表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水槽の中で  作者: 蒼井 弥
1/78

星の見えない夜

お題は「月×山羊飼い×廃屋」です。

文字を書くことにまだまだ慣れていないので、400字を制限にしました。

400字詰めに書いているイメージで書いたので、読みづらいかもしれません。

 月の、落ちてきそうな夜だった。

 対して影はより深まり、その暗がりの中からは、なにか恐ろしいものがこちらを見つめているように感じていた。

 どうにかその呑まれてしまいそうな木陰から目を逸らす。使われなくなった夏小屋で、独り、夜に、在りし日の想い出を眺める。草むらに吹く風、山羊。ランプの灯り、暖かな影。朗らかな声、無邪気な息子たち。もうそのどれもが色褪せて遠く、彼方へ行ってしまった。

 暗がりから目を逸らし、夜を見つめても、ほんの少し目を上げれば月光が目を焼く。その眩しさは目だけでなく、胸の奥まで焦がしてしまいそうな程であった。

 小屋の中からは、木の爆ぜる音が聞こえてくる。一陣の風が頬を打ち、男の目を瞑らせた。

 夜を見つめる男の耳には、ただ冬の近付く音だけが、厭に染みついて離れなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ