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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
4.血の繋がった家族
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方策

ポケットモンスタ○ 死神VS蘇芳VSダークライをやってみてぇ…

私は話した。蘇芳の事や彼女に先生と戦う未来や私がお母さんを生き返らせる事などの全てを。先生はそれを静かに聞きながら思案顔を浮かべ何かを考えているようだった。


『……以上です。私はもう先生と戦うつもりはありません。敵は蘇芳です。彼女を放っておくとどうなってしまうか……』


こんなの告げ口だ。彼女がこの件でどうなってしまうか分からないけど、最悪このまま先生に排除される流れになるかもしれない。


『ーーーワタシがミヨにスオウの事を紹介し会わせた事を覚えているか?』


……あれ?そういうばそうだ。そうだよ……私、先生に言われて蘇芳に会ったんじゃん。今考えるとそれっておかしくない?先生が蘇芳の事を調べていない訳が無い。


だって結構過保護だもん先生、危なそうな人は排除しているって言っていたし、蘇芳を放置している事に私は今更違和感を覚える。


『まさか……知っていたんですか?蘇芳の本性や目的を。』


そういう事になるよね。知っていて会わせたんだ。でも何故……?


『彼女の能力を知る機会が昔あってな しかしどうやら私達の未来の動きは分かっていないらしい それはワタシの能力との関係性が起因している』


この世界にあるノイズのようなものだと先生は続けた。決められた配置に置かれた事象が自分のせいで狂うとも。


『彼女の能力の射程距離と効果範囲をワタシは探った そして憶測込みになるが大体の事は分かったつもりだ アイツの能力の射程距離は地球の衛星軌道上ぐらいある』


『え!?……他の能力とは比べ物にならないですね。』


そんなに遠い距離の事象を知る事が可能なの?


『私達に比べたらそうでもないさ』


『先生はそれ以上なんですか……?』


もしかして月とか衛星にまで届くのかな。有り得そうだよ先生なら。


『いや ミヨも届くさ やってみた事が無いだけで届くはずだ』


私も先生寄りの能力者らしいですよ。確かにやってみたこと無いけどやる機会無くないですか?


『しかし今は射程の話はどうでもいい スオウの効果範囲の話をしよう 彼女の能力には制約があってその制約は効果範囲にも影響している』


先生かなり蘇芳について調べているな……やっぱり敢えて放置しているんだねこの感じだと。


『彼女の効果範囲は()()() そこに人間が居ないと見えないし知る事はできない』


……どういう意味だ?そのまんまの意味なのかな?


『えっと、蘇芳の能力は人間が見聞きした事象を知る事が出来る能力って事ですか?』


『簡単に言うとそうだな 彼女は人間を通して事象を見ている それは時間場所を問わない 人間という生き物が居ればどの時代だろうと知る事が出来る』


それってつまり紀元前まで遡れるって事じゃない?考古学者になれよアイツ。その方が彼女の為になるんじゃない?あんな所に引き籠もっていないでさ。


『ーーーと 私は考えている それなら私達の事を知れない事も説明出来る』


『……ん?それってどういう意味ですか?先生って人間ですよね?』


まるで自分は人間では無いって言っているみたい。……まさか本物の死神なのかな。まさか、ねぇ……?


『ーーー難しい……と言わざる得ない 定義によるな ()()()()()()()() だが今はどうかな ……ミヨはどう思う?』


不安そうな私の顔がそこにはあった。私がしているんじゃない。私の姿を再現した先生が不安そうにしている。こんなに不安そうな先生は初めてだ。不安なんて概念しらなさそうなのに。


『先生は先生です。私の定義によればですが。』


私の返しが予想外だったのか、素っ頓狂な顔をして固まる。そして徐々に堪えきれなくなったのか、肩を震わせて笑い出した。


『ーーーふふふ アハハハッ それは良いな 人にそう言われるのは嬉しいよ 先生……か そうだな ワタシはミヨの先生だ』


そんなにツボに入る返しだったのかな。先生はずっと笑っている。見た目が私だから先生が凄く若く見える。まるで同い年の子が笑っているみたいだ。そんな筈は無いのにね。


『ーーーいやすまない 楽しくなってしまっていた どこまで話したか……スオウの能力については話したか』


ちょっと恥ずかしそうなのを隠す為に話を戻す先生は可愛かった。


『彼女の目的がワタシの排除なのは何となく察していた だが彼女の能力は私達の目的の為に必要だったから生かし続けていた なので彼女が本当に平穏な世界の為に必要な存在かミヨに見定めてもらおうと考えたのだ』


『私が判断するって事ですか?もし彼女が不必要な場合どうするんですか?』


『封印……もしくは死んでもらう 彼女がミヨを使って自分の思い通りの世界に作り直そうとしているのなら それがどのような世界か知りたい 彼女は別にこの世界を滅茶苦茶にしたい訳ではないだろうしな』


色々と気になる話だけど封印ってなに?また知らない能力が出てきたんだけど。


『あの封印って何ですか?能力……ですよね。』


『そうだ かなり簡単な能力なのでミヨも出来る筈だ 相手の因果を全てその場に留めるだけ それで相手は何者にも干渉出来ないし干渉されない たったそれだけの事だ』


結界の中に相手に閉じ込めて能力を行使し続ける……的な話かな。確かにそれなら相手は何も出来ず時間が過ぎていくだけだ。


『なるほど……蘇芳が先生の事を敵視する訳ですよ。そりゃあ彼女も必死になって先生を倒そうとします。お互いに話し合いしましょうよ。』


私が間に立てば話し合い出来そうじゃないですか?もし私と先生と蘇芳が手を組んだら…………最凶過ぎるよ。まず先生と蘇芳の組み合わせチート過ぎて一瞬で平穏な世界生まれそう。


『ミヨがそうしたいのならそうする』


あ、肯定しかしないんだった先生。じゃあ……話し合いします?蘇芳は絶対に出席しないだろうけど。だって先生が蘇芳の事を少しでも邪魔と感じたら封印or殺害だもんね。


探求(リサーチ)】を使って蘇芳の部屋の中を見てみると、壁に書道で書かれた紙が設置されていた。


[肉食動物と草食動物同士で話し合いが出来るわけがない]


達筆だった。しかも長い和紙を使ってデカデカと飾られている。蘇芳本人はお風呂に入って寛いでいるし……これは無理そうだね。とにかく今すぐには無理。


『…………今は蘇芳の事は置いておきましょう。彼女の事を考えていても私には分かりませんし、それより他に気になる事があります。彼女繋がりですけど……』


『ミヨのハハを生き返らせるという話か ワタシもそこが一番気になっていた 疑うようで悪いんだが質問させて欲しい 本当に死んだのか?』


直球過ぎてビックリしたけど、先生は能力について暴走しがちなのは知っていたから嫌悪感はまるで無い。寧ろ変に気を遣ったりしないから話しやすい。


『間違いありません。私の能力で認識しましたから。』


『能力で認識したのなら間違いないな だったら有り得ない話だ 生き返らせる事は不可能の筈……』


先生が断言するんだから先生には出来ないのだろう。前にそれらしい話を聞かされたけどちゃんとは聞いていなかったな。


『どこが不可能なのか説明してもらってもいいですか?先生の方が能力について詳しいし、恐らく先生の能力を使って死者蘇生をすると思うので。』


先生は前のめり気味に語り出す。うん、先生と私の関係はこんな感じが好ましい。いつもの空気だ。


『ーーー身体の方はどうにかなるかもしれない しかし魂の方が無理だ』


『身体の方はどうにかなるんですか?』


お母さんが死んだのはもう8年以上前の事になる。私の射程距離は24時間ぐらいだから……70000時間ぐらい射程圏内から遠い。方法とか全く思いつかないけどね。


『魂を入れる器があればいいからな 別に完璧に再現する必要は無い』


『あの〜結構サラッと言ってますけどそもそも“魂”ってあるんですか?』


私は無神教だから魂とか幽霊とか信じていない。そもそもこの世界にファンタジー要素ってあるの?能力とかファンタジーっぽいけど科学的に説明出来たり法則性があったりするからね。


でも、魂って観測出来たりするものなの……?


()() それは保証する』


先生が言うんだから在るんだよっ!何いってんだ美世!ふざけんなよマジで!


『えっとつまり魂が在って、その魂を入れる器があれば死者蘇生出来るんですね?』


『かなり難しい話だがな 射程圏内なら【再生(リヴァイブ)】を使えば簡単な話だが 射程圏外ならワタシは不可能だと思っている 何より魂がそこに無ければ意味が無い』


魂の事は正直良く分からないかな。今まで一度も認識した事ないしね。


『なるほど。では器って具体的にはどうしたら?本人の肉体でなくても良いんですか?あまりイメージが掴めないんですけど……。』


『目の前に居るだろう』


先生が両腕を広げてアピールする。


「あ、そうか。」


『ミヨの身体を再現し軌道を創り その軌道にワタシ自身を入れている こうすれば良いだけの話だ』

今年中に4章終わらんです。間違いなく。

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