第50話:助け合い
少し短めです
目を開けると金色の瞳に吸い込まれそうになる。
『おはようございますご主人様』
「おはようルイン…って朝?」
『はい、昨日はそのままぐっすり眠ってしまったみたいだったので…ヤトちゃんは途中でご主人様の右手に帰っていきましたよ』
「そっか…」
『疲れはとれましたか?』
「大丈夫、ルインは?」
『私も大丈夫です』
「昨日はあんま戦闘してないみたいだね」
『はい…ギルドに行ってから周辺の警戒をしてたのですが他の冒険者さんも多かったので…』
準備を整え自分とルインのステータスを確認。
セイラ・アズミ:LV56武術家【極者】
HP6350 TP3285
STR 540 攻撃力810+15+371
VIT 405 防御力608
DEX 520+2
AGI 455
INT 230
MND 365
CHR 325
称号『極者』戦闘中STR5%増、DEX10%増、与ダメージ15%増。
ルイン:LV42三操者【掃除屋】
HP1200 TP1145
STR 204+8 攻撃力316+(44・30・62)+(86・80・79)【毒付与・小】
VIT 107+5 防御力168+119 【火耐性・小】【水耐性・大】
DEX 199+2
AGI 158+41
INT 179+30
MND 71
CHR 112
称号『掃除屋』種族問わず戦闘中与ダメージ3%増。
「おっ、新しい称号…うーん結構レベル差が開いたな…」
『どうされました?』
「いや、何でもない。ゼンジさんのとこ行こうかー」
『おっけーです』
宿屋の中を少し回り誰も居ないのを確認した後ラゼバルトへ向かう。
『どこも酷いですね…』
『あぁ…』
中央まで行くの道程は石畳にヒビが入り建物も崩れかけた所が何ヵ所も。さすがに一晩じゃ復旧もままならない。
「兄ちゃん!無事だったか!」
「おっちゃん!」
木で出来た長テーブルに弁当を並べたいつもの店主。
「弁当売ってるんだな…」
「店は壊れちまったみてえだがよ、働いてる奴等も居るしな!ほら!持ってけ!」
弁当を4つ渡される。
「代金は要らねぇぞ!助け合い、だ!」
「ありがとう。頂くよ」
朝食もとっていないので中央の崩れた台座で早速いただく。
「いただきます」
『いただきます!』
「ピイィ!」
ヤトも喚び弁当を与える。少し足りないだろうが我慢して貰うしかない。食事を終えて職人街へ、店は無事な様子だ。
「おはようございますゼンジさん」
「いらっしゃいませ、おはようございますセイラさん、ルインさん」
会釈するルイン。
「店、無事で良かったですね」
「はい…大通りから外れてたのが幸いしたようで…本日は?」
「あぁ、実はゼンジさんに戦闘用の義足を頼めないかと思って…」
「戦闘用のですか…申し訳ないんですが私の腕ですと自信を持って作る事が出来ません」
「えっ…マジか…うーん、じゃあ他の職人も期待出来ないな…」
「どなたかお怪我を?」
「あー…レンゴが両足食われちゃって」
「り、両足を食べられたんですか!?無事なんでしょうか?」
「命に関わるとかじゃ無いから大丈夫ですよ」
「それは大丈夫なんでしょうか…でも…そうですね…少しお待ちを」
そう言い奥へと行き少しすると一枚の筒を持ってくる。
「私の師が西の都ルルブに居ます、気難しい性格で職人堅気な人物ですが腕は確かです。意味は無いと思いますが紹介状を書いています」
「おー!ありがとう!」
「お礼は結構です、実力の無い者には莫大な金額を要求、それが出来ないのなら満足させる素材を持って来いと言うような方ですから…」
「あーそう言う…」
「はい…紹介状もきっと破られると思います…」
申し訳無さそうにするゼンジだが情報だけでも有り難い。
「それに西の都では魔女は禁忌とされ差別と嘲笑、罰則の対象となります。ルインさんは魔女の血が色濃く表れた外見です…師の所へ行かれるのであればお引き留めはしませんが…」
「そっか…うん、ゼンジさんのお陰で方針も立てられたし感謝はするよ」
後は行動に移すだけだ。ラゼバルトを後にしギルドを目指す。
『ルルブへ行くのですか?』
『そこしか無いみたいだからね…ルイン、留守番出来る?』
『嫌です…ご主人様と離れるのは嫌です…』
立ち止まり俯くルイン。
『ですが私が行くときっとご迷惑をかけてしまいます…ですのでお待ちしております…』
ルインの頭を撫でる。
『迷惑なんて掛からないよ、ルインに嫌な思いをさせたくないからさ…』
『ありがとうございます、ご主人様はお優しいです…早く戻ってきて下さいね?』
『オッケー、秒で帰ってくるよ』
『何日間はかかると思いますよ?』
笑顔で親指を立てたが伝わらなかった様だ。
ギルドへ着きリリーナの下へ。冒険者は少なくギルド内は静かだ。
「おはようございますぅセイラさんルインさぁん」
「おはようリリーナ、フレアの所に案内してくれ」
「・・・かしこまりました、直ぐに」
リリーナに連れられ4階へ。ギルド長室の扉をリリーナがノックし返事が聞こえる。
「どうぞ」
「失礼します、セイラさんがお越しです」
「おはようございますセイラさん、どうされましたか?」
席を促され隣にルイン、対面にはフレア、リリーナは席を立ってフレアの隣に居る。
「街の復旧はどうにかなりそうか?」
「心配をされて下さっているのですか?正直…領主様も私財を投げ出して下さり青竜の素材も多く捌けているのですが半壊した街全体となると資金が足りません…」
「そうか…フレア、三階迄一緒に来て貰って良いか?」
「はい?え、えぇ、分かりました」
三階へ下りオークスの下へ。
「ん?どうした?フレアも一緒か、珍しいな」
「オークスさん、見て欲しい物があるんだけど」
作業台へとアイテム欄からワイバーンを出す。
「こ、コイツは…!」
「これは…」
目を見開くオークスとフレア。
「お、黄金竜!一匹だけでもとんでもない買い値が付くぞ!」
特殊条件下で出現する黄金色のモンスター。倒せば莫大な固定経験値を得て素材は武具には使えないが莫大な換金額になる金策の救世主。それを30体。
「オークスさん、これ全部売った金で街の復興金って足りる?」
「あ、あぁ余裕だろうな…」
そこで思わずニヤけてしまう。
「さぁフレア、交渉しようか?俺の条件は三つ、先ずは俺の冒険者等級をAに、次にレンゴのランクもAに、最後の条件は西の最強と闘わせろ。全部飲めば今目の前にあるモンスターをギルドに寄付してやる、どうする?」
「な、なにを…」
「本気か?」
「これ以上もこれ以下の条件も無い、返事はひとつだけだと思うぜ?時間も待たない、今決めろ」
「フレアさん、セイラさんの言う通りにするしか無いと思いますよぉ」
「これだけの魔物を倒してんだ…実力的にも問題ないだろう…レンゴは知らんが最近アイツも稼いでるみたいだからな…」
ナイス掩護だ。
「さぁ、どうする?」
「分かりました…その条件、飲ませていただきます…」
「良い返事だ、お互いに利益しか無い取引きだろ?最後の条件忘れんなよ…」
「私は飲むしか…分かりました…どうやってでも実現させます」
交渉成立。助け合い、おっちゃんの言葉を思い出す。
本日は3時頃にもう1話更新します。短い話ですが




