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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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夏休み前のテンション 後編

実は伏線だらけの本編です。回収しきれるかは分かりませんが…。


次回は親方とのぶつかり稽古で次々回から海外編に移ります。美世の初めての海外、どう活躍し誰と絡んでいくのか楽しみにしていてください。

なんかすっごく呼びたく無さそうな雰囲気だけど、どんな人なんだろう?ちょっとだけ気になる。


「その、私に気を使っているのなら大丈夫だよ?みんなの知り合いなんでしょう?」


取り敢えず気を遣わなくても良いよとだけ伝えておく。もしかしたらマリナ様達の大事なお友達かもしれないし。


「美世がそう言うなら…でもそいつかなり美世の事を一方的に…その、アレよアレ。」


マリナ様がそこまで言う人なの…?ちょっと早計過ぎだかな?でも言った言葉はもう引っ込めないし…。


「マリナ様達のお友達なら私も仲良くしたいです。」


あ〜〜良い子ぶりたくって口からデマカセが!そんなアレな子とは仲良くしたくないのにー!


「いや別に私の友達じゃないし。」


「因みに私も私も!」


「…知り合いかな?とりま聞いてみるね。あの子呼び出しあったと思うから来れない可能性大だし」


へーマキさん絡みの人なのか。どういう人なんだろう…宇宙生物研究部の人なのかな。


その後、マキさんが連絡を取って連れてきたのは…ギャルだった。


(今までこんな人居たっけ?)


能力で校舎内を全て網羅しているから絶対に見たと思うんだけど覚えていない。多分能力者以外は覚える必要が無いから能力者かどうかだけチェックして流し見したんだろうな。


「初めまして♪マキるんの友達やってますマオマオで〜す☆」


うへへこの人合わないわ。もうノリが私と違う。そしてマリナ様達とも違う。だってマリナ様が苦虫を噛み潰したような顔しているもん。


「呼ばなきゃ良かった呼ばなきゃ良かった呼ばな…」


…マリナ様が後悔している。それにみんなスルーしているし私は彼女の事を少し観察してみようかな。


マオマオ(動物界,脊椎動物門,哺乳綱,霊長目,ヒト科,ヒト属,ヒト種。)


見た目はギャル。この子は美白タイプのギャルでメイクをガッツリしている。つけまつ毛も付けてて髪も染めている。この色は何色かな…多分アッシュ・ブラック系で全体を同じ色で染めてなくて髪の一纏めずつで色の濃さを変えた染め方だね。澪さんから色々と聞かされるから変に詳しいんだよね私。


あ、外側が濃くて内側が地毛に近い濃淡だね。こんなのキャバクラのお姉ちゃんでしか見たことがない。いや実際に見たことがないけどイメージとしてはそんな感じ。電車で真横には座れないタイプ。


身長は私より高くてマリナ様ぐらい?多分5〜6cmぐらい私より高い。顔立ちもちょっとだけマリナ様に似てなくもない。髪の感じが似てるからかな?


(しかし良くこの髪でこの高校に通えているよ。絶対に天野先生に注意受けるでしょ。)


「マオマオって今日の放課後先生に呼び出し受けてなかったの?」


「ミヨヨと会えるって聞いて来ちゃった☆」


まさかだと思うけどミヨヨって私?ビヨヨーンって感じでなんか嫌なんだけど…あれ?


マオマオを見ていたらある事に気付いた。


(ベルガー粒子が普通の無能力者に比べて多い?)


彼女からはベルガー粒子の揺らぎが見える…でも能力者ではない。何だこれ?初めて見るパターン。


「あれ?あれ?私呼ばれたのにお呼びじゃない系?マキるん!?」


あ、空気は読めるのか。まあ女子で空気読めなかったら生きていけないからね。最近良く思うよ。


「いや、そんなこと無いよ?ねえ?」


私達に振らないでよ!と心の声が木霊(こだま)した。みんな同じ思いを抱いているから私達仲良しだね★


「私もマオっちと遊べて嬉しいよ…ねえ?」


「カラオケ予約したから行こう美世。」


この悪い流れを私まで回さないように断ち切ってくれたマリナ様には感謝の気持ちしかない。


(マリナありがとう。)


マリナ様の耳元でボソッとお礼を伝えたらプイッと顔を反らして教室を出ていったけど、マリナ様の耳が真っ赤に染まった事を私は見逃さなかった。


「ミヨヨってどこ中?…あ!このシャンプーの匂い私も前に使ってたやつ〜!これ良いよねー☆私もまたこれにしてみようかな?」


移動の最中ずっとマオマオから一方的に話しかけられて正直キツイっす…このマシンガントークいつになったら終わるの?


あと彼女のベルガー粒子が私に纏わりついてくるんだけど…飼い主に似て距離感がバグってる。この人とは今日が初対面でしたよね?


「か、カラオケのお店ここの辺りだよね!?」


良いぞマキさん!不自然な導入だったけど私はそれに乗っかるよ!


「つうかもう目の前だし…。」


空気が凍った。マリナ様の不機嫌さを隠さないこの言葉がグループ全員を瞬間冷凍させるには十分な冷気を放っていた。夏場には重宝するかもね。


マリナ様は私がマオマオに話しかけられてからずっとご機嫌が宜しくない。私の左隣にマオマオ、そして私の右隣にはマリナ様が居るんだけどマオマオとマリナ様は移動の最中一切会話をしていない。


マオマオは私に話しかけるだけだしマリナ様は超超超悪い感じ、超超超超機嫌が悪い感じ。WowWow…ラブレボリューション…


はぁ〜〜…ため息つきたいよ。軽悪な雰囲気を感じ取ったのか私達の後ろにマキさんとミレイさんが付いて来て傍観者にジョブチェンジしているし、私も傍観者にジョブチェンジしたいよ…。


「ま、マリナはどんな歌を歌うの?」


「先に受付済ましておくから部屋に行ってて、4階の奥の右の部屋だから。」


「うん…。」


今ツンドラが見えたね。ビュービュー凍てつく風が吹いていたわ。オッカシイナー真夏なのに凍死しそう。


「ねえミヨヨってネイルやらないの?私が良いネイルサロン教えようか?ねぇねぇー。」


ヤバいこの子の頭の中は春の草原並のお花畑だ。


マオマオにくっつかれた状態のまま私達は奥の部屋に入り、その後マリナ様がマイクを持って合流し、また空気が冷たくなって背筋からは嫌な汗が止まらなくなる。


あれ〜おっかしいな〜?冷房が効きすぎているのかな?


「ッスゥーーー…美世っちどこ座る?」


ミレイさんからのキラーパスとも取れる質問を投げかけられる。私の答えは決まっている。


「マリナ隣座ろ。」


「え?ちょっ!」


L字に置かれたソファーで私はマリナの手を引いて奥の方に座り私の意図を汲み取ったマキさんミレイさんがマオマオを挟むように座ってくれた。


(ありがとう!)


両手を合わせてマキさん達にお礼をしたらあっちも手を振って応えてくれた。これが女子グループの結束力!私いま…女子高生してる!


「私の隣なんかで良いの?あの子と仲良く話してたじゃん…。」


やだ…マリナ様不貞腐れているわ。なんて可愛らしいの?


「マリナの隣じゃなきゃ…嫌だよ?」


耳元にそう囁いてクスって笑いかければ真っ赤なマリナ様のご機嫌仕立てが出来上がり。


「なっ!?何いってんの!もう!」


声は起こっているけど顔がニヤついていますよマリナ様〜。ってうわぁ!


マオマオのベルガー粒子が急にマリナ様と私に纏わりついてきたから驚いちゃった。これ能力者じゃないと説明出来ない現象なんだけど?


美世はマオマオを怪しんで睨みマオマオはマリナと美世を睨みつける。そしてその様子を近くで見ているマキとミレイが冷や汗をかきながら傍観している…。


そしてそれから数秒後、私とマオマオがお互いに横目で睨みつけるように対峙していたらミレイさんが突撃一番槍を買ってくれた。


「ッスゥーーー……ミレイ!歌います!」


そこからは地獄のようなカラオケが始まり、私はもう絶対にカラオケは行かないと心に決めた。


「やっと2時間終わったね…もう帰るわ。」


多分ミレイさんが1番大変だったと思う。空白の時間を作らないようにずっと曲を入れて歌い続けてくれた。家に帰ったらラインでお礼言わないと。ここのアフターケアをしているかしていないかで人間関係は変わる。


「私も帰るね〜…部活出とけば良かったかな。」


最後小声だけど本音漏れてますよマキさん!お疲れ様!


「私達も帰ろうか。」


この私達は“私とマリナ様”だけの私達だね。私ちゃんと女子言葉翻訳出来るョ…。


「ええ〜ミヨヨともっとお話したい〜!」


何でマオマオ私にここまで執着するのかが分からない。


(まさか…能力者を偽装する能力だったり?)


組織関連か、または能力者関係だったら腑に落ちる。


「マリナ、ちょっと先に言っててマオマオと少しだけ話してから行くから。」


「…ん、分かった。駅で待ってるから。」


空気読み一級の判断をしてくれたマリナ様は先に駅の方へ向かってくれた。…私もやる事やってマリナ様を追いかけるか。


「ちょっと触るね。」


ガシッとマオマオの腕を掴む。…うん。女の子の腕だ。


「え?え!?ちょっと大胆だよミヨヨ!?」


腕の力は…無能力者と同じぐらいだし筋肉や骨も柔い。99%は無能力者と断言出来るけど蘇芳も能力者なのに身体能力が低い。だからそういうパターンもありえる。


「あなた何者?何で私に近付くの?」


返答次第では人通りのある歩道でもこいつの腕を握り潰す。


「私?私は佐々木(ささき)真央(まお)だよ?…えっと近付く理由?ミヨヨと仲良くなりたいからかな?」


脈を見たけど変な感じはしなかったし嘘をつく人の特有の動きは能力でも見られなかった…じゃあ何でベルガー粒子を操作出来るのかが分からない。


(取り敢えずピンを指して泳がしておくか…。)


「佐々木さんライン交換しようよ。」


「…い、良いよっ!交換しよ☆」


この子はもしかしたらまだ能力者として完全に覚醒していないだけなのかもしれない。今の内にマークしておけば能力者に覚醒した瞬間、射程圏内だったらすぐに分かる。


「…良し。交換出来たね。マリナ待たせているからまたね佐々木さん。」


マオマオに手を振って別れを告げてその場から離れ、マオマオが背を向けた瞬間にピンを指してマリナ様の元へ向かった。


(ミヨヨとライン交換出来た〜!やった☆)


ミヨヨとカラオケ店の前で解散して帰宅しようとしたら何かが私に干渉したような感覚に襲われた。


(え!?何今の?)


今、()()()()()


まるで私に何かを刺したような…もしかして恋のキューピッドが私に矢を射ったのかな?


もしそうなら相手は誰?タイミング的に…ミヨヨ!?キャーキャー☆それヤバいって〜!まだ会ったばかりなのに!


マオマオが不審者ばりの奇行を行なう所を能力者で視ていた美世は彼女を怪しんでいた。


(マオマオを能力で見ていたら歩道のど真ん中でくねくねしだした…あの子大丈夫か?それに…)


ピンを指した瞬間、彼女の身体が反応した気がしたけど…勘違い、かな。先生が言うには私のピンに気付けるのは訓練された感覚の鋭い能力者だけって話だけど…マオマオは違うな。気の所為気の所為。それより早くマリナ様の所へ向かわないと。


しかしまさかこの時の美世の行動が彼女を能力者として、途轍もなく厄介な能力者として覚醒させてしまうきっかけになるとはこの時の美世は知る由もなかった。

今週は三連休なのでまたどこかで1日に2話投稿したいと思います。


でももしかしたら1日3話投稿という正気の沙汰ではない事をするかもしれません。1度でも良いから3話投稿してみたいですからね。

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