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サタンのダメ息子  作者: 糖来 入吐
愚かな人間共編
8/106

8話『チャラガキボクサー』後編

前の話で間違えて0時に投稿したから今日は6時に投稿します。

いつも通りの時間に

病室で卓は絶望した。

「何で、……何で! くそおおおおおおおおお!」

『うるせえええええ! 眠れんだろ! 糞ガキがああああああああ! 死にさらせえええええ!』

卓は大声で唸ると隣から絶叫するような怒りが聞こえてきた。

しかし、今の卓にとってはどうでもよかった。

自分はボクシングを小さいころから父親から教えられていた。

そして、ボクシングに興味を持ち小さいころにボクシング教室に通い、他の子よりも覚えが早く今まで負けなしであった。

大会でも優勝してもはや自分に勝てる者はいないと過信していた。

自分を見下す奴は力でねじ伏せて来た。

そして今度も力でねじ伏せてやろうと思った。

しかし、全く効いていない、そして、今度はあっさりと全部かわされるという屈辱を味わい、最後には女にぶっ飛ばされた。

怒りに任せ突っ込むと車に轢かれボクシングはもうできないと言われる。

ボロボロに崩れ去った自分のプライド、そして閉ざされた未来。

卓はもう生きる希望すら失っていた。

「俺はどうすればいいんだ……」

「隣のおっさんの言う通り、死んでみるのもてかもな」

声がする方を見ると窓からサターテが入っていた。

「てめえ、どの面下げて俺の前に現れた、悪魔め、そもそもお前のせ……」

「てめえの自業自得だろ、責任転嫁してんじゃねえよ、糞ガキ」

「っ! ふざけるな!」

『うるせえええええええ! って言ってんだろおおおお! 次、大声出したら、そっちに行ってぶっ殺してやる!』

「また大声出す、おっさんかわうぃそう」

「くっ!」

卓は悔しそうに涙を流す。

そして、サターテを再び睨む

「いいねえ、いい憤怒だ、なかなかに素晴らしい憤怒だな、しかし結局自分で招いた結果なのにまた責任転嫁する。バカだねえ、本当にしょうもねえ」

「クソが」

卓は小声で言うといきなりサターテを殴りつける。

「ぐっ!」

卓は激痛で顔を歪め、腕を抑える。

「また殴る、そして痛くなあああああい、全くしょうもねえ、そして痛がるバカだなあ」

サターテは煽るように卓をバカにする。

「くそ、バカにしやがって、コケにしやがって」

「デュフフフフフフ、ざまああねえなあああ」

悔しがり涙を流す卓を笑うサターテ

「ま、そこで提案なんだが、このままいけば貴様は未来に絶望、時が経てば、いや経たなくとも自殺のフラグは逃れられないかな? まあいい、自殺はしなくともどうせ自分の夢を実現できない悔しさともどかしさで何の意味も持てない残念な未来が待ってるだろうな、多分お前の取り巻きもボクシングのないお前に興味を示さなくなるだろうな、お見舞いにすら来ないんだから、なので俺の要求をすべてのめばお前のその怪我を全て治そうそうすればボクシングも出来るし入院も今日と明日、もしくは3日で済むぜ」

それを聞いて卓は

「ふざけるなよ、そんな都合のいいことあるわけねえだろ、もうからかうのはやめてくれ俺が悪かったから、もう構わないでくれ」

「まあ、俺を見てみそ」

そう聞いて卓は涙を流しながらサターテを見た。

するとサターテには不気味な羽と角が生えていた。

まるで悪魔のような姿で立っていた。

「……お……お前は、何者なんだよ」

「悪魔、サタンの息子、サターテだ」

それを聞いて卓は

「バカな、悪魔なんているわけが……っ! まさか、俺の拳でビクともしなかったのって」

「流石は俺を殴ったやつ、さすがに気付くかそりゃあ貧弱な人間が殴っても痛くないと思う人間もいるが、お前みたいなやつに殴られて顔色変えずいられる奴なんてさすがにいないだろうよ」

そう聞いて、卓は唖然としていた。

そして、顔を真っ青にする。

自分の目の前に人を誘惑し、堕落させる悪魔が立っているのだから。

「まさか、俺のこれもお前が狙って?」

「まさか、お前がちょっかい掛けるからだろ、また責任転嫁、引くわ~」

サターテは見下ろしながら言った。

「さ~て、俺の要求はまず魂の契約をすること、そして俺のフュギアに土下座をして謝罪をすること、最後に障害俺が悪魔であることを誰にも言わないこと一つでも破るとお前の願いは破棄とみなす、俺が悪魔であることを言ったらまたお前の腕が壊れてボクシングは出来ない、フュギアに土下座しないと契約をしても腕を治さないし、あ、でも魂は取られるよ、破棄したのはそっちになるからねこっちの要求は一つ叶ったことになるだけだから、結構あくどいだろ、悪魔って皆ほぼ詐欺だって言うぐらいにさ」

卓は青ざめながら言った。

「フュギアに土下座しないといけないのか」

「そうだ、てか魂はいいのかよ」

「もうこれは俺が悪いことは分かった。後は自分のプライドを今だけでも捨てないと……」

「そうか、じゃあまずは名前書いて、……てか本当に魂の契約書かな? もう一度確認っと……よし、大丈夫だ書いて」

そう言ってサターテは契約書を卓に差し出した。

卓は震えながら契約書を手に取りそして、

「クソが!」

泣きながら名前を書いた。

すると手の甲に黒い紋章が現れた。

「なんだ、これは」

「大丈夫、契約者としか見えないから、普通の人間には見えないからバレないバレない」

とサターテは言った。

そして契約書を受け取り

「よし、これで良しっと……さ、謝って土下座で」

そういうとサターテはフュギアの箱を出した。

そして、卓は覚悟を決め膝をついた

「も……申し訳ございませんでした」

と土下座して謝った。

カシャカシャ

サターテはスマホで撮影をした。

「うむ、いいだろう後は貴様が俺のことを生涯秘密にしておくことが出来るかだから気を付けてね、それじゃあババアイ」

そう言ってサターテは窓から去って行った。

「本当に治るんだろうな」

卓は不安を抱えながらもその日は眠りについた。

次の日

卓の母親と父親が朝一番に病室に訪れた。

「卓、大丈夫か!」

「卓君、平気?」

「母さん」

そこへ先生と看護士が入ってきた。

「それでは診察を開始します、未来を奪われたみじめな少年君」

先生は笑顔でそう言った。

そして、数分後

「あれ、おかしいな? 怪我が全部治ってる、昨日はあんなに酷かったのに、どうしてだこれなら普通にボクシングも出来そうですね」

母親と父親はびっくりしながらも嬉しそうに

「本当ですか? 本当なんですよね!」

「嘘ではないんですよね? 先生!」

と尋ねた。

「うん、嘘だよ~ん、って言いたいところですけど本当です。奇跡ですね」

先生の最初の言葉で顔を歪めたが母親と父親と卓は歓喜した。

「これで……これでボクシングができる、良かった、良かったよおおおおおおお!」

卓はすごく喜んだ。

母親と父親はひたすら泣いている。

「いやあ、これがもうちょっと早かったらこの子供を隔離して、モルモットにしてたんですけどね、残念」

「そうですね、先生」

「「ははははははははははははは」」

先生と看護婦さんが笑う。

母親と父親と卓は

(((やべえな、この病院、次は別のとこにしよ)))

と思った。

そして、マアリの家でサターテとマアリとディビーは朝食を取っていた。

そして、テレビで

『きのう午後二時ごろ少年を轢いた車の運転手が逮捕されました。男はムラムラしていたらやってしまった。反省はしていないし、後悔もしていない、釈放され次第まあ勤しむと容疑を認めている模様です。男には懲役5年が言い渡されています。』

というニュースがやっていた。

マアリは、

「世の中物騒ね~」

と言った。

サターテとディビーは

「「そうですね」」

と言ってご飯に目玉焼きを二人は載せて食べた。


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