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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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夏休み前のテンション 前編

昨日は始めて1日のPV数が900を超えました!謝謝!


来週も2話投稿出来たらなーと予定しているのでお楽しみに。


人気投票ぶっちぎりの最下位である月曜日、しかもクソ暑い中という条件付きで、その中ちゃんと通学している自分を褒め称えたいという気持ちを持つことで何とか私は歩いている。


早くバスに乗らないと干乾びて死んでしまいそうだ。


でも今日の私はウッキウキ気分でいつもより歩幅を大きく取りながら歩いているんだよね。スカートだから限度があるけどね。


気分が浮き立つのは仕方ない。だって今週学校に行けば夏休み!しかも金曜日は終業式だから授業も少ないしいつもより速く上がれる!テストもボーダーラインを守れたし天野先生と一緒に夏休みを過ごす事も無くなってね!?最高、最高なんですよ奥さん。分かりますかこの気持ち?


いやー本当にテスト勉強頑張って良かった…組織から夏休みの間海外での仕事を組み込まれたからすごく焦って勉強した。マリナ様達と勉強会したり一夜漬けに付き合ってもらったりしたりね。その甲斐もあって赤点は回避出来たんだけどテストを始めた時に気付いた。私の能力だとカンニングし放題という事に。


いや、勿論覗き見はしなかったよ。テストの意味が無いしこういう事に能力を使い始めると絶対にロクな大人にならないからね。


私はもう新しく生まれ変わった…電撃を操る女子高生。このフレーズだけで3年は生きられる。間違いない。


何故なら心に刻んだ夢を 未来さえ置き去りにして 限界など知らない 意味ない! この能力(ちから)が光散らす


「その先に遥かな思いを〜…。」


【Only my railgun】(歌唱(仮称))と付けたこの能力のおかげで殺意に飲まれそうになるのを抑えられるようになったからね。これは世紀の大発見だ!私…普通の女の子に戻ります!


「美世ー!」


マリナ様だ。今日も朝から髪とか気合が入っている。


「おはようマリナ!」


美世の朝の挨拶に面を食らったマリナは美世を凝視した。


(え?何でそんな顔をするの?)


「美世が明るく挨拶…!?ちょっと顔見せて!」


わっ!良いニオイがする美少女が目の前に!いけませんわ!ここは公道でまだ高く日が昇っているのに〜!


マリナ目線だと美世の目がぐるぐるに回って到底正気には見えなかった。


「美世顔真っ赤じゃん!水分補給した?朝ご飯ちゃんと食べた?」


「昨日の夜から何も食べてないけど?」


昨日の夜はテスト結果に浮かれてオールナイト日本だったから寝不足もたたってかなり体調が悪い。それに何か頭が…。


意識し始めたらもっと体調が悪くなって膝がカクンと曲がってマリナ様にもたれ掛かってしまった。


「日陰に行くよ!」


通学路から少しだけ離れた公園のベンチに座らせてもらった。ここは木の陰になっていて直射日光を防げる。どうやら脱水症状が起きて軽い熱中症気味になっていたみたい。道理でテンションというか頭がおかしかった訳だ。いやそれはいつも通りだった。


「お水美味しいー。」


水飲んでこの感想はバカ丸出しだがマリナ様には受けが良かった。


「この時期は朝ご飯を食べないと駄目。熱中症になってからじゃ遅いんだからね。」


ママ味が凄いなマリナ様…本当に同い年なのか疑問を感じる。それとも私が幼すぎるのか?


「これからは食べるようにします。」


因みに後でマリナ様から聞いたけど寝不足も熱中症になりやすくする原因になるから早く寝なさいと叱られました。


「うん、バス停まで歩ける?」


異形能力者だからこれぐらい余裕のよっちゃんですよ。クーラーの効いているのか効いていないのか分からない教室に行って涼むとしよう。


「大丈夫、早く教室で涼みたいし早く行こうか。」


いつもより遅い時間のバスで学校へと向かい、アリナ様とイチャイチャしながら今日は登校しましたまる


「う〜〜ん…。」


学校に到着し授業を受けている最中に教室で1人唸り声を上げていた私はどうやって父に海外に行く話を承諾させるか悩みに悩んでいた。


恐らく十中八九反対される。だけど確か未成年って海外に親の承諾無しで行けないんだよね?だから絶対に承諾は必要なんだけど…どうやって説得しようかな〜。


組織に頼めば海外には行けるとは思う。承諾書を偽装する事ぐらい簡単にやってのけるだろうし、事前情報によると組織の息のかかった飛行機と空港を使うらしいからその辺は問題ない。


問題なのは私が何日もあの家を空ける事だ。父は頑固だから未成年の子供が海外に行くこと自体許さないと思う。最近は道場に通っていたから遅くなっていたしテスト勉強でも遅くなった。今頃私を叱りたいというフラストレーションが溜まっている頃合いだろう…そこにこの話題はあまりにHot過ぎる。絶対に爆発するっ!


「う〜〜ん…。」


隣の席に座っているクラスメートの男の子はチラチラと何か考え事をしている美世の横顔を覗き見る。


(伊藤さんさっきから何を悩んでいるんだろう…悩んでいる横顔も可愛いな〜。)


多感な男子は女子の横顔を見て大人になっていく。


「う〜〜ん…。」


(((((かわええな…。)))))


教室の男子全員の心が1つになった瞬間であり大人になっていく瞬間でもあった。


う〜んう〜んと悩んでいてもグッドなアイデアは浮かばず時間だけが過ぎ気が付いたら放課後になっていた。


結局出たとこ勝負なんだよね…。またぶつかり稽古か〜。


私が親方とぶつかり稽古をする決意を固めようとしたタイミングでいつものようにマリナ様が話しかけてきた。


「美世、どこか遊びに行かない?」


「行くーー!」


私が必死にやる気と根性を掻き集めて両手で押し固めていたけどマリナ様のお誘いは断れないなーシカタナイナー。


掻き集めて持ち上げたやる気と根性が床に落として砕け散った音が美世の頭の中に鳴り響く。


「おっ!今日は美世っち来るの!?」


「珍しい…なら今日の部活サボって私も行こうかな。」


サブカル女子のミレイさんとおでこ出しが可愛いマキさんが話に混ざって来た。マキさんって部活しているのか、この高校の部活動はそこまで強制じゃないから私みたいな帰宅部が多い印象だ。


「マキさんって部活何に入っているの?」


「うん?宇宙生物研究部だよ。」


めちゃくちゃ面白そうなの出てきたよ。えー掘り下げてみたい…駄目?


「どういう活動を…」

「それよりどこ行くよ!」


マリナ様のテンション高くて私の質問が消されてしまう。みんなと放課後過ごせるのどんだけ嬉しいのマリナ様。


「久しぶりにカラオケ行きたいかな。美世の歌声とか聴きたくね?」


ミレイさんの提案にいち早くマリナ様が反応した。


「それあり!カラオケ予約するから早く行こ!」


う、歌ですか…私が歌えるのアニソン、ボカロ、洋楽が少しだけどこのメンツで歌えるのメジャーなアニソンと洋楽ぐらい?トイレ行くフリして歌詞確認しておかないと。


「リンとレナは?行くっしょ?」


マリナグループの残りメンバーにもちゃんと声をかける辺りちゃんとリーダーしてるしマリナ様っぽい。


「私はパス。彼氏と予定あるから。」


「私も今日無理、バイトあるから。」


リンさんはこのグループで唯一の彼氏持ち。同級生のこういう話題はまだちょっと苦手だったりする。分かる人居る?どういう心構えで話せば良いのか分からないんだよね。


「そっか、じゃまたね。」


ここで引き止めない辺りやっぱりグループの長としてマリナ様の立ち回りは凄い。女子グループでの立ち回りを心得ている。


「じゃあこの4人で行きますか。」


「あと1人欲しい。高校生5人で割引だから。」


マリナ様そういうの気にするんだ…意外。結構庶民派だね。


「あ、あ…あ〜〜…。1人呼べば絶対に来る奴に心当たりあるけど…。」


ミレイさんの歯切りが悪い。それにみんなの表情も何か変だ。


「あいつでしょ?…美世には会わせたくないんだけど。」


「止めておかない?私あの子ちょっと苦手だし美世もあの子苦手だと思うよ。」


あの正義感の強いマキさんが苦言を呈する程の子ってどれだけ悪い子なの。絶対に私と相性悪いよ。だって私良い子だもん。最近みんなから良い子良い子って言われているしね。

1話で終わらんかった…一応重要な新キャラを出そうと思っていたんですけど纏まらなかったので前編にしました。もしかしたら中編後編になるかも?




あと3章は美世の夏休み期間で終わらせようと考えています。1章2章と比べてかなり長い章になっていますしまだまだ長くなりますけど、どうぞお付き合いの程よろしくおねがいします。

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