束の間の平和
サングラス回です。
明日からまたストック作りながら投稿していきます。
私達は必要最低限の荷物だけを持ち車から降りようとしたがここで1つ問題が発生した。ーーー銃だ。これを持っていくか置いていくかで私達は迷った。
「銃社会だし持ってても大丈夫なんじゃない?」
「SWATが飛んでくるぞ。」
「駄目かー…。」
いや、分かってはいた。だけど手ぶらで逃げるのも危ないし出来れば持っていきたい。それに人通りの多い場所では能力は使いづらいからまだ銃をぶっ放したの方がマシ。
「あの〜上に何か着て腰の後ろに隠しておけば大丈夫じゃないですか?アイの場合ピストルですし。」
流石はアメリカの女、発想が私より物騒だ。確かに今の私はデニムのハーフパンツにベルトをつけているから背中側に差しておけば落ちないし見えないだろう。
「じゃあ理華は?サブマシンガンは流石に腰に差しておけないでしょう。」
「私なら大丈夫だ。ほら。」
理華は自身の能力で肩にかけているスリングごとサブマシンガンを透明にして見えなくさせた。
そうか!理華は光を屈折させて透明に出来るんだった。こういう時に真価を発揮するんだね理華の能力は。これを使えば暗殺だって簡単に出来てしまいそう。
「そろそろ行きましょう。敵も数を増やして包囲網を敷いてくるかもしれません。」
私達はオリオンさんの案内の元、ショッピングモールなど建物を経由して目立たないように移動した。
ショッピングモール1つでもアメリカ!って感じだ。まずデカい。何でもかんでもデカい。1番驚いたのは道の広さだ。建物内の歩行スペースも日本の倍はあり車が走れるんじゃないかってとても広く作られている。
陳列されている品物も大きいし棚も天井付近まであって「それどうやって取るの?」って疑問を感じた。
あと勿論の事だけど店内は白人、黒人、ヒスパニック系にアジア系とアメリカの人しか居ない。しかも日本に居るような外国の人じゃない。なんていうか…ラフだ。上からサングラスにTシャツ半ズボンにビーサンでほとんどの人がそんな感じ。店内でもサングラスはどうなの?
えっと確か外国の人は強い光が苦手だって前に聞いたことがある。だからサングラスを好んで使用して強い光から目を守っているって。でも外はもう暗くないか?
だから私達はその中で目立たないように歩いているんだけど…観光客って感じで浮いているな。特にオリオンさんの銀髪は目立っている。みんなチラッと見たりサングラスを外して色を確認してたりするからちょっとこのメンバーで逃げるのは難しいんじゃない?
「ねえみんな、私達って悪目立ちしていない?」
私はショッピングモールを歩きながらみんなに話しかける。
「そうだな…特にあいの風が目立ってる。」
「え?私の格好変?」
「自分の顔を一回鏡で見たほうが良い。」
「背丈が低いから周りからすると見づらいんだけどね。」
「アイはちょっと人の目を集める容姿していますからね。しかも先程から日本語で話していますから特に目立ちます。」
日本語、そっか周りはみんな英語で話しているのに日本語だったら変か。
「任務中は英語で、話そうか。」
「うん。そうした方が良いね。」
この4人は英語で会話出来るメンツだから目立たないように英語で会話する事にした。でも私の英語はネイティブでは無いから分かる人ならすぐに分かってしまうけどね。
「理華が英語で会話出来るの意外。」
「私こそ意外だ。英語で日常会話出来る高校生なんてあまり居ないから。」
「アメリカ人の私でもちゃんと聞き取れるぐらい発音良いですよ。」
「でも、理華より下手なのが納得出来ない。」
「それこそリカが組織のホープと言われている所以ですね。戦闘面だけでなく英語、中国語、フランス語、他にも複数の言語を使えたりと勉学の面でも優れていますから。それにさっきの銃の扱い方もお手本通りで素晴らしかったですよ。」
「ありがとうございます!オリオンさんに褒めてもらえるなんて感激です!」
な、なんだと!?理華ってそんな完璧超人だったの!?
「じ、実戦が全てだから…」
「ん?何て言った?発音が悪くて聞き取れなかったよ。もう一度言ってくれないか?」
こ、このクソガキが〜。私に勝てる部分を見つけて擦って来やがった。
「通訳としては合格点でも処理課のエージェントとしてはまだまだ合格点には届いていないんじゃないの〜?通訳課ってありましたっけ?」
私が煽った瞬間、理華から鋭いパンチが飛んできたが私はそれを難なく避けた。伊達に昨日殴られまくっていない。
「見とけよお前、すぐに追い越してやるからな。」
「私の背中を見て勉強してな。」
絶賛逃走中にも関わらず口論を始めたあいの風と理華の2人を他人のフリをしながら離れていくオリオンとハーパー。
「しかし服装を最初から潜入用の物を用意してあげるべきでした。日本のファッションとアメリカのファッションではやはり差異がありますからね。」
「サングラス掛けておけば大丈夫ですよ。あそこのカウンター近くにあるサングラスを買いましょう。」
ちゃんと現状を考慮して行動に出たオリオンとハーパーはサングラスを4つを無人レジで購入しその内2つをあいの風と理華に渡した。
「二人共これを掛けてください。」
「サングラス?私達が?」
「掛けたことが無いし視野が狭くならない?どこから敵が現れるか分からないから遠慮したいんだけど…。」
「掛けてください。命令です。」
この中で1番発言力のあるオリオンさんに言われては仕方ない。スチャッ
「…イキってる女子高生が見える。」
自身のサングラス姿をこう評価する女子高生なんて私ぐらいだろう。だって似合ってないんだもん。
「私なんてもっと悲惨だ。サイズが合ってない…。」
理華がかけたサングラスはかなり大きめでかけているというより装着しているみたいだった。プールでつけるゴーグルかな?
「私達これでユーチューバーやる?サムネは毎回グラサンしてさ。」
「コメントで外せって毎回書かれそう。私達似合ってないもん。」
くだらない話をしながらショッピングモールを抜けて私達は駐車場で車を探す。犯罪行為ではあるけど後ほどに組織から謝礼が出ると思うから許して欲しいです。生命の危機なんです。
「鍵が開いてそうな車を探せるかい?」
「鍵がかけられていない車は探せますけどエンジンがかけられなければ意味が無いですよね?」
「私、エンジン直結させられるからそこは問題無いよ。」
「組織は彼女に何を教えているの!」
理華の知られざる技術と知識を知った私は吠えた。まだ成人していない子にとんでもない事を教えていやがる…。
「最近の車は盗難されにくくなっているので古い車種を狙いましょう。」
「なんでハーパー詳しいの?もしかしてやってる?」
「日本はあまり盗難される事が少ないかもしれませんけどアメリカでは一般常識ですよ。」
アメリカ怖…やっぱり海外は治安が悪いね。そしてその治安の悪さに寄与する私…。人殺しより罪は軽いと思い込もう。
私の射程圏内にある車は全てマークしているけどそんな都合の良い車は無い。ここの駐車場は物凄く広いからもうちょっと探してみよう。
「ハーパー、ここ辺りの人の意識に介入出来る?」
「もうやってるよアイ。半径1km以内の人を外に出しているから鍵を閉めずに出ていっている人も居るかもです。」
やっぱり結界型の能力は凄い。辺りを見渡すと人が私達から離れるように歩いて離れていく。しかもこっちに向かって来た家族も急にUターンして離れていく光景はまるでゲームの中の映像なんじゃないかっていうぐらい非現実的な光景だった。
作者は明日から休みなのですけど皆さんはどうですか?もう夏休みでしょうか。まだ学校や部活、お仕事がありますか?
私は休みです(笑)




