空に射す
お題は、「枯れ葉×黒×パイプ」です。
400字詰めで続けていくと決めたわけですが、散文詩にしてみました。
詩っぽくはないですが、本人が詩と言い張ればそれは詩です。
どうやって死ぬかだけを、考えている。心に空いた隙間だけが僕を生かしていた。
窓越しに見上げた空は青く染まり、雲の合間を飛行機が縫う。日射しは影を生み、眼を焼く。階上からは雫が垂れ、欄干に当たって弾ける。あの下に置いた植木鉢の中身はもう、枯れてしまっただろうか。扇風機の首を振る音がただ、僕の憂鬱を搔き乱す。
夏が齎した孤愁は、遠く、近い、そして苦しい思い出を鮮明に映し、心の隙間を少しずつ無理にでも埋めていく。寝返りを打ってそれを振り払う。ばつの悪い思い出は夏の湿気同様、簡単には離れてくれなかった。
何かに熱中することで、それを置いて行こうとした。何かに熱中することで、隙間で心を埋めようとした。ずっと当てはまらないものを、探して彷徨っていた。
どうやって死ぬまで生きるか、だけを考えている。この心に空いた隙間だけが僕を生かしていたんだ。
一見どこにもお題入ってないですが、私の心の中には出てるので大丈夫です。
お題を見たときに心に思い浮かんだ一枚絵から書きました。
どんな絵かどこにお題入ってるか想像してもらえると嬉しいです。