7話『チャラガキボクサー』前篇
サタンのダメ息子今日から2章です
一人の高校生が二人の女子高生と一緒に歩いていた。
「いやあ、マジ俺最強、怖いもんなしだわ」
「「マジ、卓君かっこいい~」」
他愛無い話をしている高校生
すると
サターテは近くのアニメショップから出てきた。
「デュフフ、やはりフュギアは自分の金で買わんとな! わが心の嫁よ、ようやく一緒になれたな!」
サターテは2日前にマアリの幼稚園で子どもの相手をしてお小遣いをもらった。
特に幼女を相手にした。
男の子も見るように言われたが、基本的に重点的に幼女の相手をした。
そのため、マアリの幼稚園の男の子から、女贔屓野郎と勝手なあだ名をつけられた。
しかし、サターテは気にせず特に幼女の面倒を見た。
そして、それが終わりマアリからお礼にお小遣いをもらえた。2万円ほどそれを使い天使少女メイドのコッコツちゃんの七分の一スケールフュギアを手に入れた。
「いやあ~君はなんで鶏の着ぐるみ来てるのか全く分からないが、これは考えるのではなく感じるのだな、全く素晴らしい!」
そんなことを言っているのをみて学生たちは
「プッ! ハハハハハハハ! 何言ってんだあいつ人形に向かって嫁だとかようやく一緒になれたとか! スゲエーきめえんだけど!」
「本当! キモイわあ~一人で何言ってんのバカみたあ~い」
「「「ははははははははは」」」
大きい声で学生たちは笑う。
それを聞いていたサターテは学生たちを見て
「……フッ」
学生たちを見下すように鼻で笑った。
それを見ていた卓が
「おい、てめえ今俺らを見下したな! このクソオタクが! てめえ俺にぶっ飛ばされたいのか、これでも俺はボクシングをやってんだぞ、お前なんかすぐさま血まみれに出来るぞ」
と言ってサターテの胸ぐらを掴み脅した。
「……フッ」
サターテは再び見下すように鼻で笑った。
「っ! てめえ、見下してんじゃねえぞ!」
と言って卓はサターテの顔面を殴った。
鈍い音がした。
「ば~か、卓君を怒らせるからそうなんだよ」
女子高生が笑いながら言う。
しかし、
「なんだ、痛くないぞこの野郎、てめえのボクシングはこんなパンチを教えてるのか、全く何がしたいんだか、超受けるんですけど、何発でも耐えれちゃうんじゃないかな~ププッ」
サターテは卓を煽るように憎たらしく笑う。
「ッ! 糞が!」
今度は胸ぐらを離し脇を閉めて思いっきり顔面を殴った。
「あれ~おかしいな~、本気っぽかったのになんでかな~、まるでくすぐったかったきがするのだ~ほらほら見てみてコッコツたん、こいつださ~い」
サターテはレジ袋から箱を取り出し見つめる。
「さあ、そろそろ帰ろうか、君をこのまま外で待機させるのはダメだ僕の可愛い嫁よ!」
「貴様、ふざけるな!」
そういうと卓はサターテの持っていた箱を叩き飛ばした。
「あ!」
そのまま道路に飛んで行った。
するとそこにトラックが走ってきた。
「危なあああああああああああああああい!」
サターテはフュギアを守るため道路に飛び出した。
キキーーーーーーーーー!
そしてトラックは止まった。
「おい! 大丈夫か!」
運転手は止まると同時にすぐさま出てきた。
「……俺は悪くねえぞ、あいつがあんなもんのために行くって誰が思う」
卓は震えながら言う。
すると
「大丈夫か? 怖かったね、もう大丈夫だよ」
車の陰からサターテの声がした。
見るとサターテはフュギアの箱を無傷でキャッチしていた。
「おい、いきなり出て……」
運転手がそう言おうとすると
「怖い思いをさせてしまったね、ごめんね、もう離さないから」
サターテはフュギアの箱を恋人を抱きしめるように優しく抱きしめた。
「……」
運転手は残念な物を見るような目でサターテを見た後何も見なかったようにトラックでその場を去って行ってしまった。
「さて」
そしてサターテは睨みながら卓の近くまで行った。
「お前、自分が何をしたのか分かっているのか! 危うく俺の嫁が死ぬところだったんだぞ! やっていいこととやってはいけないことぐらい分からないのか、糞野郎が! 俺の嫁に土下座して謝れ!」
「なっなんだよ、お前ふざけやがって! この糞野郎!」
卓は悔しそうに怒りながら再び殴った。
しかし、サターテは普通にかわした。
「遅い、本当に腹立たしい」
「……ッ! ああああああああああああああああああああああ!」
卓は絶叫しながら殴り続けたが、サターテは何食わぬ顔で避け続けた。
そして、サターテが横に移動するように避けた瞬間
ドゴッ!
拳がディビーの頬に思いっきり当たった。
「……すみま」
「フンッ」
ドゴオオオ!
「ガッ」
卓はそのまま殴り飛ばされた。
そして、
「……どいつもこいつも俺を舐めやがって、ふざけんじゃねえええええええええ!」
と絶叫した。
そしてディビーに殴り掛かろうとしたとき、
ププーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
怒りに任せ走った先は道路だと気づかずそのまま乗用車に轢かれた。
そしてそれを見たディビーはカバンから携帯を取り出し、
「もしもし、高校生が車に轢かれました。救急車一台お願いします」
と冷静に対処した。
そして病院で医者は
「一命は取り留めました。あ、後彼はもうボクシング出来ませんので」
と言った。
「先生! どういうことですか! お願いです! どうにかしてください!」
卓の母親は先生に食い下がった。
「え、無理ですので諦めてください」
と言われた。
母親は崩れ去った。
そして、母親は診察室から出てきた。
そして、ディビーとサターテに向かって言った。
「あんたたちのせいよ、あんたたちのせいであの子は未来を奪われたのよ」
と睨みながら言った。
するとサターテとディビーは
「「え、殴られたんですけど、なのでお子さんの自業自得では? それに轢いたのは私たちではないんで轢いた人に言ってください」」
「あんたたちが逃げるのを止めれなかったんでしょ! ふざけないで!」
「「えー」」
母親は睨みながら
「あなたたちを訴えさせてもらいますからね! 覚悟してください!」
と言って息子の病室へ向かった。
「で、どうする裁判ってどうしたら勝てるの?」
とサターテはディビーに聞いた。
「大丈夫、うちの組織が揉み消すから気にしなくていいよ」
とディビーは答えた。
「職権乱用ですか、そうですか」
とサターテは言った。
その時サターテはあることを閃いた。
「ククククッ、そういやまだ俺の嫁の謝罪がまだだし、ある意味久しぶりだからちょうどいいや、デュフフフ」
と言いながら悪い笑みを浮かべた。
「……はあ、まあ今回はあの学生が悪いし、ある意味ちょうどいい犠牲と思えばあの学生も自分の力を過信したことも反省するでしょうね、まあ今回は見逃してもいいか」
とディビーは言った。
そしてその夜サターテは面会時間が終了して卓の病室へ向かった。
文字数が少ないが気にしない by糖来 入吐