第一話 虫
…。
…。
…デカい。
確かにドラゴンになったからモンスターとかいるんだろうな~、とは思っていたけど虫ですか。
おかしいな?ここは石炭紀なのか?ここは異世界ではなかったのか?
ありえないっしょ、ドラゴンと同等の虫って。
…いや、もしかすると俺が単純に小さいだけなのかもしれない。この虫はいたってふt
うお!?こいつ攻撃してきやがった!?
虫はカマキリみたいな腕で俺を切り裂こうと攻撃するも慌てて避けたおかげでかすることもしなかった。
俺は改めて虫を見る。大きさは俺と同じくらい。形はカマキリの腕を備えたバッタのようである。色は普通に緑。傷を負っているのか腹の部分から青い液体が少し垂れていた。
恐らく傷を負ったところに俺がいて獲物に見えたのだろう。
失礼な。俺は食ってもまずいぞ。
というか鑑定スキル使うよりも目で見た情報の方が多いな。まあ鑑定スキルは【虫】だからな。
そう思いまた鑑定スキルを使ってみた。
【ブレスポッパー】
…。
…。
…ん?
見間違いかな?
【ブレスポッパー】
…。
【ブレスポッパー】
…。
【ブレスポッパー】
…見間違い、じゃない?
え?何で?確かにレベルは一つ上がったけどさ。ブレスポッパーってあいつの名前だよね?
2になると名前がちゃんとなるのかな?
まぁ、そんなことよりも先ずは目の前の事への対処だな。
こいつの名前通りならド○○エでよくあるあのブレスだろう。後はどんなものを吐くかだな。
そんなことを考えていたら虫改めブレスポッパーは距離を積めてきた。
こいつはそこまでは早くはないらしく、今の俺でもギリギリかわせるスピードで迫ってきた。
…相手がどのくらい強いのか分からないがここで逃げても撒けるかどうか。なら迎撃しかない。
それに魔法を使ってみたかったしな。
俺は魔法欄にあった【ベビーブレス】を使うイメージをする。どうやら覚えている魔法は初見でも本能で分かるみたいだ。
俺の口からバスケットボールくらいの(俺から見て)炎の球が現れて真っ直ぐ俺に突っ込んでくるブレスポッパーに向かっていった。
ブレスポッパーは俺がブレスを吐くのが分からなかったのか避けることをせずに顔に思いっきり食らった。
「ギィ、ギギャァァァっ!?」
ブレスポッパーは耳障りな声を出して前に倒れた。ベビーブレスが当たった顔は燃えており酷い悪臭を産み出していた。
【ブレスポッパーを倒しました】
【経験値が12入りました】
【デウス・エクス・マキナの加護により経験値が12入りました】
【千年龍王の加護によりステータスが1上がりました】
【レベルが1から4にレベルアップしました】
まさかのここでデウスさんですか!?
いや、確かに経験値が倍増えるのは嬉しいけどまさかそっちとは。と言うより千年龍王って経験値入る度にステータスを上げてくれるのかな?それなんてチート…。
レベルが上がらなくても上がるステータス。経験値を倍に増やしてくれるデウス・エクス・マキナの加護…。
俺はこの時自分のチートをひしひしと感じるのであった。
今回の成果
虫に襲われた。
レベルが上がった。
この体チートだった。
虫を焼くのは危険。