第弐拾参話 復興2
"ガザンツ帝国復興"
これはマグサ王国を中心に各国へと伝えられた。
元ガザンツ帝国貴族のガザエル家、ポーラー家、ライオット家が自信の領地を併せてガザンツ帝国として独立した。
更に皇帝にガザンツ帝国の末裔のミラル・ド・ヘル・ガザンツが即位した。
そのため形ではガザンツ帝国は筋が通った国となった。
「マグサ王国は憤っているだろうが攻める余裕はないだろう」
新生ガザンツ帝国帝都のコールスタンテノーフル(旧ベネチア)にある城の広間でガザンツ帝国摂政となったエゲルト・ガザエルはそう言った。
現在コールスタンテノーフル城では今後の方針を決める会議が行われていた。
「予定していた徴兵も帝国復興により頓挫したそうだ」
マグサ王国は北から侵略してくるカウスマン帝国を追い返すため南から徴兵しようとしていた。しかし、ガザンツ帝国復興によって南側も敵国となったためそちらの守備に兵が取られているのだ。
「メルクス朝サクテルミーニはフソウ皇国が抑えてくれているが少数程度侵攻してきた」
メルクス朝サクテルミーニは建国前から互いに争ってきた中のためガザンツ帝国復興を認めないと言っているが現在フソウ皇国に攻められているため領地を接している貴族の私兵が攻めてきた程度だ。勿論それらは軍統括官となったベル・ライオットによって撃退されている。
「ネバタ・ポーラー。食料の方はどうだ?」
新生ガザンツ帝国食料統括官となったネバタ・ポーラーにエゲルトは聞いた。
「食料の心配はありませんよ。今年は帝国復興を祝うかのように豊作でしたから」
ネバタの言うとおり今年は前例がないほどの大豊作で六公四民のはずが四公六民となるほどまでにとれていた。
「それなら補給の心配はないな。軍の方はどうだ?」
「問題ない。ゲルニア公国、バックス国、そしてガザエル領の兵士500。それにあわせて各地から人が来ている。まだ役にはたたないが総勢一万はいる」
「あわせて一万5000か。このくらいいればなんとかなりそうだな」
エゲルトは満足そうに呟く。因みにまだ建国してから数日もたっていないためこの会議に参加しているのは皇帝になったミラルを含めても数人しかいない。
「カウスマン帝国の動きはどうだ?」
エゲルトの問いに情報統括官のサクラ・ポーラーが立った。因みにサクラ・ポーラーはネバタの妹である。
「カウスマン帝国はガザンツ帝国復興してから進軍を開始しました。一部の兵をスクラ領に残してほぼ全軍で王都へ進軍を開始しました。現在は王都周辺まで迫っています」
「そうなると王都はカウスマン帝国の物になるのは確実だな。それなら我らは南方領土を奪うとするか」
「私からもよろしいですかな?」
そこへ手をあげるものがいた。外交統括官のマルハ・フッケバインである。
「ガザンツ帝国復興とカウスマン帝国の進行のせいなのか南方に領土を持つ貴族から降伏の使者が来ております」
そう言ってマルハは複数の密書を取り出してエゲルトに渡した。
エゲルトはそれを受け取りその場で中身を確認する。
「"我々は貴国に降伏する。もし王都を攻めるときは喜んで兵を出そう"か。どれもこれも中身は同じだな」
「本気で我らが王都を攻めると思っているのでしょう」
この時点で降伏した貴族の評価は極限まで低くなった。
現状の把握もできておらず少し降りになった途端裏切る忠義の無さ。エゲルトは重用する気にはなれなかった。
「とにかく降伏するのなら受け入れるがこいつらの領地は取り上げる。反乱する場合は容赦しない。直ぐに一部の兵をこいつらの領地に差し向けろ」
「了解しました」
その後も会議は続きガザンツ帝国の今後の方針が固まるのであった。




