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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
4.血の繋がった家族
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指示を出す先輩能力者

気が付いたら250話を超えていました。ヤバいですね!

スマートウォッチを操作している天狼さんがこちらへ振り返りプリテイシアがどうなったか進捗(しんちょく)を聞いてくる。私の能力ならリアルタイムで実況できるからね。


「現在裏口から組織の用意した車に乗車しています。このまま組織に向かうところだと思いますよ。」


探求(リサーチ)】で認識出来るのはそれぐらいの事だけどね。音とかは拾えないし何を話しているのかは分からない。


「そうか。彼女達は出来るだけ第一部でおさえたいな……。」


ソマホを取り出し何処かへ電話を掛け始める。私はその様子を観察しながら仕事の進め方などを勉強させてもらう事にした。


「私だ。そちらに搬送している新規は私達のビル、処理課で引き受けてから個別で保護して欲しい。」


個別……?彼女たちは1箇所に固めないの?


「彼女達の相手をするものは彼女達を知らない者が好ましい。そうだな……銀次さん辺りに声を掛けておいてくれ。たまには仕事を寄越さないとうるさいからな。」


銀次?知らない名前だ。コードネームではないよね。


「……さっさと引退しないからこき使われるんだ。未だに演歌を聴いているじじい達なら平気だろう。」


じじいって言いながらも表情は柔らかい。仲は良さそうだ。


「それと私から直接依頼しておくが竜田姫に彼女達の()()()()()()()()()。」


竜田姫って同じ処理課の人で天狼さんと仲が良かった人だよね。彼女についてあまり知らないけど声を奪える事が出来る能力なんだね。どんな能力なんだろう……。


「そうだ。能力については調べなくて良い。基本的に接触も禁止だ。……違う。機械を通しての会話も禁止にする。薬を使って眠らせていい。それと……」


そうか。プリテイシアはネットを通じて全世界に能力を行使出来る。機械…!つまりマイク越しでも射程圏内に入ってしまう。……良く考えてるな天狼さん。


「……常夜は拘束し薬で完全に意識を奪え。外部と通じている可能性がある。」


あぁ……やっぱりそうなんだ。あの事務所での一件でそうではないかと疑っていたけど、天狼さんも疑っていた。


「それとこちらは現在進行系で目標を追っているが人数が足りない。特定課にも応援に入ってもらいたい。人選は向こうの課長に任せる。」


そう言って一回通話を切り、再びどこかへ電話を掛ける。恐らく竜田姫さんの所かな。


「頼む出てくれよ……」


こんな状況下で頼める奴は一人しかいない。竜田姫なら信用出来る。プリテイシアを任せられるのは彼女しか……。


[はい、もしもし?]


良し!出てくれた……!いつも頼んでばかりで申し訳ないが今は時間が無い。彼女なら引き受けてくれると信じて話すしかない。


「竜田姫、私だ。」


[……仕事の話だね。私はどうしたらいい?]


流石は私と長い付き合いになる彼女だ。コードネームで呼ぶだけでこちらの要件を聞いてくれる。


「今からプリテイシアが第一部ビルの処理課のフロアに連れて行かれる。……常夜は拘束した後に薬で意識を奪ってお前の能力で声を奪ってくれ。」


[……うん。言われた通りにするよ。他には?]


「他のメンバーも薬で眠らせて個々に部屋を分けて監視し互いに接近、接触が出来ないようにしてくれ。あとから私がそちらに向かうまでの間は頼めるか?」


[それって天狼としての命令?それとも伊弉冉のお願い?]


ウッ……痛いところをついてくるな。プリテイシアの身の安全を確実のものにするには絶対に信頼出来る者に頼むしかない。これが公私混同しているのは分かっている。でも彼女にお願いする以外に私には方法が思いつかない。


「……両方。でもこんな事はお前にしか頼めない。だから頼む……彼女達を守ってくれ。」


[……もう、そう言われたら普通断れないでしょう?分かったよ。天狼さんのお願い聞いてあげる。すぐに向かうよ。]


「……ありがとう。今度飲みに行こう。奢らせてくれ。」


[未成年だよ!幸手屋の団子で手を打ちます。]


そう言い残し通話が切れる。……そういえば昔からあそこの団子好きだったなあいつ。


「電話は終わりました?」


「ああ。援軍を頼んだ。私達はこのまま捜索を続ける。」


その後、私達が向かった先は地下の駐車場。そこに天狼さんは用があるみたい。


「昼間では人目があるからな。私達もバイクで追うとしよう。」


バイク?どこにも見当たらないけど……あ、ここの駐車場は収納型か。あそこの扉の奥に色んな車とかバイクが収納されていると思う。能力で確認するまでもないね!


……それでも一応能力で確認する私は小心者です。


「私免許無いですよ。まだ15歳なので。」


「そうだったか?普段のあいの風を知っていると同世代ぐらいに思える。」


「普段の私ってそんなに老けてます?」


「おい、その言い方は私が老けてる事になるぞ?」


あ、ナチョラルに地雷踏んでしまった。女性に年齢の話はタブーなのに。


「ごめんなさい……」


「そんな真面目に謝るな。私が年を気にしているみたいじゃないか。」


「女性って気にしません?特に成人した女性は気にしているのかなって。」


雪さん辺りはその辺厳しいと思う。2人とも同世代ぐらいだからそのイメージが先行してしまった。


「私は気にしたことないな。」


天狼さんは話しながらスマートウォッチに表示された番号を機械に打ち込む。すると扉が開き一台の黒いバイクが出てきて私達の元まで運ばれてくる。ハイテクだ……。


「あとさっきの質問に答えると、私が運転するからあいの風は後ろに乗れ。」


天狼さんはバイクのハンドルを掴み固定されたレールの上を進んで扉を閉じる。


「ここは組織の所有物で色んな乗り物が保管されてる。許可を取ればいつでも乗り回せるから免許を取った時に活用するといい。中にはマイバイク、マイカーを収納している猛者も居る。」


中々面白い組織の話が聞けた。いわゆる組織あるあるだけど先生からはこういう話は聞けないからちょっと新鮮。


「ヘルメットは?」


「ここに1つあるが確か向こうのロッカーに色々入っていた筈だが……」


地下駐車場にはトイレとロッカールームが備え付けられておりそのロッカーにはスーツや靴などの衣類と銃やナイフまで入っていた。もし警察が検挙に来たら間違いなく大事になる。


「……ありました。ちょっと取ってきます。」


私がヘルメットを取りに行っている間、バイクに備え付けられた黒いフルフェイスのヘルメットを天狼さんが被ろうとして長いポニーテールを崩していた。あの髪型ではヘルメットが入らないだろうけど長さ的にどう頑張っても収まらない気がする。どうするんだろう。


「鍵は……指紋認証か。」


明らかに普通のロッカーではない。正に組織の所有物だと感じられる仕様だ。なら私の指紋が登録されている筈……。前に指紋を登録した左手の親指を指紋センサーに当てるとガシャと音を立てて扉が開く。そこには天狼さんが持っているヘルメットと同じ形のものが入っていた。


……入っているのは良いんだよ。うん。数もかなりあるし、でもね……大きさがちょっとずつ違う。多分頭のサイズが人によって違うから色んな大きさを用意してくれたんだと思うけど私には丁度いい大きさのヘルメットは分からない。こういうのは多分ベストな大きさがある。


「いや、私は別に頭部を守る為にヘルメットを被る訳じゃないから別に良いか。」


私は頭部ではなく法律を守る為に被るだけ。なら大きいのを選んで髪の毛を収納させるか。


「天狼さん、髪の毛ってどうします?」


「こうするが?」


パチパチと音を鳴らし天狼さんの髪の毛に電気が流れて独りでに編み込まれていく。なんと一瞬で三編みのサイドテールが出来上がった。


「……それ私も出来るようになります?」


朝とか便利そうだ。特にこれからの時期に乾燥していても私の髪は静電気の影響とか受けなさそうで良いかも。


「今すぐは無理だな。出来るのに10年掛かった。」


天狼さんで10年は相当だ。私は諦め眼鏡を外してそのままヘルメットを被ることにした。

雪が積もりそうなので明日は執筆に打ち込みます。

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