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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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殺し屋達の会議

明日はもうちょっと早めに投稿出来るようにしますね。

アメリカに到着してから2日目の朝、私達チームの4人は一つのテーブルの周りに集まり情報を共有する為に会議のようなものをする事になった。


「ワタシ達の収獲した情報をまとめてもらいました。」


オリオンさんが出した資料には私が昨日奪ったスマホのデータと理華が捕まえた男から聴取した情報が載せられている。ここの支部の人達が一晩でやってくれました。有能過ぎる。


「彼らはロシアの手の者である事が判明しました。政府そのものに雇われた傭兵崩れのような彼らの目的は……別に言わなくても分かりますね。」


ミューファミウム以外ないでしょうね。


「第二次世界大戦から冷戦が続いているこの二国としてはあまり大事(おおごと)にしたくない……しかし情報は欲しい。そういう意図から彼らは派遣されたのが今回の顛末です。」


「傭兵だったんですね。その割には弱かったけど。」


「戦闘面で選出して派遣されたのではなくアメリカに潜入する工作員として派遣された傭兵だとか。」


「あ、それはそうか無能力者を戦闘目的で派遣はしないか。」


「彼らは敵対組織、つまりミューファミウムに所属している人物を調べていたそうです。対象の子供や妻を攫って人質に取り情報を得る方法を得意とし、我々“組織”も彼らの餌食にされた事があると聞きました。捕まえたと知ったここの支部の人達がたいそう喜んでいましたよ。」


後半の説明は多分私の為に言ってくれたと思う。私が片割れを殺した事はみんなに知られている。その片割れが悪いやつだとみんなの居るこの場で説明してくれた事によって私の印象が良くなった。


それに私自身が罪の意識を持たなくても良いように配慮も含んでいる。オリオンさんはそういう気遣いをしてくれる人だ。


「つまり偶然あの場に居たという事ですか?」


「そうだね。」


違う……多分蘇芳が絡んでいると私は睨んでいる。あそこに彼らを配置したのは彼女だ。理由は分からないけど彼らが居たおかげで私達はここの支部から感謝され活動しやすくなっている。本当に初日としてはかなり最高なスタートを切っているんだよね。


(まさか私に対してご機嫌取りか?)


ありえなくもないけど別の理由もありそう。……くっそ、後手に回るしかないなあの能力相手では。


「あの、私が奪ったスマホのデータの中にある連絡先を知りたいんですけど。」


「それが無かったんだよ。電話帳もメールアドレスにも連絡先は無かった。」


「友達が居ないんですかね?」


「いや違うでしょ。」


ハーパーのボケ?にツッコミを入れる理華。この二人仲良いな。私がボケても何それ?みたいな反応するもんな……。でも反応はしてくれるから好きだよ。


「ワタシも不審に思って調べてもらったんだ。その結果、外部から介入された形跡があった。つまり雇い主が証拠を消す為に削除した可能性がある。」


「用心深いですね。しかもタイミング的に私達の事を見てた?」


「でもそれならアイが気付きません?」


「監視カメラ、盗聴器…そういうのがあったのかも。人間というか…生き物なら簡単に探知できるけど無機物だと流石に範囲外かな。」


嘘は言っていない。多分今回は蘇芳がガッツリ絡んでいるから私でも探知しきれない所が出てくる。私と蘇芳との差は情報量の差だ。私の効果範囲と射程距離では蘇芳のカバーする範囲を超えられない。


「ハーパーの能力の時も気になったんだけどあいの風の探知能力ってどんな感じなの?」


「あ、私も気になります!私より遠い距離でも能力の効果範囲なんですよね?」


「確かに共有しておいた方が良いかもしれないね。あいの風の能力は今回の任務を成功させるキーになると思うからね。」


3人に言われては語らればならない……しょうがないな〜私のすんごい能力教えちゃうか〜!いや〜〜仕方ないな〜〜〜!


「私の射程圏内は私が訪れた場所全て。私がその場所に行けば脳内に地図が出来て、その地図を俯瞰して見たりすれば本当に私がその場所に居るみたいに見れるの。」


「それは……………ヤバくないか?」


理華が私の能力の凄さに早くも気付いたね。ふっふふー♪


「えっと、私は良く分かっていないのですけど…。」


「あいの風はその場に居た事があれば誰も認識の出来ない監視カメラをその場所に設置出来るという事だ。」


「うわあーヤバいですね。」


「それって今でも見れるの?」


「道場で年下組が稽古してるね。天狼さんも一緒。……昨日行ったパブでは店主さんが車から酒瓶の入ったケースを運んでいるし私達が飛んだ空のルートは雨が降ってるね。」


「こんな能力があっていいの?ねえ?あっていいの?」


「アイが相手だと逃げられませんね。」


「因みに私は動かなくてもマッピングする範囲を動かせるよ。直径10メートルぐらいの球体で100メートルの距離を飛ばせるドローンみたいなものかな?私は“視界”って呼んでるけどこれは概念みたいなものだから壁もすり抜けられるし地中も視れる。」


「そこまで出来るとは……。」


オリオンさんも驚きの表情で言葉に詰まっていた。う〜ん良い気持ちだ!私の能力は凄いんだぞ!最近先生の能力ばかり注目されていたけど世界で一つだけの能力(はな)なんだぞ!


「あとはみんな分かっている通り能力者かどうかが認識出来るんだけどこれは先に話したマッピングの範囲に居ればすぐに認識出来るの。だから私の射程圏内は私自身から約100メートル先とマッピングした効果範囲だね。」


「敵からデス・ハウンドって言われる理由が分かる。絶対に敵に回したくないもん。」


「いや私より天狼さんの方がヤバいよ。普通にやり合って負けたもん。」


「へーあの天狼とやり合って負けたんだね。その戦い見てみたかったな。」


「天狼って背の高い女性の方ですよね?お強いんですか?」


「「強い。」」


私と理華の声がダブる。


「ていうかこの作戦って天狼さんで良くないですか?天狼さんアメリカに呼べば全部解決しません?」


「天狼は本部で待機になっている……今はキョウトに居るらしいけどね。」


「それは何でですか?」


「攻められる可能性を考慮した結果だね。」


「「攻められる?」」


今度はハーパーと私の声がダブった。そうだよね気になるよね?


「本部が手薄になるのを恐れての行動だね。組織は敵が多いし内通者の存在もあるからね。それに天狼を日本に配置しておけば他がフリーで動ける。ワタシとか君達がね。」


「ていう建前ですよね?どうせ派閥争いの影響ですよ。天狼さんを手元に置いておきたいんですよ。」


「理華?」


理華の顔が次第に曇り、組織の派閥争いについて語り始めた。

2週間後のワクチン接種が怖い…ぴえん。

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