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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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空での授業

エペ楽しくて止められない。助けて。

「それで話の続きですが、何故この4人でワープを使えないか詳しく話すとワープする距離が長い程脳への負担が大きくなります。ミヨもリカさんもハーパーさんもベルガー粒子量が多過ぎてテレポーターの脳が耐えられないんですよ。」


「それは…申し訳ありません。」


エレベーターの重量制限みたいなもんかな?私達太ってる?


「あの…私もベルガー粒子量多いんですか?私は見えないので。」


「能力者の中でもかなり多い部類だよ。流石は組織のホープ。」


「期待…。私ってあいの風と比べてどうですか?」


理華の表情が硬い。期待ってワードに身構えているみたいで心配になる。それとさり気なく私と競うな。この負けず嫌いが。


「“あいの風”とか…彼女と比較対象になる能力者の方が稀だからね。非接触型探知系能力のベルガー粒子量は異常だ。射程距離も効果範囲も他の能力の追随を許さないからね。」


「詳しいですね。オリオンさん。」


私の能力の事を詳しく知っているのは諜報員だから?


「みんな知ってるよ?ねえハーパーさん。」


「はい。みんな話してますから。」


「え!?“みんな”ってどのぐらいの単位のみんな!?」


「組織…全体?ソプリの掲示板見ていないの?」


「掲示板…?」


理華にソマホを見せてもらい例の掲示板を確認した。


[能力者最強スレ Part321]


私は衝動的にガラスのテーブルをバンッと叩き立ち上がる。


「おいッ!?良いのこれ!?組織の見え方180度変わったんだけどッ!」


「結構みんなガチで考察して議論してるから。信用度は高いよ。」


「俗物っ!俗物だよ!」


「でも処理課の人達もハンドルネーム付けて書き込んでるけど。」


(…うわあ〜それは見てえ。あの人達が自演とかして自分を持ち上げているのとか見てみたい。)


己の欲望に従ってスレッドを開いた。ハーパーも私と一緒にスレを見る為に隣まで近寄って来るけど…あ、良い匂い…。


戦闘力

SSS 死神

SS+ 天狼

SSー あいの風

……………


「私たっか!何で?」


そして安定の先生と天狼さん。その下に居る私が凄く違和感がある。


「妥当じゃない?ミューファミウムの戦闘員達を全滅させて貨物船を沈没させたんでしょ?ねえハーパーさん?」


「はい!気が付いたら周りの人達全員死んでました!」


「そんなの、天狼さんや先生だって出来るし…。」


「だからその下に居るんでしょうがッ!」


フライトしてから30分、メンバーの相性も確認出来たみたいで何よりだ。


「それに天狼さんが自分の下に推したんだよ。」


「何やってんのあの人!?やっぱり天狼さんミーハー寄りだよね!?」


理華に私を推しまくっている天狼さんの書き込みを見て恥ずかしい気持ちになった。何だこのクソデカ感情は……処理の仕方が思い付かない。良し今度天狼さんに会ったら一発殴っておこう。


「でも他に出来そうな能力者だって居るんじゃないの?オリオンさんは知ってます?」


「んーー咄嗟には思いつかないかな。前準備して有利な状況に持ち込めば可能な能力者は居るけどミヨはいきなり襲われたんだよね?だったら居ないかなー。」


「オリオンさんが言うならそうなんだろう。この人も相当な実力者だって聞くし諜報員だから。」


「オリオン、前に居た所でも名前が上がっていましたよ。」


理華とハーパーが言うんだからやっぱり凄い人なんだオリオンさん。


「フフフ、じゃあさっきの質問なんだけど、今はあいの風の方が優勢だけどリカもそこまで圧倒的差がある訳じゃない。もしかしたら並ぶ日が来るかもね。」


「そうですか…私があいの風と。」


嬉しそうなんだけど本当にそうなのかな、期待してもいいのかなって複雑に揺れているのが理華の表情から読み取れた。それを見た私はちょっとだけむず痒さを覚える。


(ライバル意識されているって事だよね。)


「私はどうですか?」


「ハーパーさんも凄いね。訓練を受けていなかったんでしょ?それでその量は結界型でも上位に入るね。」


「やった!」


彼女の射程距離も効果範囲も凄いからやっぱり量が多い方なんだ。


「そんな3人だから一緒に一度にはワープさせられない。分けてワープさせても時間も労力もかかる。だから飛行機でみんな一緒に行ったほうが安上がりって訳。分かってくれたかい?」


なるほど。そこに完結するのか。…今度からワープする時みんなと時間帯が被らないようにしよっと。


「分かりました。それで今回の任務内容の詳細を聞かせてもらっても良いですか?」


事前に資料は渡されて目を通してはいるがここに諜報員が居るのなら聞けと言っているものだろう。


「じゃあ目標となるミューファミウムの話からしようか。ここの組織は今や衰退の一途を辿っている。理由はみんなも分かっている通り先鋭部隊が全滅したせいだ。」


みんなの視線が私に集中する。…なんだよっ。


「あっちが悪い。向こうから仕掛けてきたんだから…。」


「…別に何も言ってないけど言い訳をしだす辺り怪しく感じる。」


クソッ!墓穴を掘った!…いや本当に何も悪い事してないからね?殺しただけだから。


「話を続けるね?それで弱体化したミューファミウムは他の敵対組織からも目を付けられてね。取り込もうとする勢力と殲滅しようとしている勢力がアメリカに集まって今や戦争直前みたいになっている。」


「あの〜何で取り込もうとする勢力が居るんですか?」


殲滅は分かる。でも取り込もうとする意図が分からない。向こうも反発するだろうし。


「能力者の存在だよ。どの勢力も欲しいのは能力者だ。そしてそれに付随する能力者の研究データを欲しがって世界中から色んな勢力がアメリカにって訳。」


「能力者を危険視する勢力と是が非でも能力者が欲しい勢力が睨み合っている状況なんですね。」


「その通り。そしてワタシ達はそこを掻っ攫うように動く。これが今回の任務の理由だね。取れる者は取って邪魔な者は排除する。」


「…ホント上の人達が好みそうな内容ですね。パワーバランスを一気に私達の方に傾けたいんですよ。そうすれば私達“組織”が完全に上に立てる。能力者という概念を完全に掌握しコントロール出来れば…京都の人達も出しゃばって来そうですね。」


理華の話した内容はまるで京都を嫌っているように聞こえる。


「アメリカで能力者達が戦争を起こすって事ですか…?」


ハーパーさんが心配そうに私達を交互に見る。断片的に言葉を拾って理解したのだろう。


母国が戦場になりそうなら不安になるよね。


「それを未然に防ぐのもワタシ達の任務だ。まだこの世界に能力者の存在を知られたくない。まだ公表する準備が整っていない段階で能力者が一般人にも被害を及ぼしたら能力者対無能力者での戦争に発展する可能性が出てくる。」


それは考え得る限り最悪のストーリーだろう。第三次大戦の幕開けだ。被害の大きさは想像もつかない。私は嫌だ。絶対に戦争なんてしたくない。


でも、もし本当に戦争になったら…私はどちらに付くだろうか。能力者側か無能力者側か。勝つつもりなら能力者側一択だけど。


「どうやって防ぐのですか?“組織”まで参戦したら皆こちらを注目しませんか?」


「好都合じゃん。私達とそれ以外に別けられる。私達が勝てば戦争にならない。」


理華の疑問に私なりの考えで答える。


「…敵の規模も分からずに良くそんな事を言えるな。こっちは4人しか居ないんだぞッ!これが初任務だなんて…。」


「4人だけじゃないよ。今回の作戦は2面で同時に仕掛ける。」


「片翼は私達で…もう一方の翼は?」


私はオリオンさんに自分達と並ぶ能力者を聞いた。私達に釣り合える戦力で無ければ飛ぶ事は難しいだろうな。


死神(デス)。」


…死神に釣り会える戦力で無ければ羽ばたいて飛ぶ事は難しいだろうな。私達が。

ストック1話作ったので明日体調おかしくても多分投稿出来ます。お楽しみに。

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