可哀想な子
よくわからない出来事から半年、俺は言語を理解し、状況も理解しつつあった。
この半年間で様々な事を試したものだ。
さも当然かの様に、ステータスオープンと唱えたり、ファイアボールと唱えたり、鑑定と唱えたりだ。
今まで使えてましたという顔で試してみたのだが、ことごとく何も起きなかった。
魔力に満ち溢れている、力が湧いてくる、そんな気がする場所を探してはいろいろ唱えてみたが何も起きなかった。
気のせいだったようだ。
最初の頃は、そんな俺の様子を見た姉がかなり心配してた様子だった。
姉どころかメイド達にも心配されてたように思う。
あれは可哀想な子を見る目では、断じてない。
心配の目なのである。
話がそれた。
まあ、そんな些事は置いといてだ。
俺には確かめねばならない重要な事があるのだ。
それは主に以下の4つだ。
1.魔法があるかどうか。また、俺が使えるかどうか。
2.物理法則がどうなっているのか。加えて、魔法があるならその法則も。
3.合法ハーレムなのか。
4.王女様と俺が結婚できるのかどうか。
特に4は重要だ俺は王女様という存在が好きだ。
どのくらいかというと、その単語だけでご飯3杯いける。
そう、可愛いかどうか、性格がどうかなど関係ない。
いや、それも重要だが、それだけじゃダメだ。
そう、絶世の美女で完璧なプロポーションを誇り清潔感あふれる真珠のような光輝くきめ細かい肌の持ち主で、性格も献身的な聖女であったとしても、平凡な見た目の平凡な王女には勝てない。
それくらい王女というステータスは俺にとって重要な属性だ。
いや、少し盛った。
そこまで差があるとわからん。
待て、話が逸れてしまっている。
とにかく俺は王女とイチャラブできるかもしれないと期待に胸を膨らませているわけだ。
しかも、我が家系は公爵家であるらしい!!
家格的にもつりあうであろう。
しまった、4について語りすぎた。
とにかく、4が重要なのはもちろんの事だが、1と2だ。
特に2については、かなり気になる部分である。
うまくすればこの世界では俺こそがニュートンでありアインシュタインでありシュレーディンガーとなれるのだ。
捨て置く事はできまいて。