めそうだったから。全員から自分の子を産んでくれって言われるのは想像に難くない。


まあそんなこんなで中学校は結構無難に過ごしていたかな。自宅以外に寝泊まり出来る建物が10個以上あったし、毎日どこかに帰れば誰かしらが居るからその人たちとご飯を食べてセックスして翌朝に学校へ向かう。


そんな爛れた3年間を過ごした。しない日は無かったね。私が生理でもみんな喜んで舐めてくれたし、やらないとみんな不機嫌になるから、あそこが乾く事なんて無かったよ。


高校に上がる頃には身体は完全に熟して益々周囲の目を引く事になる。胸もお尻もみんなが揉むから結構大きくなったけど、そっちの方が何人も同時に相手出来るから私にとっては都合が良かった。私にとって自分の身体は相手を堕落させる便利な道具のようなものだ。


でも高校に入った時には私は小学校や中学校の時よりも比較的には落ち着いていた。父と母が私を怖がるようになり家を出て私を捨てたからかな。


そんな家庭の変化があったからなのか、いきなりクラスメートを味見する事はなく普通に高校生として1週間を過ごした。久しぶりに真人間に戻れたと思う。


でもね。私の通った高校ではもう私の噂どころか情報が出回っていて女子達から嫌悪感丸出しの対応をされて、男子達からは下心丸出しの対応をされた。


だからそのまま普通の高校生をやる事にした。警戒されている相手を落とす程は飢えていなかったからね。


それから半年経ってクラスの雰囲気はガラッと変わり、クラスの女の子達からは普通に朝の挨拶とかを返してもらったり、一緒にお昼とかを食べたりと関係性は改善されていた。


逆に男子達はすっごくギスギスしていたけどね。結局私が我慢出来なくてみんなと寝たからなのかな。セックスすれば彼氏彼女の関係になれると勘違いした男子達がお互いに牽制し合ってとても仲が悪かったよ。


今思うとかなり良いクラスメートに巡り会えたと思う。なんで女の子達と仲良くなれたんだろう……。確か入学して2〜3ヶ月が経過した時にカースト上位の一人の女の子が私に話しかけてきたのがきっかけだったような気がする。


その時の話した内容は初めて出来た彼氏とどうやってそういう雰囲気に持っていけるかというお悩み相談だったかな。


おふざけ半分本気半分みたいな度胸試しで私に話し掛けてきたのだろう。でも私は初めて恋の相談をされたからその時は真剣に答えた。その子も最初はニヤニヤしながら聞いていたけど最後は色んな質問をしてきたし、その子のグループの子も聞き耳を立てて会話に参加していた。


そしてその子は週末にデートからの初体験を堪能し、週明けにまた私に話し掛けてきた。お礼とかを言われたと思う。


その子にまたアドバイスとかを話したりして私達は普通のクラスメートとして仲良くなれた。


一年の三学期には女の子数人と関係を結ぶぐらいで、他はお喋り相手って感じの距離感だった。肉体関係って言ってもムラムラした時に性処理の相手をするぐらいで恋愛的な意味合いは皆無。昼休みのトイレで済ますぐらいの淡白なものだった。


2年になると私というキャラが定着し、放課後に誰とヤルの?とかそんな事を気軽に聞かれるぐらいには周囲に認知された。しかも私を慕うような後輩の子も出てきたから世も末だと思う。


私の噂を知ってて話しかけてくるんだから変態以外あり得ない。まあ実際かなり性におおらかな子が多かったのは事実だったけどね。


でもその頃にはそこまでしたい気持ちとかは無くて、求められても気乗りしない事が多く後輩が疎ましかった。


しかも昔から私と関係を持っている連中からのラブコールもウザかったからどうしようかと悩んだものだ。


そこで私は後輩に援助交際をさせる事にした。お金には困っていなかったけど紹介料とかを徴収して荒稼ぎし、一種のゲームとして楽しんだ。


最終的に同級生や先輩も巻き込んだ援助交際のビジネスはそこそこの規模になり、それなりのお金が転がり込んで来た。中には妊娠したり家庭が崩壊したりする子も出てきたからその子達に出産祝いや口止め料として利益のほとんどを渡し、私は高校を卒業して大学へと進学した。


私の成績は本当に酷かったけど、ヤッた相手に大学の偉い人が居て色々と口利きをしてくれたから大学へ入ることが出来た。


大学に入学しても私のやる事は特に変わらない。気に入った子や教授達と関係を持って退屈な毎日を過ごすという平和な日々を謳歌した。


私が愛を囁けば単位が取れて、私が指を這わせばお金が生まれた。何をしても失敗しない毎日、何をしても許される人生。


それはとってもとってもとっても退屈な毎日であり、刺激を受けすぎた私の身体と心はちょっとやそっとじゃ動かないぐらいには麻痺していた。


いくら身体を重ねても満たされない虚無感に私は悩まされた。そんな精神状態では大学へ行く気も起きず、高校からついてきた後輩と一緒にクラブへ遊びに行く日々を過ごしていた。


今だから分かったけど、その後輩は私のことが好きだったのだろう。憧れと恋愛の中間のような感情を私に向けていたんだと思う。私はその子に甘えて答えは出さなかったけど、その子とだけはずっと連絡を取り続けて先輩後輩の関係を続けた。


そして大学は無事に卒業出来たけど、就職活動もしないで大学生としての4年間のほとんどを夜のクラブで散財して過ごしたせいで私の懐事情も厳しくなり、仕方なく私物もマンションも売ってお金にしたけどこのままのペースで使い込めば後10年ほどで無一文になってしまうことが分かっていた。


そこで私はある思いつきを例の後輩に相談した。


「家庭に入ろうと思うんだけどどうかな?」


「……薬やってるんですか?」


「失礼ね…薬は中学校でやめたわ。キメた時に鼻血が止まらなくなって、そのままトリップした自分を撮ったハメ撮りの動画が思いの外堪えてね。」


「……パネェっすわ姐さん。」


結局その後輩は冗談としてマトモに聞いてくれなかったから私は意地になり、本当に結婚相手を見繕って後輩に見せ付けようとその日の夜に私はバーへと赴いた。


そこで一人寂しく飲んでいたチョロそうな男性を誘惑して半年後に私は結婚した。結婚する条件として私はマイホームを要求し、彼がすぐに了承したからあっさりと私は家庭に入る事に成功する。


私の父はマイホームを建てようと夢見ていたけど、この人はすぐに行動に移してくれたから、そこはちょっとだけ気に入っていた。それ以外はつまらない男だったけれどね。


夜の営みなんて高校生のカップル以下のもので気持ちよくないし、そもそも過食気味の私にはもう楽しむとかの感情は無かったから結婚後は2回もしていないかもしれない。


「やっぱり結婚なんて美代先輩には似合わないんですよ。離婚しましょう離婚。」


ここ最近、タトゥーを全身に入れて迷彩柄みたいな肌が目立ってきた後輩にそうバッサリと切られてしまい、私は何も言い返せなかった。私は致命的に家庭というものに向いていない。洗濯機を回して昼ドラを見ながらボケ〜っとしていた時は発狂するかと思ったわ。


「でも夜は同じベッドで寝て、朝に一緒に起きるだけで幸せを感じることだと気付けたから。この生活を手放したら多分もう戻れないと思うのよ。」


「だったら私の家のベッドでいいじゃないですか。ダブルですよ?広いですよ?」


「枕の横に酒瓶を置くのをやめたら考えるわ。」


この子酒乱だからね。一緒のベッドはちょっとね。


「でも美代先輩が旦那さんや子供に囲まれて幸せそうに暮らしているイメージが出来ないですもん。私その光景を実際に見たら爆笑しますね。」


……子供か。それも面白いかもしれない。


「じゃあ笑わせてあげるわ。」


私はまたその日の内に夜のバーへと赴き条件に合う男を探した。顔が良く、身なりが良くてその夜限りの関係を終われる都合のいい男性をだ。


私には最初から旦那との間に子供を作るという発想は無かった。もし子供を作るのなら自分に容姿が近い子が良かったからだ。あの人の容姿に寄ってしまえばせっかく子供を産んだのにがっかりな結果に終わる。


そして私の条件に合う男を見つけた。京都から出張に来ていると語るその男は身なりが良く顔立ちも悪くない。しかも既婚者で遊びなれている。それはとてもとても都合が良かった。


そして私は妊娠した。妊婦や妊活している女たちと寝た経験のおかげで一発で着床し、それを旦那に報告した。ちゃんとこの人の種も出して貰ったからバレる事は無い。托卵だけど良いお父さんになってねあなた。


それから半年ぐらいは旦那が忙しそうに生まれる他人の子の為に働いてくれて、私は妊娠としてしか味わえない様々なプレイを楽しんで出産の準備を整えた。


そして私は無事に出産した。子供は女の子でシワシワのクチャクチャで可愛くはなかった。でも不思議とこの子は自分の子供だと理解出来るのだから凄い。


旦那も大層喜んでくれた。私との初デートや私との結婚式よりも喜んでない?ちょっとだけこの子に妬いたっけ。この時はこの子の事をそこまで愛してはいなかった。家族なんてものを良く知らないまま私が大人になってしまったからだろう。


私がちゃんと親としての自覚が出始めたのはこの子に自分の名前と同じ美世と名付けて、自分の分身のように育てようと決めた時からだ。


ハッキリ言ってこの子は天才だと思ったわ。何をしても他の子と比べてみると明らかに秀でている。いや親バカとしての評価ではなく単純な評価としてだ。


「あ〜〜♡ハイハイできまちたね〜♡えらいでちゅね〜♡こっちよ〜美世〜♡」


うちの子天才、だってもうハイハイ出来るから!あーこの笑顔は満点!!カメラのフィルムが足りない〜〜!!


まさかこんなにも我が子がかわいいなんて思いもしなかったわ。ふふっ…認めましょう。私は美世にどっぷりと浸かっていたことを。こんなに愛おしいものはこの世に二つとしてないと断言出来るわ。

まとめきれませんでした。次回で美代の回は終わりです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 天狼さんと同じ電気……あっ(察し)
[一言] まじかぁ〜〜なかなかえげつないですね、お母さん しかも本当の父親絶対あいつじゃん…
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