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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
2.死神の猟犬
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最強の非接触型探知系能力者の片鱗

真面目…真面目じゃない今回?


こんなに真面目な主人公1話ぶりじゃない?

訓練は毎日続いた。平日は下校したらすぐに地下駐車場に赴いて先生の指南を受け、土日は一日中籠もって訓練に(はげ)む。


先生が話す能力者やベルガー粒子の知識はとても刺激的であり好奇心をくすぐるものばかりで私は只々(ただただ)夢中になるばかりだった。


知識を得てそれを身体に知覚させて動かす。その工程(プロセス)を繰り返す。それだけの行動に私は今までにない楽しさと面白さを感じていた。


身体が思う通りに動くと言ったら良いのだろうか。私は日常生活を送っていて自分の身体に不自由を感じていなかったし人より動ける自信もあった。しかし()()()()()()()()()()()


私は自分に制約をかけて動いていたんだなと強く認識した。腕を振るえば空気が裂ける音がする。足を動かせば目の前の景色が一瞬で後ろに流れる。跳べば天井に足から着地が出来る。


楽しい楽しい楽しいっ!人を超えた動きというのは何て自由なんだろう!重力を感じさせない跳躍!完璧なバランス感覚から起きる空中での姿勢制御!どれもこれも先週までの私だったら出来なかったし想像も付かなかった!


(この感覚を忘れたくない!)


壁に向かって助走しながら壁際に沿う形で近づき左足を大きく上げる。足の裏で壁に密着させ左足を下げつつ今度は右足を壁に掛ける。それを交互に行ない()()()()


助走した分だけ私には壁に対して垂直方向に近い運動エネルギーが働いている為に重力を物ともせずに走り続けた。


私はそのまま走り続け天井まで駆け上がる。ここまで来ると重力に引っ張られるので数歩進んだところで慣性を残したまま落下する。


落ちるという表現より空中を滑空しているという表現の方が正しい。私は頭から着地する事を防ぐ為に両手を地面に向ける。 


そのまま手のひらで着地するが慣性が働いているため身体が横方向に流れる。


私は敢えて逆らわずに肘、肩、背中、臀の順番で流れるように着地し少しずつ慣性を殺していく。最後はしゃがんだ姿勢のまま足で着地し何メートルかスライドしながら完全に慣性を殺した。


曲げた足を伸ばし身体に異常が無いか確認する。…またか。


私の動きに付いてこられず靴の厚底が壊れる。靴は人の動きを想定して作られている為、私のような能力者が本気で動くとあっさり壊れる事を最近知った。これで今週は()()()()


先生と行なった1週間の訓練で私は人を超えた動きが可能になった。もはやこの地下駐車場は私の動きを制限するだけの檻と化してる。


私が靴を履き替えていると先生からお褒めの言葉を頂く。


『見事だ 1週間でここまで動けるようになった能力者は恐らくミヨが初めてだろう』


(ありがとうございます!先生の指導のおかけです!)


『ワタシは知識と考え方を教えただけでそこから何を学ぶかはミヨ次第だった ミヨの才能と努力の賜物だ』


先生は私が欲しいと思っている言葉を言ってくれるから好きです!


『そんな才能溢れる若人(わこうど)に質問だ 今の動きを目を瞑ったまま出来るか?』


今の動きを視界無しに出来るか?うーん出来ないと思うけど先生はそんな事を言っているわけじゃないな。つまりはこれも訓練の1つであると考えるのがベター。


私は目を瞑り何か良い方法が無いか考ようとしたら正解が見えた。〈地図〉に意識が向かい私の周りが見える…【マッピング】した空間ではあの動き出来ないかな?


何処に壁があって何処から天井なのか私には分かる。まずはどのくらい動ける確かめてみるか…


《素質はあった あの廃ビルでの立ち回りと動き方 そして何より能力がずば抜けていた ワタシは非接触型探知系能力者だから優れていたと思っていたがそれは思い違いだった ここ最近のミヨを見ていて分かった ミヨ自身が他の能力者と比べてもずば抜けて優秀で素質と才能にも恵まれている事に》


これが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


《もしかしたらだ ミヨは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


私は先ずつま先で床を叩いたり靴底をコンクリートの床に擦り合わせて新しく履いた靴の感触を確かめつつ、肩を回したり腰を捻ってジャージの伸縮具合も確かめた。


(制服だと私の動きに耐えられないし動きにも制限が付いちゃうから今日は着てきたけど良い感じ。和裁士さん達に今度会ったら訓練用のジャージ作ってもらおう。)


ふ〜う…ヨシやるか!


目を閉じてその場で弾むように何回もジャンプする。


私の能力【マッピング】で得られる情報は肉眼で得られる情報より少ない。〈地図〉に表示される物体は灰色のシルエットだけで色彩に乏しいし液体と光情報は映されない。生き物に関しては○で表示されるから形が分からない。これは立体で捉えても球体というか光の塊にしか表示されない。


そして何より1番の決定的情報の欠如がある。それは()()()()()()()()()()()()()()()()()


だから私が何処に居るかは肉眼で得られる情報と照らし合わせて当たりをつける必要がある。でもこれではあの動きは出来ない。必要なのは私が何処に居てそこからどのくらい動いたかという情報だ。


(〈地図〉には私が表示されないという制約なら軌道を視るしかない!)


私という軌道を認識する為に【再現】(リムーブ)にリソースを割く。そして周りの情報を認識する為に【マッピング】にもリソースを割いて2つの能力を同時に使用する。


前に廃ビルで行なった同時使用による統合。あそこで見た景色には軌道が映し出されていたが前回と違う点は肉眼の情報が無い事。


【マッピング】で〈地図〉に3Dのジオラマを創り出す。そこでは私はドローンのように視界を動かせる。そしてここに私という軌道を認識出来れば三人称視点で私の位置と動きが分かる!


この後、非接触型探知系能力者(伊藤美世)の本領が発揮される。

明日から大型連休が始まりますが今年も外出できなさそうなので執筆活動に勤しもうと思ってます。

1日1〜3話のペースで投稿出来ればな〜と考えていますがストックも作りたいので多分1日1〜2話投稿の日が多いと思います。

明日からも頑張って投稿を続けます!

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