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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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死神の囁き

明日は頑張って執筆して何とか毎日投稿(2敗)を続けたいわね。

取り敢えず糞魔女に啖呵を切ったのは良いけど確実にこの空間から脱出が出来るかは分からない。テレポートでどうにか出られないかな?


「…忘れてはいない?こっちには人質が居るのよ。」


「だから?理華に傷一つでも付けたらもうあなた達とはもう完全に決別するし、私ってあなた達にとって必要なのよね?どうする?私の機嫌を損ねてみる?」


こういう時に弱気な姿勢を見せたら相手がつけあがってくる。女性同士の場合は特にね。


「…あなた本当に15歳?この状況で良く吠えられるわね。」


「レスポンスが強くて有名なの私。だから引かないからね。」


お互いに譲る気の無い姿勢に私達は言葉を失う。言ったところで言い返してきて話にならないからだ。


そしてそんな妙な沈黙が続く中、美世はある感覚に反応があり驚愕する。


(この感覚…まさか!)


私の背後にある反応を認識した…それは軌道であり私の姿そのもの、つまり死神(先生)が私の背後に立っている!怖すぎるよ!


『ーーーこれは…どういう状況だ?』


『せ、先生!?どうして!?』


まさか先生から連絡が入るとは…!これはタイミング的にどうなんだ!?なんで今なの!?


『ワタシとミヨとの間にあるパスが阻害される感覚があってな 原因はミヨ側だろうと思い来てみたが…どうやら取り込み中のようだな』


先生が目線を動かし辺りをキョロキョロと見ただけで大体の事情を理解したらしい。相変わらず凄い事をしれっとするなー…。


『はい…それで先生の方は大丈夫なんですか?先生が今何をしているか分からないので。』


『ワタシは現在待機している なのでここに来ても問題は無い それにワタシの事よりミヨの方が大変そうに見えるが?』


『うぐっ…そう言われると何も返せません。現在良く分からない空間に閉じ込められていてどうやって脱出しようかと考えている所です。』


先生は理華(憑依)を見ながら私に囁くように話す。


『そのようだな その少女は…なるほど精神支配されているのか 敵も中々やる どうやら上手く嵌められたようだな これは敵に称賛の言葉を送りたい 素晴らしい』


能力が関わると途端に残念さが増す所も変わっていない。久しぶりに話せたけどやっぱり先生は先生だった。


『敵を称える前に解決策を教えて欲しいです。この能力って弱点みたいなもの無いんですか?』


『それはこの空間の事か?それとも精神操作の方か?』


『どっちも教えてもらえるのなら両方でお願いします。』


『ふむ…ではその少女からどうにかしよう。この少女を気遣って身動きが取れないのだろう?』


『はい…先生は何でもお見通しですね。』


どうやら私と理華との関係も良く知っているみたいだ。もしかしたらオリオンさんが話したのかもしれない。


『ではミヨの友人の為にワタシが動くとするか』


『えっ!?先生自らですかっ!?』


突然の展開にビックリして頭を後ろに向けてしまった。その動きに敵も不信感を持って私の動向を見ている。


『何を驚く?手段を持っている者が動かないでどうする』


『あの…つまり先生自身が“ここ”に来るって事ですか?』


『あー…そういう事か ワタシはこの軌道の姿を使って行動する』


その姿で行動する?私自身正直今の先生の状態を良く理解していない。だから先生の意図が上手く読み取れないからどうしても質問が多くなってしまう。


『それでその姿でどう、するんですか…?何か策でも?』


『ーーーどうやらミヨは前に見せた事を忘れているようだからもう一度説明する ワタシはこの状態でも能力を行使でき射程もミヨのマッピングした範囲までカバーしている だからワタシ自身直接行かなくても問題無いのだ』


あ、忘れてた。そういえば前に意気揚々と私に能力を見せていたな…。確か卵を使って色々としてくれたような。


『流石先生!』


取り敢えずヨイショする。困ったらヨイショ、それが私の処世術。


『ミヨはそこで見ていてくれ ワタシがこれから行う事を模倣出来るようにワタシが何をするか良く観察して良く学ぶように』


そう言って私の背後から理華の所まで歩いて向かいながら何かを観察するように目を細める。


(あれ?もしかして今凄い事に気付いたかも。)


先生という存在がこんなにも近くに居るのに敵は気付いていない。こんな事があって良いの?あの世界中の能力者達から恐れられる“死神”が誰にも認識されずにその力を行使しようとしている。


これって最強どころかチートの域じゃない?だって今の先生は軌道だ。つまり物理的干渉は受けない。だからダメージも負わない。誰も今の先生を止められない…()()()()


私の脳のリソースを使って先生をこの空間に再現している関係上私しか先生に干渉出来ない!今の先生は私が能力を行使している間は無敵なようなものだ。


「ねえさっきから何を見ているの?何か見えるのかしら?」


憑依された理華が話しかけてくるが私は無視して先生の軌道を目で追う。多分これからすごい事を先生はやってのける。だから目を離すなんて事は能力者としてできるはずが無い!


『なるほど…こういうタイプか 自身のベルガー粒子を相手の脳に干渉させて操っているな 自分の意識を飛ばして送信受信をベルガー粒子を(もち)いて行使している』


『えっと…例えると自分の意識を送信してその情報をベルガー粒子が理華の脳へ反映させ逆に理華の視覚、聴覚などの情報をベルガー粒子を通じてこいつの脳へ送信している…という認識で合ってますか?それならリアルタイムで会話が成り立っているのが説明出来ます。』


『フフフ 流石はミヨだ だが満点の回答とは言えない この空間ではベルガー粒子だけの繋がりだけでは弱い 敵はパスもどきを繋げて無理やり能力を行使している』


『パスもどき?』


『パスというのは両者共に合意が無ければ繋がりが弱いのだ ワタシとミヨのパスはお互いに繋げあっているような関係なので強固だがな』


『それって私達が強い絆で結ばれているって事ですか!?』


『ベルガー粒子は…ここら辺だな』


清々しい程のスルーだった。…堪んねえ。久々の先生のガチスルー堪んねえよ…。最近は私に対して塩対応をする人が居なかったからこういうスルーは助かる。たまにはぞんざいに扱われたいのだ私は。


『ミヨ視えるか?首の脊椎から脳幹へ伸び小脳や前頭葉まで侵食しているこのベルガー粒子が』


『はい。バッチリ視えます。今すぐ排除したくて堪らないですよ。』


「な、なんで近づくのよ…!」


ベルガー粒子を良く見ようと近付いたら鼻と鼻の先が触れ合う距離まで近寄っていた。


「黙れ。今忙しいんだよ。」


口元を手で塞いで話せなくさせてから押し倒し観察を続けた。完全に不審者と襲われる女性の構図だったけど、それを見ている先生(女子高生の姿)の図も追加されているから途轍もなくシュールな絵柄がそこにはあった。

お久しぶりの死神の登場、書いていてしっくり来るんですよね。

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