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私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
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探求能力者の見解

連休中はお家で執筆ですね。

「話を続けますね。そのラスボスの名前は蘇芳(すおう)。【ラプラス】という能力を持った能力者です。」


「ラプラス…?その能力ってどういう能力なの。」


「言ってしまえば全知全能の能力、過去や未来、場所を問わずに知る事が出来る能力です。ぶっちゃけ今の私達の会話すら知っているかもしれません。」


雪さんが今までに無いほどに表情を強張せる。私が言った内容が分かってしまったのだろう。


「そんな相手と敵対してるの美世ちゃんは…?」


「いや、一応味方同士(仮)なんですけど先生より危険な能力者です。実際に会って私はそう思いました。」


「…その蘇芳ってどんな人なの?」


「私より年下の女の子です。見た目は華奢で儚い…ていう感想が出てくる程に弱々しいです。多分無能力者でも勝てるぐらい弱いんじゃないかな。」


「…じゃあ殴ったら?」


脳筋の言い分過ぎる…気持ちが分からないでも無いけど。


「彼女の恐ろしい所は相手の欲しい情報を独占している所なんです。雪さんだって何かしら欲しい情報の1つや2つありますよね?蘇芳はそれをチラつかせてくる。」


「それは厄介だね。…因みに何の情報をチラつかせているのか聞いても?」


「私のお母さんを殺した犯人です。」


「ああ…。」


少し気まずい空気が流れたが切り替える為に話を続けた。


「彼女とは敵対したくありません。メリットがありませんし何よりあの能力は貴重です。出来れば上手く利用したいんですけど先生が彼女の事を放置するとは思えない…。」


「死神にとって彼女はそこまでの脅威と感じる理由って…。」


「先生の正体や能力を知っている…と言えば分かりますか?」


「敵対組織にその情報が流れたらマズいわね。」


「はい。だから彼女は私と先生とをぶつけて出来ればその、先生を亡き者にしたいんだと思います。…完全な憶測なんですけどね。」


「その、彼女にとってその方法は勝算があるの?死神と戦って勝てる算段が立っているんだよね?それって美世ちゃんが死神に勝てると知っているから…だよね?」


「負けますよ。先生とやり合って勝てる能力者なんて思い付きません。だけど私と別の能力者と手を組んだら勝算がある…。」


「私は無理だよ!?そんな強い能力じゃ無いからね!?」


マズい!美世ちゃんの前で頼れる先輩面し過ぎたっ!頼りにされるのは嬉しいけどそっち方面で期待されても困るよ!


「“天狼”をこちらに引き込みます。彼女とは目的を同じとした仲なので多分大丈夫です。」


「ッ!?」


天狼、組織の中でこのコードネームを知らない者は居ない。No.2と云われている実力は嘘や誇張ではない。私も一緒に仕事をさせてもらったけど、アレは私とは別の生き物だと思う程の能力者だった。そんな彼女ともう繋がりがあるなんて美世ちゃん、あなたは…


「そしてオリオンもこちらサイドに引き込めないか考えています。そしたら4人の能力者で先生とやり合えるので。」


その並びに私を入れてほしくなーいっ!私の戦闘力ってそこまで高くないからねーっ!


「…もう死神とやり合うのって確定なの?」


「先生が彼女を始末しようとした時はやり合います。恐らくそのタイミングを彼女は知っているので、それまで情報は渡すつもりが無いでしょうし確定事項として覚えておいてください。」


どうやら確定事項らしい。でも、もしかしたら死神と戦う未来を回避する手立てが…。


「…本当に確定事項なのっ!?」


「確定事項です。だからこそ彼女は動いている。私に接触したのは自分の身を守るためです。そうする事で自分の天命を延長しているんです。」


私はまだ蘇芳という名前の彼女と会ったことが無いけど、彼女に対しての心象が最悪レベルにまで下がった。


「…分かったわ。…トレーニングのメニュー増やしておく。」


「だったら一緒に京都行きません?天狼に稽古つけてもらう約束しているので。」


あの天狼と稽古?稽古の時点で私、死んじゃうんじゃないかな?


「…もう美世ちゃんの好きにして。」


その後すぐに注文した料理が出てきて私と美世ちゃんでシェアしながら食べたけど全然味がしなかった。


「…じゃあ出ようか美世ちゃん。」


雪さん…まるで死刑宣告された死刑囚みたいな面持ちだ。ここは私が奢って何とか盛り上げていかないと!


「今日は私が持ちますね。いつもご馳走になっているので。」


「駄目、私に貢がせて。」


(…貢がせて?)


目がカッと開いた雪さんが財布を取り出して先に会計を済ませてしまった。奢るのはまたの機会にしよう。


「あの〜…良ければこの後ショッピングに付き合ってもらえます?」


「美世ちゃんからのお誘い…?珍しいね。」


適当に歩道を歩きながら本来の目的を話した。


「実はブラが合わなくなって…それでまた見てもらいたいかな〜って。」


雪さんの目がクワッと開かれて私の胸元に視線が集中した。


「まさか…私達の目論見が遂に?」


え?どういう意味?


「美世ちゃん、それなら第三部ビルの方に行こうよ。」


「どうしてですか?」


「誓い合った同士達との約束を果たす為に。」


「1ミリも質問に答えていないんですけど…。」


「レッツゴー!」


あーでも雪さんの調子が戻ったみたいだしこのまま流されても良いかな…。


34(美世)π(パイ)レベル()アップ(二乗)。」


緊急事態(エマージェンシー)!」


第三部ビルの玄関先に和裁士さんが待ち構えて雪さんと謎の会話を行なった。何がエマージェンシーなの?


「私…どうしたら良いんですか?」


「「中に入ってお姉さんと良いことしましょう!」」


ビルの中に連れられて和裁士さん達にバストサイズを測ってもらったらBからCへと進化していた。生涯Bサイズで過ごすと思っていたのに。


「おお〜…成長するのか!」


まずはそこに驚いた。私の身体に成長の余地があったとは…


「前に自分のバストに合うブラを付けないといけないって話したよね?」


「あの時はありがとうございました。凄く動きやすくなりました。」


「ちゃんとしたブラを着けると形が整うしバストが成長しやすくなるの。数ヶ月間でもちゃんとしたブラを着けてたから成長したんだと思うわ。」


今日は雪さんの勧誘の成功とバストアップの発覚といい事ずくめの1日だったけど、最後はまたお姉さま方に身体を弄ばれるのね…

対蘇芳連合勧誘一人目成功です。後三人を勧誘する事が出来るのか…!

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