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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
4.血の繋がった家族
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死神一派集合

11時だよ!全員集合!

朝から苦悩することとなった私はマリナ様と理華がまた私の事について議論し始めたので、それを聞き続けなければならない私は更に苦悩することになり、そのままの流れで登校するものだからクラスの人達を大変驚かす事態にもなった。昨日あんな事があったのに親しく話しているんだから当たり前である。


そのおかげか、理華もクラスに受け入れられて色んな人と話したりしていた。私はそれを見守るだけで接触はしない。彼女はコミュニティを広げている最中だから私があの輪に入ると理華の邪魔になると思ったからだ。


思いやりも出来るメンヘラ美世ちゃんマジ良い女。


でも昼食は一緒に食べたりした。マリナ様達も一緒にね。みんな2人に何があったか問いただしたけど私の事で意気投合したと返されて、あ〜〜そういうパターンねって反応で何故か納得された。不服申立て致す。


それからも理華は色んな人に話し掛けられた。理華は黙っていれば可愛いから他のクラスの男子からもラインを聞かれたりしていた。それで教えるもんだから、これにはちょい複雑な気分。


放課後も理華は引っ張りだこだろうな〜っと考えていたけど、理華に引っ越しの荷ほどきを手伝ってと言われ理華と二人で放課後、理華の引っ越し先にまで向かった。


「いや、私ん家の隣やん。」


私が個人で借りているマンションの隣の部屋だった。なんか引っ越しの荷物来てるから誰か引っ越してくるのかな〜って思っていたけどまさか理華とは。


「組織が用意してくれたの。先ずは上がって。」


理華の雰囲気から私を呼んだのは引っ越しの手伝いではなく別件だろうと感じ取り私は理華の新居へと招かれる。


「盗聴器ある?」


理華がそんな事を言ってくるからには、誰にも聞かれたくない話をしたいのだろう。組織が用意してくれ部屋に対してこの反応は普通ではない。


やっとエンジンかかってきたかな……。彼女はこういう時とても心強い相棒になる。


「仕掛けられていない。このマンション全て私が把握しているから間違いないよ。」


「なら色々と話せそうかな。」


理華は学校指定のカバンを置いて適当な椅子に座るので私もそれに習う事にした。この椅子は最初から備え付けの椅子だよね。私の部屋にもあったし。


「先ずは私がここに転校してきた理由は私から上へ提案したからなの。」


夏休みのほとんどの時間、私は彼女と一緒に任務に駆け回っていた。外から見ていた人達からすると私と理華はかなり距離感の近い関係だと見ているだろう。それを考慮して理華の提案を考えてみると…


「それってオリオンさん絡んでる?」


「……なんで今のだけでそこまで分かるの?」


理華は本当に驚いたようで目をまんまるにしながらそう口にした。


「理華がどういう人間かは良く分かってるつもり。理華はちゃんと段階を踏むタイプだからね。オリオンさんを通じて上に掛け合ったか、色々と便宜を図ってもらったか、その2択が考えられる……と思ったの。」


半分は勘だけどね。当たってて良かった。


「ほとんど正解。オリオンさんにお願いして定例会議で私の提案を後押ししてもらったの。でも流石にオリオンさんだけだと却下されるかもしれないから天狼さんにも助力してもらったけど。」


天狼さん?天狼さんもその定例会議に出てたって事?


「なるほどね。天狼さんがそういう会議に出るイメージ無かったけどね。」


「あ、ごめん言葉が足りなかった。天狼さんを通じて天狼のお父様に提案してもらったの。」


「天狼さんのお父様……?」


確か……天狼ってコードネームは世襲制だったから先代の天狼って事かな。


「天狼さんのお父様は京都支部の支部長さん。詰まる所、京都のトップだよ。」


「京都……」


京都というワードを聞くと蘇芳とのやり取りを思い出す。彼女は私に言った。私のお母さんを殺した犯人は京都に居るって。


「……美世?大丈夫?顔色悪いけど…」


「え?あ、ごめんごめん。修学旅行でやらかした事を思い出してグロッキーになってた。」


嘘だ。本当はその事について問いただしたいけど、今は聞くことではないから聞かない。


「じゃあ、話続けるね。」


その後はここまでの経緯、理華の提案は受け入れられた。理華は私の高校に転入し私を()()()()()()()()()()()()()


私にバレないで監視するのは不可能だから監視は実質不可能。無理に監視すれば死神の影を踏む事になる。死神は正体を知られるのを嫌っているのは組織の誰でも知っている周知の事実。だから私を監視するのは死神を監視する事と同義。


しかしここで理華が私の近くに居ると話は変わってくる。居て当たり前の人間が私を監視しても私は気付かない。その心理の裏をかくような提案を天狼さんのお父様とオリオンさんから提案して貰い他の人達に納得させた。


だが、今の理華は二重スパイ。私を監視するフリをしながら私と情報提供をする役割を担ってくれた。その事を天狼さんとオリオンさんは知っている。


組織は私の扱い方について色々と悩んでいたようだ。私を監視下に置きたいという向こうの願望をこちらから叶えてあげた的な形を取りつつ、私がフリーで動けるように理華とオリオンさんと天狼さんが私に黙って動いてくれていた。


私に話さなかったのは私がその事を知っていると、この計画が向こうにバレるかもしれないから。向こうだって私を完全に放置している訳ではない。少しは監視している。私が変な行動を取っていないか見ているのだ。


「理華ありがとう!!」


私は理華に抱き着く。椅子は私と理華の体重を支えきれず後ろに倒れて床に激突したけど、私は理華から離れなかった。


「絞まってる絞まってる!」


理華の背骨と肋骨が締まり苦しそうな表情を浮かべる。


「あ、ごめん。でも本当にありがとう〜。持つものは仲間だよ。」


ほっぺた同士を擦り合わせてすりすりする。


「本当はオリオンさんと天狼さんの提案なんだけどね。3人で京都に集まれた時にこの計画を言われたの。だからお礼はオリオンさんと天狼さんに言ってね。」


ちょっと照れ臭そうに顔を背ける理華が可愛く見えて私は頬にチュッとキスをした。……してしまった。


「え?……キスした?ねえキスしたよね今。」


「あー……ごめん。可愛いなーって思ったらキスしてた。」


私も顔を真っ赤にして少女漫画のイケメンクール男子みたいな言い訳を述べてから慌てて離れる。


「…………………」


「…………………」


((き、気まずい…!))


間違いなく私達は同じ事を考えている。この空気ヤバい。下手すると朝チュンルートに行くんじゃないかってぐらいマズい。別に初体験とか気にしたことないけど理華にはちゃんとした相手とそういう行為をして欲しい。……いや何言ってんだ私キモすぎる。


「……無かったことに、無かったことにしませんか?」


手を上げて述べたのは我ながら情けない提案だったけど、理華は藁にもすがる思いで乗ってくれた。


「無かったことにしよう!美世は私の荷ほどきの手伝いに来てくれた!そうだよね!?」


「そうだよ。」


私は理華に便乗した。


そして時は流れてそれから3日後の午前、理華の引越し祝いが開かれた。メンバーは……


「理華、これ引越し祝いのお蕎麦。理華の好きな山ヰのとこのやつ。」


私服姿で参上した天狼さん。海外のモデルかと思わせる高身長にスタイル抜群な体型。久しぶりに会ったけどこの人の存在感は凄い。熊とかライオンが目の前に居るぐらいの威圧感と存在感だ。


「いきなり引っ越しをさせてしまって申し訳ありませんでした。これ前に好物だと言っていた蟹です。」


仕事終わりにそのまま来たのか、黒いスーツを着たオリオンさん。発泡スチロール箱を抱えて参上。絵面がもう面白い。だって超似合わないもん。


「リカ!とても素敵なお部屋ですね!これ、調味料のセットです。一人暮らしに最適ですよ〜。」


我が高校において英語教師として絶大な人気を誇るハーパー先生がオシャンティーな箱に入った調味料を理華にプレゼントしながらも部屋も褒めるという社会人としての正解例を披露した。なぜハーパーが就活に困っていたか分からないよ私は。


「こ、こんにちは〜。理華ちゃん、これお引越し祝い。」


あからさまに腰が低い雪さんがタオルの入った引越し祝いを持って来てビクビクしている。特に天狼さんを怖がっているようだ。本能的に天狼さんがこの場における絶対強者だと感じ取ったのだろう。強い人には弱気の雪さん可愛い。


「俺……女子高生の部屋に入っていいの?元警察官として入りにくいんだけど…」


雪さんの後ろに隠れて一人の男性が入ってきた。えっと……この人って何のコードネームだったっけ?


「えっと、朧気に覚えておいているんですけど……名前何でしたっけ?」


「“朧”だよ!このやり取り3回目だから!」


元警察官であり特定課の朧さんが引越し祝いでタンブラーを持って来て部屋に入る。これで私含めて6人。


……そうなのだ。遂に集まった。私達の派閥のメンバーが今日この日に初めて集結し、今日の目的である理華の引越し祝いを開始した。

みんなは朧さんを覚えているだろうか…私はずっと前から再登場させる事を知っていたので覚えていましたが、皆さんは覚えていないかもしれません。


もしこのキャラを思い出したいのなら15話を読んでみると思い出すかもしれません。

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