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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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初日が終わる

毎日投稿(2敗)は止めない。硬い意識を持って投稿します。

男を引きずり回している理華を屋上から視認した私は道路へと降り立った。もちろんスーパーヒーロー着地でね。


「理華ー。」


手を振りながら近付くと彼女も私の存在を視認して空いた方の手で振り返してくれた。


「あいの風!」


良い笑顔で迎えてくれたのは良いけど絵面が酷い。女子高校生が大の大人の首根っこを掴んで引きずっているのは流石にアウトよ。


「何で連れてきちゃったの。もと居た場所に返してきなさい。うちじゃ飼えないわよ。」


「何を言っているの?」


人とのコミュニケーションの難しさを知った。やっぱ伝わらないのはつらいよ。


「気にしないで、それでハーパーとオリオンさんは車に乗っているみたいだけど?」


探知能力でハーパー達の場所は認識出来ている。なんで理華だけ1人なのかが分からない。


「怪しまれないように別れたんだ。この先の道路で拾ってもらうプランだから一緒に向おう。」


男を引きずり回している奴と公共の道路歩きたくないけど仕方ない。一緒に行ってあげますか。


「もうあのお店には行けないね。」


「そうだね…店主、顔が引きつっていた。」


「何があったの?」


「ああ、それはね。」


理華が私が居ない間にパブで何があったのか話してくれた。まずオリオンさんと店主さん達が業界用語を使って色々と話していた時に理華が酔っぱらいの男性から声をかけられたらしい。


「ひゅー!嬢ちゃんいかしてんね〜。さっきの娘も可愛かったけど俺は君みたいな素朴な娘も好きなんだよね〜。」


私は後ろから声をかけてきた男の方を見ると酔っぱらいの男が酒瓶片手に嫌らしい笑みを浮かべて近寄って来た。その男の後ろにニヤニヤしながら様子を伺っているグループが居て、こいつらがこの男をけしかけて来たのは明白だった。


「私はあんたみたいな粗暴そうな男は趣味じゃない。とっとと家に帰って自分の棒をイジっていな。」


「待って。」


理華の話を聞いた私は左手を前に出してストップをかけた。


「なんだ?」


「何でトラブルを起こす3秒前みたいな事を言ったの?」


「それは…場に酔っていた、というかなんというか。」


「分かった分かった。それで?その後どうしたの。」


「ああ、その後は…。」


再び理華が説明を始めた。今度は黙って聞き手に徹しよう。


「ヒィーーー!言うな嬢ちゃん!」「その通りだ!」「イジれる程の大きさがあんのか!?ガハハハ!」


店内のボルテージが一気に最高潮になり始めてそこら中で笑い声が上がっている。…この流れは危険だな。この騒ぎに乗じてあの男が逃げるかもしれない。


オリオンさんの方を見るとこっちの事は気付いてはいるけど店主との会話に専念している。つまりこの状況は()()()()()()()()()()()()()()()


「ハーパー、お願い出来る?上着を着ている奴以外で。」


()()()()()()()。」


突然、店内に静寂が訪れる。あれだけ騒がしかったギャラリーも口を閉ざし店の外へ静かに出て行き始めた。その光景を見て私は改めてハーパーが凄い能力者であることを再認識する。


「店主さんすみません。今日の支払いは組織が持ちますから。」


「良いってことよ。」


オリオンさんがカバーしてくれて店主さんが気にしていない風に言ってくれたが顔引き攣らせてるから本当はかなり気にしているんだろうな…。すみません店主さん。


「理華、皆さんを外へ出しましたけどほんのちょっとした時間しか意識を逸らせません。」


「分かった。ありがとうハーパー。…じゃあ次は私がやるか。」


突然のギャラリーの解散を目にし一人取り残された男が思考停止したみたいに固まって部屋の隅で佇んでいた。気持ちは分かる。彼からしたらみんな私達のグルのように見えただろうし嵌められたとも捉えられる。


「さて…お前はどこの国のどこの所属だ?店は荒らしたくない。外でやろう。」


ま、まあ…話の流れと展開を理解した。


「それでそいつをボコって今に至る?」


「そうだ。ハーパーの言った通りその後すぐに店内に居た客が押しせてきたからな。私はそのままこいつを連れて行きハーパー達は後に店を出た形。」


なるほど、私がロケットを打ち上げている間にそんな事がね。ていうかやっぱりハーパーの能力ヤバい。私より能力ヤバいんじゃない?


「あいの風はどうだった?男は?」


宇宙(そら)に行ったよ。」


「あの世に行ったの?…死体は?」


「だから宇宙に行ったよ。…私の能力知っているでしょ。」


「知っているけど、それで何で空に行くのかが分からない。」


「パス繋げば出来るよ。」


「出来なくて良い。…あそこだ。」


理華が指を指した方向に車が停まっていた。車内の反応からハーパー達だと分かったので私達はそのまま近付き男を車の中に詰める。こいつから何かしら情報が得られれば今日の任務は完了だろう。


「あいの風、リカお疲れ様です。このままホテルまで戻りますので周辺の警戒をお願いします。」


「了解。」


「了解です。」


「お疲れ様アイ、リカ。」


「ハーパーこそお疲れ様。」


「お疲れ様、ハーパーちょっと聞きたいことがあるんだけど良い?」


「ん?何かしら。」


私はハーパーの能力について質問をしたい事がある。今日1日、目の当たりにして興味が湧いた。


「ハーパーの能力って制約って無いの?万能過ぎるから。」


「うーーん…結構あるよ?今日みたいな使い方はあまり効果が無いんだよね。」


「え?みんな外に行っていたけど?」


「えっと車に追われた時とか追手の意識を逸らせないって話したじゃないですか。あれって実を言うと時間があれば結界の外に出せます。私の能力は時間経過で効果が増大していくんです。」


「それはワタシも初耳ですね。興味深い…。」


「そうですよね!ハーパーの能力面白いですよね!時間経過か…色々と出来そうだね。」


「悪い顔をしてるよあんた。」


車の中で私達はハーパーの能力について語り合う。私達とは違うジャンルの能力はみんなの興味をそそって議論が白熱していった。


まあ、後ろのトランクに男を詰め込んでいたから結構シュールっちゃシュールだったけどね。


思い返してみると夏休み初日でこの内容の濃さは産まれて初めての経験ではあったけど、初日にしては中々に悪くない立ち上がりだったんじゃない?

もっと早い時間に投稿出来たらな…もうちょっと執筆するスピードが欲しいです。

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