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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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秘密の共有

昼からエペのランクを回していたので間に合わないと思ってましたが何とか2話投稿出来ました!(ランク回さなきゃ3話いけたんじゃ…?)

私の言葉に反応を示すが、何も言わない彼女に私は更に言葉を重ねる。


「異形の方なら多分使いこなせると思うよ。かなり戦闘向けの能力だし、私が言うのもあれだけど異形型なら最強の系統だと思う。…どうする?」


「異形、異形型か。でも、それって秘密にしているんでしょ?私なんかが使ったら…。」


「能力が目覚めましたって言えば良いじゃん。パスの事なんかみんな知らないし知っていても当人同士しか分からないんだよ?私が能力を複数持っていても能力を貸して貰ったなんて発想出なかったでしょ?」


誰も知らない事実というのは凄まじい効力を持つ。誰も発想を浮かべないし疑われる事も隠す必要も無い。ただ自然体に過ごしていれば良いのだから。


「でも…みんなに悪い。あの子達も自分の能力を伸ばして頑張っているのに私だけ…」


「何が悪いの?悪いのは何も出来ず任務をこなせない事でしょ?私達が失敗すれば罪の無い一般人に被害が及ぶ。私達はやれる事があればやるべきだよ。」


「美世…。確かにそうなのかもしれない。特定課が失敗した時や危険な能力者を相手にする時は私の能力だけだと…。」


…言い方が悪かったかもしれない。そんな卑屈になって欲しかった訳ではないのに。


「保険だと考えてもらえば良いよ。最後の奥の手としてあるだけで気楽になるでしょ?」


理華の反応は悪くない。迷っていは…いるね。興味はあるけど後何か理由があればみたいな感じ。


「うーん…因みに異形型の何系の能力なの?」


「電気系。天狼さんと同じ能力、ぐえッ!?」


腹パンを食らった私は膝から崩れ落ちた。


「組織No.1とNo.2の能力が使えて世界で1人しか居ない探知能力まで使えるとかいい加減にしろッ!!!」


「み、みんなに聞こえるから…静かに……。」


こうして私達の女子会は私のダウンにより終了し。その後、解散した私達は明日に備えベッドに入り眠りについた。


そして場面は変わり、帰りの事を話す為に機首に居たオリオンが用件を終えて1番奥にある空いた部屋へ向かう最中、美世が居る部屋の前に止まり何かを見続ける。


オリオンの前にはドアがあり中の様子は伺えない筈だが何かを追うように目を動かし険しい表情を作る…だがそれは一瞬のことで、すぐに表情を戻し奥の部屋に向かうのであった。


「おはよ〜早いね…。」


「おはようございますアイ。」


「おはよう美世。」


「おはよう。」


私が起きた頃にはみんな先頭のリビングのような所に集まり朝食を摂ろうとしていた。


「美世、せめて着替えてから来たら?」


良く見るとみんな朝支度を整えて女性陣は軽くメイクまで済ましている。私なんて寝間着の緩いシャツとハーフパンツで髪を整えたぐらいなのに…女子力高いな。


「アイ、アメリカ人の私よりラフな格好ですね。」


「美世さぁ…男性が居るんだからもうちょっとTPOを考えて。」


「上に1枚ぐらい羽織った方が良いと思いますよ。」


男性のオリオンさんまでに言われたら女として私はもう終わっているかもしれない。始まってすらなかったのに。


「朝食はビーフオアチキンですか?それとも普通に日本食が出てきます?」


昨日から実は朝食は期待していたから楽しみだ。この豪華な飛行機でショボい朝食は出てこんでしょ〜。


「ビーフとチキンとフィッシュ出てくるって。」


「朝から豪勢なのは良いね。いつもこうなら仕事のモチベ維持できるのにな〜チラッチラッ。」


私は今回のガイド役であるオリオンさんに圧を掛けた。美味しいお店に連れて行って欲しいという卑しい思いが見え見えのやり方だったけど効果はあった。


「フフフ、良いですよ。フレンチをご馳走する約束していましたからね。」


「やた!楽しみにしていますね!」


「とりあえず座りなよ。もう出てくるよ。」


理華の言う通りその後すぐに朝食が出てきて私達は空の上で優雅な朝食を頂いた。味も量も最高で今日からここで住みたいという欲求に駆られるほどの素晴らしい朝食だったと言っておこう。


そして朝食を食べた後、私は急いで部屋に戻って身だしなみを整えてからアメリカに上陸した。飛行時間は約10時間、降りた空港はカルフォルニア州にあるロサンゼルス国際空港、西海岸沿いにある空港だ。


「アメリカ、着いたんだよね?実感無いんだけど。」


着陸した飛行機の窓から景色を眺めるがあまり日本と変わらないように見える。この角度からだと空港しか見えないし仕方ないか。


「10時間も日本の上を飛んでいた訳じゃ無いからアメリカで良いだろう。」


理華は荷物をまとめて出口の方に向かって行った。


「ハーパーは分かる?…ハーパー?」


「あ、聞いていませんでした。」


何だろう、着いてからハーパーの調子があまり良くない。故郷に帰れたのに何でだろう。


(ていうかこのメンバーさ、まだ仕事のしの字もしていないのになんでもうメンタルやられているの…。)


昨日は理華が怪しかったし今日はハーパーだ。明日はオリオンさんで明後日は私なのか?


「不安?何か仕事で思う事あるの?」


「違います。えっと…家族には私は行方不明で消息不明という事になっているんです。それは私の能力が狙われて家族まで手が及ぶ危険性があったからで、それには納得しているんですけど。」


彼女の結界型精神系能力はとても貴重な能力でそれを狙って様々な勢力が彼女を求めて非人道的な行動をする事は最早避けられない事だ。なんせ自衛するにも限りがある。1日掛ければ彼女を捕まえることなんて簡単な事だ。


「でもせめて母親には生きていると知らせたいんです。私は片親で家族は私と母親だけなので、あの家に1人で私の帰りを待っている事を考えると胸が引き裂かれそうで…。」


母親…。私にとって特別な意味を持つ言葉だ。ハーパーの話を聞いただけで私も胸が引き裂かれそうな気分になる。


「だったら尚更この任務を成功させないと。敵対勢力を潰せばハーパーを狙う奴も居なくなるからさ。」


「え?」


ハーパーが私の方を向いて暗い表情から不思議なものを見るような顔付きになる。


「ハーパーが所属しているこの“組織”がもっと影響のある組織に変わればみんな手出し出来なくなる。ハーパーは私の、あいの風の仲間だって知られれば誰も怖がって近づきもしないよ。」


「アイ…今の言葉の意味を分かって言っているんですか?世界から恐れられる能力者なんて近くに居る人間からも恐れられるという事ですよ?」


「私ボッチだから遠巻きに見られるの慣れてるし、もう1人でも立って生きていけるから良いの。それに私は別に幸せになる為にこの仕事してないし。」


私のお母さんみたいになんの罪も無い人が理不尽に殺される事を私は絶対に許せないだけだ。だからその過程で誰かに嫌われようと怖がられようと構わない。私のお母さんを殺した奴、人殺しを何とも思っていないクソ野郎共を殺せれば私はそれで良い。


「そんなの…アイの周りの人が悲しみます。」


ハーパーがとても悲しそうな表情を浮かべたが、私は敢えて見ようとせずただ窓の外からアメリカという国を眺めた。


そして飛行機が降りて空港内に入ると外国に来たんだと強く実感する。だって日本人居ないし服装も何もかも違う。…当たり前だけど日本語がないよ。英語と…なんだろうあれ。英語じゃないな。アルファベットの並びが見たことない、


「これがアメリカか…。京都より外国人が多いな。」


「京都も海外の人が多いですよね。」


理華の判定基準が面白い。確かに京都は観光客とかで海外の人が多いって聞いたけど東京と比べてどっちが比率が高いだろうか。


「スゥ~。…うん日本じゃない。アメリカの匂いがする。」


初めて気付いた。日本っていう匂いあったんだ。私は日本の匂いが好きだったんだなとアメリカに来て気付けたよ。なんかね、なんか変な匂いなんだよ外国ってさ。分かるかな?


もし分かるのならこの匂いに名前を付けてwikiに載せて欲しかった。ちょっと苦手な匂いだ。


気を取り直しハーパーに案内をお願いする。


「ハーパー案内してよ。」


「…アイは来たこともない空港に来て案内出来ますか?」


「あ、来たこと無かったのごめん。確かに来たこともない空港を案内なんて…出来るかも、私の能力なら。」


ナビゲーターとしての才能に気付けたよ。今日は気付きの多い日だ。…はッ!これが海外で自分探しの旅に出る理由か!


今日も変な事を考えて緊張感の欠片もない。このぐらい図太く無いと任務はこなせないのかもしれない。


「外に車を用意していますのでそちらに向かいましょう。」


「「「はーい。」」」


オリオンさんの一言に私達はキャリーケースを引きながら付いて行きアメリカでの初日を迎えるのだった。

遂にアメリカに上陸した美世達一同。これからどうなっていくのか………作者ですら良く分かってません。キャラが勝手に走って行くのでレール敷いても脱線しまくって制御不能です。


でもこういう時が1番書いていて楽しかったりするんですよね〜。

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