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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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酒場の匂い

また短いです、体調が回復するまで短めで行こうと考えています。


あともしかしたら毎日投稿が厳しくなるかもしれません。どうしても一話が長くなる場合がありますので、その時は2日間で一話を執筆しようと思っています。


ですのでもし投稿が無い日はそういう事だと思ってもらえれば幸いです。

車の窓から景色を眺めていると少し影のある人達が多く歩いているのが見え、道路にゴミが落ちて壁にはスプレーでラクガキが描かれている。間違いなくここ辺りは日本人が歩いて良いような治安ではない。こんな所は映画でしか見たことがない。


日本にも、東京にも治安の悪い所はあるけどここ程ではない。私って治安の良い場所で生まれ育ったんだなー。両親に感謝しないと。


「浮浪者が居る。」


上体を私の方に向けて一緒に窓を眺めている理華が浮浪者を見つけて何とも言えない表情を彼らに向ける。


因みにだが今の座席は後部座席の真ん中に理華で左側に私、右側にハーパーが座っている。


「東京にも居るけどここの人とやっぱり何か違う気がする。」


格好とか雰囲気が違うけどこっちの人達は髭を蓄えている。日本の浮浪者は髭を剃っていたりして割と身嗜みを気をつけている人達が多いイメージだ。


「普通じゃないですか?」


そうかアメリカ育ちのハーパーからしたらこれが普通なんだよね。私はついさっき平穏な世界は遠いなと思ったけど人によって平穏な世界ってそれぞれで違うよね。


ハーパーの望む事は働かなくてもいい未来。結界型という稀有な能力を持っていたとしてもそれを使って楽に生きられればそれでいいと考えている。


別に世界全体を平穏なものにしたいとは思っていない。それでもこうやって私達と働いている。


それは母親の事を考えての行動であって最終的に母親との生活がハーパーの望む世界なんだと思う。それなら私は彼女を母親と会わせないといけない。私にとって平穏な世界とは、私にとっての平穏な世界ではなくみんなにとっての平穏な世界なのだから。


「着きましたよ。」


オリオンさんはそう言って路上の脇につけるように停車した。駐車場なんてものはここ辺りには無いから路上駐車しか出来ないけど何かこんな場所に車を置いていくのは気が引ける。


周りには同じように停められた車が並んでいるけど私達が乗ってきた車は新車みたいにピッカピカだからね。もし私が盗むならこの車だ。


「それでオリオンさん、私達はここから歩いてどこに向かうのですか?」


「そこのパブで聞き込みだね。」


オリオンさんが指を指した方向には私が絶対に入ることが無さそうなお店だった。入口には怖いお兄ちゃんや澪さんみたいな見た目のお姉さんがたむろしており外でお酒を飲みながら談笑を楽しんでいた。


「私行きませんから。」


「あなたが来ないと話にならないでしょうが。」


「なんで?」


「あいの風が笑いかけるだけで男ならペラペラ喋りそうだし、能力で挙動見れるんでしょ?必要じゃん。」


酷い。お色気要因としてカウントしているよ。


「分かったよ。行くよ仕事だし…未成年だけど私達良いの?」


「それなら気にしなくて大丈夫ですよ。IDを用意されてますよね?」


「ああ、これ?」


組織から用意されたIDはアメリカに留学しに来た大学生という設定の偽装カードで年は20歳という設定だ。確かにこれなら問題ない。アジア人はみんな幼く見えるらしいからID出しておけば大丈夫だろう。


「では行きますよ。」


慣れたようにパブに入っていくオリオンさんの後を追って私達もお店の中に入っていく。


地元の人達が多くを占めているのかみんなフレンドリーな雰囲気で談笑をしていたが私達がお店に入るとみんなの視線が私達に向けられる。


見た目が怖いお兄さんお姉さんに上から下まで見られるのは生きた心地がしないから止めてほしい。


「オリオン、久しぶりじゃないか。」


「ローガン、また世話になる事になったよ。」


お店の店主らしきスキンヘッドに長いお髭がチャーミングな巨漢の男性と会話を始めるオリオンさん。流石顔が広い。


「後ろのレディ達は?同業者かい?」


「そうだね。いつもの貰えるかい?彼女達にはノンアルコールのものを。」


取り敢えずオリオンさんを習って私達はカウンターに横一列に並んでみたけど居心地が悪くて慣れないな。立ちながら食事するのも飲むのもあまりしないからだし後ろから視線が飛び交っている。特に男性陣は私の腰辺りを見ながら茶化すように話しているからソワソワしてしまう。


「はいよ。」


店主さんが飲み物を用意してくれて手元に置いてくれた。


「あ、ありがとうございます。」


「お嬢ちゃん日本人かい?」


「え?何で分かったんですか?」


オリオンさん絡みだから分かったのかな?


「飲み物を出すだけで礼を言うのは日本人ぐらいなもんさ。他のアジア人は文句を言ってくれるけどな。」


育ちの良さが出てしまった。まさかたったこんな事で国籍がばれるとは。


「あいの風…。」


「理華が先に飲み物出されてたら絶対にお礼言ってたよ。」


「私は海外での立ち回り方も訓練していたし潜入する訓練もしているからな。」


「生意気言ってすいやせん。」


理華は出された飲み物を手に取りながら自然と会話を続けている。その所作は型の時と似ていてとても洗練されている。確かに訓練を積んでいると思わせる立ち回り方だ。


「ハーパーも自然としているでしょう?」


「いやアメリカ人だからね。比べないでよ。」


「私は飲みに行く事があまり無かったし大学の同期と数えるぐらいしか行ったことないよ。」


こう話している時でも私は周りの人間の動きを認識し続ける。まだ話し声が店内であちらこちらと飛び交ってるから私達の話の内容は聞き取れていないはず。


「それで今日の目的を済ませんか?」


私はオリオンさんに本題を話すように促す。私が店内を見ている事は分かっているはずだからこの言葉で伝わるはず。


オリオンさんは頷いてローガンに本題を聞いてくれた。流石は出来る男と私の中で有名なオリオンさん。


「ローガン、少し聞きたいことがあるんだけど良いかな。」


「ああ。」


「最近ここ辺りで不穏な動きはあるかい。」


「そうだな。ここ一ヶ月で街全体が騒がしくなってきたな。外から人が出入りしているし人の死体もそこらに落ちてる。今日なんかギャング同士の抗争でカーチェイスが起きていたからな。」


「「「あ。」」」


それ………私達です。すみません…初日からこの街を荒らしてしまって。

ここからは全く物語と関係の無い話ですがワクチン接種する人は特に若い人達は特に気を付けてくださいね。私の同い年の子も寝込むぐらい副作用がキツいので。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] アメリカでは飲酒は21歳からです。レストランなら入店まで制限されないですが、バーは必ずIDチェックされます。スラム街のバーは行ったことないけどw、でもたぶん同様
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