お誘い
メトロイド新作面白いからみんなやろう!(ダイマ)
今回の標的である今回のパーティー主催者、ラリー・シンプソン(64歳)が来るまでの間、私達3人は辺りを観察しながら場に溶け込もうと他の参加者達と談笑をして時間を潰していた。
「楽しんでいるかい?」
私と理華が昔話の長いおばさんの話を聞いている途中、どこぞのIT企業の社長っぽい若い男性に声を掛けられた。…コイツさっきまでニヤニヤしながら視姦していた奴だ。
「あら、もしかしてユニサーナルのCEOではなくて?」
自身を情報通と謳うだけある。昔の事だけじゃなく現代の事にも精通しているとは。やるなおばさん。
「こんばんはマダム。こちらの2人は姉妹の方で?」
私の方を見ながら姉妹発言はヤバい。このマダムとの年の差低く見積もっても30ぐらいあるよ。もし私達とマダム(笑)が姉妹なら両親頑張り過ぎでしょ。
まあ、アメリカンジョークみたいなやつだと思うけど。
「あらやだ!どうみても母と子でしょ?」
満更でもない様子のマダム。お世辞に決まってるのに嬉しく思うのは女としての性か。分からなくもない。
「こちらはトヨタのご令嬢のアイ。そちらが従兄弟のリカ。」
理華は軽く微笑んで答えたけど私はこの軽薄そうな男の近くに居るし初対面だから握手をしないとっぽいよね。私が年下だから先に手を差しだして待たないと…アメリカの挨拶の仕方慣れないなぁ。
「アイです。よろしくお願いします。」
あ、因みにだけどこの設定は別に私が考えたことでは無い。組織がこの会場に入れるように色々と手を打った結果、私は車の販売台数一位の孫娘という設定になったのだ。
日本人の大企業と言えばここだけどさ…、もっとこう…無かったかなぁ。
「へー。ここにはラリー氏のお知り合いの人達が招かれているから色んな人達が居るね。僕はオリバン・ミラー。よろしくアイ。」
目線を合わせて微笑みながら握手を交わす。これがマナーらしいから従う。周りも同じように挨拶していたから見様見真似だけどね。
「アイもリカも日本人なんだよね。僕は日本に何回か行ったことがあるけどとても素晴らしい国だったよ。またいつか行きたいと思っていたんだ。」
クッッッソどうでもいい話が展開されて私は聞き手に回る。おばさんも後は若い子達でどうぞ的な笑みを浮かべてどこかに行きやがったしファッキュー!
「へーそうなのですね。私は今回初めてアメリカに来ましたの。」
「ワオ!とても発音が上手だね。日本人は英語の発音が苦手だって聞いたけど。」
本場のWowいただきました!ワオって言う人、日本だとワリオとますだおかだの…どっちか忘れたけど片方の人しか言わないから。
「従兄弟の理華が得意で教えてもらったんです。ねえ理華?」
私は理華にヘイトをなすりつけて前線を離脱した。しかしその代償はデカかった。あの理華の裏切り者を見る目を私は生涯忘れないだろう。
「…理華です。あいとは従兄弟同士で今回のパーティーは付き添いで連れてきてもらいました。」
「オリバン・ミラー。オリバンって気軽に呼んでほしい。…今日は2人だけかい?」
彼が私達の他に連れが居ないか聞く時に一瞬の間があった。保護者が居るか居ないかを知りたいんだね。
「祖父と同じグループの会社に居る知り合いの人と一緒に来ました。ちょっと連れて来ますね。」
私は咄嗟の機転でハーパーを巻き込む方向へ持っていく。ヘイト管理大事だからね〜。あ、居た居た。
また男性陣に囲まれているよハーパー…ダメ男ホイホイ過ぎないか?
私はハーパーの手を掴んでその場から無理やり連れ出しミラバルカン?さんの元へ連行する。
「こちら私達の保護者のハーパーです。」
「…初めまして。ハーパー・マーティンです。」
ハーパーが虚ろな目で挨拶をする。こんな所来たくなかったよね。私もだよ。
あ、そういえばハーパーの苗字初めて知ったかも。
「オリバン・ミラーです。どうぞよろしく。」
おや?ミラバルカンの反応が芳しくない。どうやらハーパーはお気に召さなかったらしい。見る目の無い奴め。
「アイとリカは何歳なんだい?」
何の為の質問なんだ?年を聞いてどうするの?
「2人とも14歳です。」
理華がサバを読んで偽りの年齢を伝えた。これは言い返しかもしれない。流石に14歳の少女達をナンパする訳…
「あ〜若いね!そうだ、この後僕が泊まっているホテルへ来ないかい?夜景が綺麗な場所なんだ。ここで会ったのも何かの縁だし夏休みの思い出でさ!」
お〜〜っとエンジンを全開にさせてしまったようですよ〜。ロリコンだったみたいですねこの人。
ミラバルカンの前のめりな圧に対して理華がコイツマジか…みたいな顔をしたけど一瞬で元の微笑みに戻して丁寧にお断りを入れた。
「ごめんなさい。この後すぐに飛行機に乗らないとなんです。せっかくの申し出でしたけど今回は縁が無かったという事で。」
「そうでしたか…残念です。」
本当に残念そうだ。まるで私達が悪い事をしたみたいだけどまだ悪い事はしていない。これから殺しをするのだ。
腕に着けていたスマートウォッチが震える。オリオンさんからの合図だ。ふぅ…ゲストがやっと来ましたか。理華もハーパーも仕事モードへ切り替わったようでなにより。私も切り替えていかないと。
「…行くよ。」
「ああ。」
「はい。」
「え?えっと…ま、またお話しましょう!」
私達はその場を離れて庭の方へ回っていく。庭の方は人が少ないし侵入ルートへの近道だ。
「理華、行ける?」
「任せて。」
理華がベルガー粒子を操作したと思ったら理華の身体が一瞬で見えなくなった。
…あれ?こんなに早く光を操作出来たっけ?凄い早業だったけど。
「リカ…常人離れしてきましたね。まるでプレデターです。」
プレデター?プレデターってあの良く見る見えない奴?ハーパーってそういうの見てるんだね。意外かも。
「理華が警備員の所へ行っているから、ハーパーお願い…全員帰らせちゃって。」
「分かりました。」
ハーパーの結界能力が行使される。そうすると建物の方から人の移動する音が聴こえるが話し声などは聞こえてこない。これがこの能力の特徴と言ってもいい。能力の行使中、人は無意識になってしまう。だから彼らは何故この場から離れたか記憶しておく事が出来ないのだ。
「良し…参加者はみんな建物の外へ行っているね。残っているのは警備員とターゲットだけかな。」
「ボディーガードに能力者を雇っていると情報がありました。油断は禁物ですよ。」
そう言うハーパーの肩は震えていた。多分自分に言い聞かせる意味もあったのだろう。これからターゲットの元へ向かうけど彼女は荒事を苦手とする。能力もそうだけど一番はその性格にある。だからこんな前線まで連れてきたくなかったんだよね。
でも時間が無かったし彼女を一緒に連れてこないと成立しない作戦だったからね。今回は私が一緒について行動する事で彼女のフォローをする形で何とか作戦実行に移せた。
「分かってるよ。ハーパーこそ私の傍を離れないでね。絶対に守ってあげるから。」
ハーパーの手を握った際に私のベルガー粒子を纏わせた。これならいつでも守ってあげられる。
「…はい。心強いです。」
なんだろう…。なんか、あの時からハーパーの様子がおかしいけど今は任務中。聞いている暇はない。
ブブーとまたスマートウォッチが震える。理華からの合図だ。
「…理華からの合図、作戦通り私達はターゲットの所へ向かいます。」
今週の日曜、出来たら2話投稿しようかな〜と考えていますけど実現するかどうかはまだ分かりません。
メトロイドが土曜でクリア出来たら実現します。




