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短編

オレがエヴァンゲリオンをクソだと思う理由

眠れない。なぜかというと、給料日前でどこにも遊びに行けずエネルギーを持て余していてカフェイン錠をワンシート飲み明日は六時起きだというのに今は深夜一時にこんな文を書いている。酒はさっき一口だけ残っていたので啜るようにして飲むがまったく酔えたもんじゃない。ラム酒をオレンジジュースに一口混ぜるととんでもなくうまいカクテルが出来る。ずっとラムコークで飲んでいたのだけどもコーラではなくたまにはOJを混ぜてみようと思い立ちマイヤーズのラムを一口オレンジジュースに混ぜるとまったく新しい味覚の飲み物が出来て感動した。それで今はずっとラムを買い置きしているがラムはワンパイントで700円もするのですぐになくなり、給料日前ではおいそれと買いに行くわけにもいかない。腹が減っているが食い物はチキンラーメンしかない。チキンラーメンは性欲と食欲を同時に満たせる、というか沈静する事ができる唯一の食べ物だ。どうしようもなくムラムラし腹も減っていてくそ風俗にでも行ってくそ牛丼でも食いに都市部に出ようかと思っている時にチキンラーメンに卵を一つ落として食うと全ての感情が治まり酒でも飲んで寝るかという気分になる。そして洗面所に同居人の眼鏡が置いてあったのでかけて鏡を見るととんでもないブサイクが居て驚いた。何かをしたいがこの時間にギターを弾くと近所から苦情がくる。じゃあ何かオナニー代わりの文でも書くかと思い立つものの書きたい事も書きたいネタもないし酔ってもいない。そういうわけで今日はエヴァンゲリオンがクソだと感じる理由をここに書いて無理くり眠ることにする。


そもそも知らない奴のためにどういうアニメか説明する。基本的にネガティヴ思考の中学生が母親の魂が宿った宇宙人の模倣体に乗り人類の進化の別の可能性だった奴らを殺していく。何故殺すかというと、人類の別の可能性だった奴が残された宇宙人の死体に触れると大爆発が起きると信じられていて、それを阻止するためだ。いや、何で爆発するんだよ、という事については、前日譚でそれを模した実験が行われた際南極で地球規模の爆発が起き、氷が溶け出し人類の半分ぐらいが死んだかどうかしたからだ。で、それを阻止するために主人公は戦ってる。最後はその主人公が属する秘密組織を仕切っている主人公の父親が実は黒幕側に属していて、宇宙人(もしかすると進化の可能性の方だったかも)の化石と宇宙人の屍骸とを触れ合わせる。えっ、大爆発起きるんじゃないの? という話なんだけども、なんだかよくわからないが戦いを乗り越えた主人公の気持ちやらなんやらを踏まえてならば起きないらしい。黒幕の目的は人類の進化の最終形態、個というものがなくなり液体になり意識や肉体魂記憶だかその他諸々が一緒の羊水ジュースのようになり不老不死を手に入れる事。しかし取り込まれた主人公が「いや、それってクソだし他人の記憶でも見たくないものは見たくないでしょ」という思いに主人公が乗っていたロボとおかんの魂が共鳴し、主人公と、主人公とは絶対一緒になりたくないと思っていたヒロインのみが羊水ジュースの海に浮かんだ孤島に人として戻ってくる、という話である。(すげえネタバレだな。まあ大体あってると思う。わけわからんしご都合すぎない? と思うが元々こんな話だ。)ちなみに登場人物の名前はは村上龍先生著、愛と幻想のファシズムから取られているものが多い……なので、イシハラやキクやハシは出ない。


何故気に入らないか? 


実は実際に見ると結構面白い。序盤は特に。中盤あたりから路線転換してきて、一気に救いのない黒い方に落ち込んでくる。(あ、これゼータガンダムだ。)またストーリー設定その他諸々オマージュという名のパクリに満ちているが、まあうまく組み合わさっていてそれも面白い。何よりもロボットがとてつもなくカッコいいし、それがゴリゴリ動くのでおおっ、これはとアニメに興味がない奴でもなりに面白がれる。え、じゃあ何がしょうもないの? と言われれば、作り手がしょうもないのである。


よく批判されるのが多彩に見えて画一的なキャラクター、という点がある。この点は、まあ、良しとする。自己愛的かつ自罰的なオナニーキャラクターセックス人形という所はまだ、許そう。とことん暗いものを作ってみようという新しい試みとしてはかなり面白いし。


まず、中盤から明らかに方向転換してくる事。よくネット上で言われたのは、ヒロイン役の声優に監督がフラれたから……らしい。(実際は知らないけどね。更にはこの声優はAV出演疑惑がありそれで尚精神的にボロボロになったとか、そんな話もある。旧劇場版ではえっ、いいの? ってレベルにこのヒロインはボロボロの目にあう。)わかったよ、それでも、あそこで終わっていたら、まだ面白かった。濃いファンが着いたこともありその予想を上回ろうとバキ並の強引な方向転換でクソほど尻すぼみなストーリーになったが、とことんまでトラジティな話としてみればそれほど悪くはない。


問題は話が完結した後である。映画版のラストシーンの方では試写会に来た"おたく"たちを映す、また実写の声優(前述の人とは別の人)をわざわざ汚部屋に置き、現実ってこんなもんなんだよ、濃いクソおたく共は早く現実に帰りなさい、エヴァはもう終わったんだよ、という終わり方をする。(いや、この時点で大分どうかしてると思うけども。もう少しエスプリの効いたやり方とか、優しいというか、最低限作ってしまった事に対する責任の取り方はあるだろう。)わかった、三百歩譲りここまでは良しとしよう。


この後このアニメを作った会社は何度か倒産の危機に瀕する。そのたび、例えば新しい設定を語るといってカスにもならないような設定を一つ二つ入れたクソみたいなゲームを出したり、またキャラクター達が脱ぐ脱衣麻雀を出したり、またパチンコに版権を売り飛ばしたりする。


そしてパチンコは大ヒットした。オレの母親から暴走モードという言葉を聞いた瞬間オレはうわあここまで自由はなくなったのかと卒倒しそうになった記憶がある。


"社会現象"と呼ばれたと言われているが、正直な話転換点はここだったと思う。放映当時は別にそんなでもなく、サブカル好きなら、というレベルだったのではないかな。オレはギリギリ世代でないので、知らないけど。


そして、今。パチンコはどんどん出続け、USJでコラボレーションアトラクションを出し、そしてそういうものを子供が喜んで買い、更には新約と題したまた新しい映画を作り、しかもそれがまたやる気のない情けない内容なのであり、淫乱淫蕩の限りを尽くしている。


そうしてそういうものを作った人間が芸術家面、クリエイター面をしている。よくそれを見もしないばか共はなんとなく深くて、カッコいいからいいじゃん、とそれを受け入れている。(あ、なんとか春樹みたいだな。)


エヴァンゲリオンがクソ、というのは違うかもしれない。エヴァンゲリオン、というコンテンツがクソだ。ゴミだ。豚だ。


旧映画版は大分に、酷い。出来はそこまで悪くない。(良くもないけど)前述したとおり尻すぼみだし、悪意から生まれたような作品だけど、良く動くし、まあこういう終わり方もありっちゃありかな、とは思える。(おたく帰れのとこ以外ね。)主人公がオナニーをして意識不明のヒロインのおっぱいにぶっかけるシーンがある。人がグロテスクにバンバン死ぬ。ヒロインの戦闘シーンで性的暴行を思わせるような演出がある。


つまり、子供に売りつける娯楽では決してないし、一般大衆に受け入れられるべき娯楽でもないし、国をあげて売れるものでも絶対にない。


ガンダムの監督はこういうものが受け入れられる世間というのは大分病んでるし危険なんだなぁ、と思いました。と発言していたが、病んでいるのでも危険なのでもなくただただ無知で物事をわかっていなくて大当たり確率と主題歌のサビにしか興味がないのだと思う。(歌や楽曲はどれも良い。)


個人的にはなるが、村上龍、から影響を受けているのにおかんの魂だとかそういうアミニズム的な所に落ち込むのもまったく理解できない。


ここまで書いて思ったんだけどここまで書けるって事はオレ、結構エヴァンゲリオン好きなのかもしれないなぁ。多分、それそのものは好きなんだろう。


それじゃあ、もう書くこともないので最後に好きな所をあげると、ロボットのカッコよさとヒロインの一人である。何となくオレと生い立ちが似ているからだと思う。もう居ない母親に褒めてもらうため戦い道化のように負けるシーンで、悲しくなった。オレは別にロボットに乗ってないし、ヘラヘラ笑って適当に死ぬまで生きていく方を選んだけどね……


こういう、浅く広い傷をばら撒き、投網のように強引に共感をかき集めるのがのがエヴァのやり方だ。人は結局自分の自意識(アートマン)を特別なものだと思いたがっていて、自分が可哀想で特別だと思っている。多分進化の過程で遺伝子に刻まれた事なのだと思う。だからそういう物語を見るとああオレは可哀想なんだこのままでいいんだだって可哀想で特別なんだからと安心する。(しかしその特別を証明する結果が根本はほとんど同じのキャラクター達というのはなんとも、皮肉。)


そういうわけで、オレは転職を希望し、履歴書をひっつかみ、好みの異性のタイプの欄にソウリュウアスカラングレー、と書いて、寝ます。おやすみなさい。


http://dargol.blog3.fc2.com/blog-entry-4706.html


出来ちゃったエヴァを叱るつもりはありません。庵野君も叱りません。ガイナックスも叱りません。だけど、生き物として、明日も生きたいという欲があって、エヴァを食い物にしている業態についている人達は許せない。けど、彼らは何も言わない。この小利口さが嫌なんだよね。 富野由悠季

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― 新着の感想 ―
[良い点] エヴァンゲリオン懐かしいですね。 [一言] 段落の最初の文字を下げるともっと読みやすくなると思います。
2018/11/01 22:24 退会済み
管理
[一言]  確かに旧劇はやばかった。今回はちゃんとラスト作りましたと言う触れ込みで見に行ったのに完結しないと言う始末でした。 今作って居る劇場版が納得が行く形で終わる事を祈ります。  よろしければ、…
[一言] エヴァは最初のテレビシリーズは面白かったけど最後が手抜き過ぎてイマイチ 映画は見たけどこれも何がしたいんだかわからなくて面白く無かった 新劇場版の1作目は旧テレビシリーズのダイジェストっぽく…
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