6話『魂と会話』
サターテは寝ていると白い世界にいた。
「なんだ、ここはいつものアニメヒロインたちはどうした、あの子たちと一緒にいたいんだけど、夢の中くらいは」
サターテは文句を垂れていると
「すまない、君を呼び出したのは僕だよ」
男の声がしてサターテは後ろを振り返った。
「君に話が……うぐっ」
言い終わる前にサターテにチョップされて頭から地面にぶつかった。
「てめえか、俺の夢からヒロインを消したのは、さっさと俺をヒロインたちと会わせろ!」
「うぐ……いや話を聞いてくれるとうれしいんだけど」
「どうでもいいから、元に戻せ! ……てかお前よく見たらあの時俺に殺された男か、確か名前はアオスだっけ? てか何の用さっさとしてくれる」
そして痛そうにしながらアオスは立ち上がった。
「すまない、今回のことと昨日のことで謝りたくてね」
「謝るぐらいならするなよ、あんなこと」
アオスは申し訳なさそうな顔で
「そうだな、僕はどうしようもないな」
と悲しそうに言った。
「本当に申し訳ない、許されるとは思わな……」
「え、別にいいよ殺されてないし」
「はは、そういってもらえるとありがたい、出来たら話を最後まで聞いて欲しいんだけど」
サターテは面倒臭そうに
「なんだよ、早くしろ、そして俺にヒロインとの時間を与えろ」
「……わかった、実は折り入ってお願いがあるんだ」
「じゃあ、魂の契約をしたら叶えてやる、さ、ここにサインして」
「いや、話を最後まで聞いてほしいんだけど」
するとサターテは
「大丈夫、話を聞いてから契約するから」
「はあ」
「疲れんなよ、まあ俺も色々悪かったよ、反省はしてないが」
アオスは呆れた顔をしたが、話を続けた。
「ディビーとお姉さんのマアリさんを守ってあげて欲しいんだ」
「ディビーを守るのは受けてないが、マアリを守るのはもうディビーにお願いされたよ、まあディビーを守るのもマアリとの恋愛フラグのためだと思うと守らなきゃだから別にいいぜ、ディビーの分も契約しとこうかな」
「契約? まさか、たま……」
「お前もいちいちそこで反応するなよ、大丈夫魂の契約の書類じゃねえよ! 何なら読んどけ、ボケ!」
そういってサターテは契約書を怒りながら渡した。
「すっすまない、確かに大丈夫そうだな、でも軽い代償ってなんだ?」
疑問に思いアオスはサターテに聞いた。
「マアリの場合は居候の許可だ、ディビーの場合は……まあたまに食事おごってもらうことでいいや、まあ悪魔への給料みたいなものだ」
「なるほど、確かに軽い代償だな」
「だろ~、魂に比べたらだいぶましだぜ! まあ魂の契約は死んだあと俺の部下として働くだけだけどな、デュフフフ」
そう言いながらサターテは不気味な笑顔を見せた。
「はは、それじゃあ君の夢を邪魔して悪かったね、僕はこのまま天国に向かうよ」
「え、俺殺そうとしたのに天国いけるの? 悪魔あんなに殺していたのに? 生意気だぞ!」
サターテは疑問に思った。
「神様曰く、人間界に出た悪魔を殺すことに関しては罪にはならないそうだ」
「何だよそれ! おかしいだろ! 差別だ! 悪魔差別だよそれ、ふざけんじゃねえぞ! このクソ神が! どうしよう、ぶっ殺してやりたい!」
サターテはその場で駄々をこねるように癇癪を起した。
「……」
それを見てアオスは引いていた。
「まあ、落ち着けよ」
「わかった」
サターテは何もなかったように立ち上がり了承した。
「では行くね、さようなら大魔王の息子さん」
「はあ、これでやっと……」
のところでサターテは目を覚ました。
するとそこにはディビーがサターテの上にいた。
「お兄ちゃん起きて、学校遅刻しちゃうよ! もう仕方ないんだから、うー……」
と言ってキスをするポーズを取った。
「おい、クソビッチ、てめえがギャルゲーやエロゲーの有名台詞を言ってんじゃねえ、セリフが穢れる」
それを聞いたディビーは
「なんだと、こんな美少女にこんなことされてそんなこと言うか! バーカ、バーカ、君はこんな美少女にこんな萌える展開で何が不満なんだね、このこの!」
そういってディビーはからかうようにサターテのホッペをツネった。
「それより、お前の彼氏からなんかお前を守るようにと夢で言われたんだが、お前も俺と契約するか?」
「!!……そう、アオスから、別にしなくていいよ自分の身は自分で守れるし、……バカ」
ディビーは少し涙目になった。
そしてディビーはすぐに目を隠し扉の前へ行った。
「朝食! 出来たってお姉ちゃん言ってたから早く食べよう」
そう言ってディビーは部屋を出た。
「はあ……ってあ、ヒロインとの夢が見れなかった」