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賢者の成長録  作者: KHey
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1章 プロローグ

プロローグ


ある日、俺は死んだ。

そして今、川の前にいる。


「あぁ、ここが俗に言う三途の川か」


そう、俺は三途の川のにいる。


『クゥーン』

「ん?」


後ろから犬の鳴き声が聞こえたから振り返った。


「こいつは、」


そこには生前最後に見た子犬の姿があった。

俺は、小犬を助けて車に轢かれた。

しかしその助けたはずの子犬が今目の前にいる。


「助けられなかったのか」

『クゥーン?』


子犬が服の裾を引っ張ってどこかに連れていこうとする。


「なんだ?」


子犬について行くとひとつの扉の前に来た。


「ここか?」

『きゃぅん!』


俺はその扉を開いた、その瞬間視界を覆う眩い光に包まれた。


そして目の前にとてつもなく巨大な白銀の狼がいた。


『汝、我が子を助けていただき感謝する。』

「我が子?」

『左様、汝の足元にいるのがそうだ』

「あー、狼の子だったのか」

『キャン?』


まぁなんでもこいつは助かったのか、よかった。


『そこで、汝に礼をしたい』

「そんな、いいですよ」

『まぁ、そう言うな、汝には生まれ変わってもらう』

「...え?」

『要するに転生という事だな』

「それは、もとの世界にということですか?」

『いや、魂というのは死んですぐには元の世界に転生することはできないんだ、すまない』

「えっと、じゃあどこに」

『俗に言う異世界だな』

「なるほど、...分かりました。」

『おぉ、すまぬな、ではさっそく行ってもらうぞ』

「はい!」


神歴1485年12月31日

アルベスト帝国の小さな村に小さな命の火が灯った。









1章

少年期


「ジルちゃ~ん」

「あい!」


今目の前にいるのが母親だ、ものすごく綺麗な人で、


「ジル~」

「あい~!」


今のが父親、細マッチョの優男だ、そして俺はジオル

両親にはジルと呼ばれている。


「ジル~ママだよ~」

「パパだよ~」

「あう~」

「「きゃーーーーー!」」


二人ともかなりの親ばかだ。

今住んでいるのはアルベスト帝国のセガル村というところで人口は200人ほどの小さな村だ。

今の家族は俺、両親そして、


「キャン!」


何故かあの時助けた子犬がいる。

名前はアル、銀色の毛並みからとった名前だ、

そんな家族たちに囲まれながらすくすくと育って、



「ジル!お誕生日おめでとう!」

「アォン!」

「ありがとうみんな!」

「いゃぁーこれでジルも9歳か」


そう、俺は9歳になった。

そんな幸せな時間が過ぎていく中で、


『た、大変だぁ!土の迷宮からマッドゴーレムが出てきたぞ!』

『水の属性が使える奴はすぐに来てくれ!』


そんな声が聞こえて来た、


「すまない、俺は行ってくるよ」

「はい、気をつけてくださいね」

「父さん頑張ってね!」

「あぁ」


父さんを見送ったあと俺は母さんにいった


「母さん、俺魔法を使いたい!」


最近知ったのだかこの世界は魔物が居り、迷宮があり、魔法がある世界みたいなのだ。


「んー、そうね9歳になった事だし教えてあげるのもいいわね」

「ほんと!?やったぁ!」


と、まぁこんな感じで魔法を教えてもらうことになった。


「じゃあ、ジル魔法には属性があるのは知っているわね?」

「うん!」

「それなら、その属性はいくつある?」

「んー、火と水...土に風、それと、光と闇!」

「すごいわね!全部言えてるわよ!それじゃジルの属性を調べましょ!」

「うん!」


そして、属性を調べることになり、母がなにか呟き始めた


《彼の者の色を映さん。エレメンタルジャッチ!》


母が何ごとか呟くと俺の体が淡い赤と黄緑に輝いた。


「すごいわね、2属性なんて...」

「すごいの?」

「えぇ、普通の人は1つの属性しか持っていないの」

「へぇ、ねえ!使ってみたい!」

「そうね!じゃあまず、手を前に出して、我が手に火種を、て言ってみて」

「うん《我が手に火種を》」


そう言った瞬間手の上に小さな火が1つ生まれた。


「わわっ!すごい!」

「すごいでしょ?これが火の魔法」

「それじゃぁ風は!?」

「風はね、風よ我が手に纏えよ」

「分かった、《風よ我が手に纏え》」


すると、俺の手にまとわりつくように優しい風が現れた。


「なんか、くすぐったいな」

「ふふっ」


こうして俺は魔法を使えるようになった。

それから数ヶ月後俺は帝都に来ていた。


「母さん、なんで帝都に来たの?」

「あなたの入学手続きのためよ」

「え!?」

「あら、言ってなかったかしら?」

「聞いてないよ!?」


母曰く、この国では10歳になると【国立帝都学園】に入学できるようになる、今日はその入学試験の手続きにきている。



「へぇー」

「7ヶ月後に入学試験があるから頑張るのよ!」

「うん!」


そんなこんなで7ヶ月が経ち試験当日


『えぇ~、この場にいるものは今年度の入学希望者となっているな、ではさっそく試験会場へ移動しよう』



この場には約2000人の子供が集まっている。


「うわぁー!すごい人数だ!」

『ではさっそく魔法実技を始める!』


そして始まったのは魔法の実技試験だった。

ほとんどの子は手のひらに光玉や水球をうみだすだけで終わっていた、しかし10人ほど設置してある的に向けて攻撃に転換した魔法をぶつけていた。

そして、俺の番になった。


『次の者!』

『はい!受験番号253番ジオルです!』

「では始めろ!」

「《火種よ》《風よ》」


ゴォォォォォォ!


手のひらに現れた火種が勢いを増しその色を白へと変えた。


「《風よ運べ》」


ボウッ!


的まで飛んだ白い炎が一瞬で的をもやし尽くした。


『なっ!?』


今の魔法は火と風を組み合わせた魔法で火種の火力を高めてから風で包み的までの道を筒のようにして空気を抜き空気を流し込んで飛ばしたという魔法だ。


『今のは!?』

「風と火の合成です」

『だが、それだけでは!まぁいいか入学楽しみにしているよ』


そう言って次の試験者に声をかけに行った。

俺は次の筆記試験の会場に向かった。

筆記試験では帝国の歴史や簡単な算術などが問われた

現代高校生の俺には簡単なものばかりだったしかし、現代知識だけでは難しい問題もあったそれは、魔法の仕組みに関する問題だった、魔法が発動する時に現れる魔法陣が書いてあり一部がかけている。


【この魔法陣を完成させよ】


と書いてある、これは多分火の着火魔法だった、これならいつも使っている魔法でいいはず。


(こうで、こう!)


そうして試験は終わりを迎えた。


そして、結果発表の日になった、校門前にあるボードに番号があれば合格だ。


(どこだ、どこだ、あれ、ない?)


「おい、今年の首席は253だってよ」


そんな声がどこからが聞こえた。


(え?、253?あれ?それって・・・)


「俺だぁぁぁあ!」


ざゎ・・ざゎ・・・


(あ、)


「えっと、失礼しましたー!」


そうして俺は【国立帝都学園】に首席入学することになった。




入学式当日俺は、首席生徒のスピーチをするために壇上に上がった。


「え~、この度、この国立帝都学園に入学できたことを心よりお喜び申し上げます、我々生徒一同は友情を大切にし何事にも挫けず立ち向かっていくことをここに誓います!」


神歴1495年1月8日

後に賢者となるジオルの第1歩が踏み出された日であった。






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