歓迎会
今回の話から新キャラが登場しますがその中に1人ある人からキャラを借りました
無月さんがお書きになっている魏国 再臨の中から牛金を借りました。ありがとうございます
口調なとが違っていても気にしないで貰えると幸いです
「夕食は朝の食堂ではなく別の場所で食べますのでついてきてください」
そう言われてついていく、頭の中ではさっきの鮑信さんの表情が離れずそれだけで頭がいっぱいだった
「曹純殿、曹純殿」
トン、鮑信さんが止まっていたのに気がつかず当たってしまった
「大丈夫ですか?先ほどからずっと何か考え込んでいるようですが」
「大丈夫です、当たってすみません」
「いえ、何かあったのなら言ってくださいね」
「いや、何にもなかったです」
「では歩くときは周りに注意してくださいね」
鮑信さんはクスッと笑い歩きだす
頭をふって無理やり思考を中断してそれについていく
少し歩いていると見覚えのある風景を見る
「ここって…」
「はい、曹純殿と唯が昨日侵入してきた庭ですよ」
やっぱりあってた、それにしてもやっぱりこの庭は綺麗だな
あの光っている建物へ行く、中を見ると食べ物とお酒が並んでいた
「今日はここで曹純殿の歓迎会をします」
「歓迎会!ありがとうございます。他にも人が来るんですか?」
「はい、唯とここの将2人が来ます」
まだぜんぜん知らない俺なんかの為に歓迎会なんてやってくれるなんて物凄く嬉しいや
「そう言えばこの建物って鮑信さんが設計したんですよね?」
「そうですよ」
「凄いですね、ガラスを使って月の光で光るようにしたなんて」
「いえ、私よりもこの庭を設計した唯の方が凄いですよ」
「確かにこの庭を設計した曹仁も凄いよな。あ、この建物に名前ってあるんですか?」
「ありますよ、月憐堂と言います」
「月憐堂…」
「因みに庭にも名前がついており、星海庭と言います」
「どんな意味でつけたんですか?」
「月憐堂は月が憐れんで光をくれたと言う意味で、星海庭は星の海を表現していて岩の配置とかは星座を型どったりしてるんですよ」
「へ~、なかなか奥が深いですね」
「でしょ、頑張って設計したんだから」
声がした方を見ると曹仁とその後ろに2人の男の人が居た
「おう、凄いな」
曹仁と男の人たちは皿を持っていたので机に置く
「はい、これで全部揃った。じゃあ?始めようか」
「ええ、始めましょう」
「まずはボクから始めるよ。もう知ってるけど改めて、名前は曹仁だよ。すでに曹純に真名は預けてるから、一応ここ譙の太守だから」
「鮑信です。私も唯と同様に真名を曹純殿に預けてます。私は客将という立場ですが、一軍と内政を受け持っています」
「今度は私ですか、名前を史渙と言います。唯様も銀狼様も真名を預けてるのであれば部下である私が預けない道理はないですね。真名は華鬘と言います。私も一軍を任されてる将なので、これから宜しくお願いします」
「俺の名前は牛金、真名は薇猩だ。唯様の部下で史渙と同じく一軍を任せれてる」
「こっはみんな紹介したから、曹純の番だよ」
「俺の名前は曹純と言います、真名は柳梨です。記憶が無くなって倒れてる所を曹仁に拾われました。これからお世話になります、宜しくお願いします」
「って事で華鬘と薇猩と仲良くしてね」
「おう、分かったよ」
史渙は昨日聞いたから居るのは分かってたけど、牛金まで居るなんてな
「ねえ、銀狼」
「何ですか?」
「今日の試験で曹純を何処で働かせるか決めるんだったけど決めた?」
「はい、決めました」
「将として働かせるの?それとも文官として働かせるの?」
今日の試験の結果がここで分かるのか、俺はどっちの方が向いていたのだろうか
「どっちでもありません」
「って事は女官みたいな扱いになるの?」
さ、才能がなかったのか…
将や軍師みたいに戦場で戦ってみたり文官のように政策を作ってみたりしたかったな…
「それも違います」
「えっ、どいうこと?追い出すとか働かせないとかは無しだよ」
「分かってます」
「じゃあどうするの?」
「私が貰います」
「「え?」」
思わずみんなの声がハモる
「ぎ、銀狼よく聞こえなかったからもう一回言ってみて」
「はい、曹純殿は私が貰い受けます」
「「え~」」
またもハモった
え、え、何どいうこと?鮑信さんが俺を貰い受ける?何を言ってるんだあの人は?貰い受けるって俺はどうなる?
「銀狼様には珍しく突飛な事をおっしゃりましたね」
「そうですぜい、何で急にそんな事を言ってるんですか」
「俺ってどうなるの…?」
「私の屋敷に来て貰います」
「「え、え~~」」
本日3回目のハモりが起きた
「ボ、ボクを捨てて曹純を選ぶの?」
2人ってそいう関係だったのかよ
「それもいいですね」
「やっぱりそうなの」
おいおい、何か破局しかけみたいになってんじゃねえか、誰のせいだよ、あ、俺か
鮑信さんが俺が欲しいなんてちょっと嬉しいですな美人の人に言われたら、凄く恥ずかし嬉し
ってそんなバカな事を言ってる場合じゃねえや、マジでどうしよう
「銀狼様、早めに理由を教えてください。さっきからら彼の顔が赤くてなったり青くなったりしてますので」
「はい、では理由を言いましょう」
ゴクと自分の唾を飲み込み音が聞こえた
「一軍を任せるからですよ」
「一軍をですか…」
「はい」
「一軍をね~、でも大丈夫なの銀狼?」
「そうですぜい、大丈夫何ですか?」
「現段階では大丈夫とは言いませんが、素質はあります。ですがまだまだ足りません、なので私が育ててるのです」
「銀狼様直々に指導ですか、因みに将に抜擢する理由は何ですか?」
「見たところ武の方は平凡ですから頭のほうですかい?」
「いえ、武は平凡の平凡で、頭の方も平凡です」
「では何故ですか?」
「偽りですよ」
「偽り?」
「曹純殿の根本的な考えに偽りが埋め込まれています。しかも偽りを本物と思わせるような演技力もありますので」
「へ~、それは面白そうだね。うん、問題ないよ」
「そうですかでは後は曹純殿の意思のみです」
「あ、俺も大丈夫です、問題ありません」
「では私が曹純殿を貰い受けるということで」
「これからお世話になります」
「それにしても銀狼との試合はどんな試合だったの?」
「なかなか攻撃の発想は面白かったですよ」
「発想はなのね」
「はい、攻撃じたいは速さ、重さ、技のどれをとっても平凡でした。重さに関しては平凡以下でしたね」
なかなか心に突き刺さる評価ですね鮑信さん…
「ふ~ん」
「しかし的を絞らせないようにしてる攻撃があったので考えながら戦ってはいましたね」
「なるほどなるほど」
「最後の攻撃は一番よい攻撃で少し驚きました」
「本当ですか!」
ヤバいちょっと嬉しいです
「どんな攻撃だったの?」
「まずは曹純殿が使った得物を説明しませんとね。曹純殿が使った得物は短めの剣を2本ほど」
「2本も使ったの!?」
「ああ、2本使った方が攻め方が増えるだろ」
「確かにそうだけど。あ、そうか、だから短めの剣なのか。自分が片手で持てる剣を選んだら短めになったんでしょ」
「凄いな、正解だよ」
「だよね、だよね、でどんな攻撃だったの?」
「片方の剣で突きをしてきたのでそれを弾いたらもう片方の剣を投げてきました。その後に正拳付きをしたのを止めたら裏拳、最後に拳底をしてきたので回って回避しました」
「武器を捨てたの…」
「おう、殴るのに邪魔だったからさ」
「それ、本気で言ってる?」
「勿論」
俺の返事を聞いたら曹仁は驚愕した顔になった
周りを見渡すと史渙さんも牛金さんも驚愕した顔になっていた
不思議に思って鮑信さんに聞いてみる
「鮑信さん、なんでみんな驚愕した顔になってるんですか?」
「それはですね。いくら刃を潰してるからといって剣相手に素手で向かっていったからですよ」
「あ…」
「骨折は当然で下手したら死ぬ可能性もありましたね。まあ、銀狼様なので大丈夫でしたが、他の方々にはやらない方がよろしいかと」
夢中で気付かなかった…
下手したら死ぬって、なんてことしてんだ俺は…
自分がやったことを思い出して今更ながら背筋が凍る思いをした
「曹純ちゃんと飲んでる~?」
「飲んでるよ」
なんか酔っ払ってるのか?いつもと感じが違うし
飲み物が入った器を見せる
「それ、水じゃん。お酒飲もうよ」
「やだよ」
「何でさ?もしかして飲めないの~?」
「飲んだことがないんだよ」
「それはもったいないよ、飲んでみよ。ね、ね」
「けど…」
「ほら、口答えは禁止」
曹仁にお酒が入った器を渡される
「一気にぐいっとさ」
は~、諦めて飲むしかないか
口を器につけて一気に飲んだ
「う、あ、ゴホッ、なんだこれ」
「あははは、引っ掛かった、あははは、美味しいでしょ?」
「美味しくねえよ、キツいわ」
「え~、何で~?何で~?」
くそ、この酔っ払いめんどくさいわ
「唯、少し酔いすぎですよ」
「ボク、酔ってないよ~」
「唯様そうですね、こちらに杏仁豆腐がありますよ」
史渙さんがそっと杏仁豆腐を出してきた
「あ、杏仁豆腐、これって華鬘が作ったやつ?」
「そうですよ」
「わ~い、華鬘が作った杏仁豆腐は美味しいんだから。食べる食べる」
曹仁はそういって史渙さんと一緒に向こうに行った
「大丈夫てしたか?」
「あ、大丈夫です。ありがとうございます鮑信さん」
「いえ、唯があそこまで酔うのは久しぶりですからね。拾ってきた事といい、相当貴方を気に入ってるのでしょう」
「そんな、俺は気に入られるような事はなにひとつ…」
「まあ、いいでしょう。こちらを飲んでみてください」
「これは…」
「先ほどのとは違うやつですよ、弱めのです」
渡されたのを恐る恐る飲んでみる
「あ、平気だ」
「よかったです、あれは強めの酒ですからね」
「そうなんですか」
「ちょっと俺の分の杏仁豆腐食べようとしないでくださいよ」
「え~もっと食べたい~」
「唯様、お代わりありますよ」
「わ~い、華鬘ありがとう大好き」
「いえいえ」
杏仁豆腐を貰って子供みたいに喜んでるよ、よっぽど美味しいのか?
「史渙さん、俺も杏仁豆腐貰っていいですか?」
「いいですよ、それと私には敬語はなしで結構ですよ、それに真名でどうぞ呼んでください」
「いいんてすか?」
「はい」
「なら、遠慮なく、俺のことも柳梨って呼んでくれ」
「わかりました、それでは柳梨、杏仁豆腐をどうぞ」
杏仁豆腐を渡されて一口食べてみる
「美味しい…」
一口食べたら口の中に美味しさが広がり二口三口とどんどん続いてく
「この杏仁豆腐凄く美味しいじゃん」
「だろ、めっちゃ美味しいだろ」
牛金さんが絡んできた
「あ、はい」
「あ~、堅くならなくていいよ。俺のことも華鬘同様で真名で呼んでいいし、敬語もなしで」
「じゃあ、薇猩よろしくな、俺のことも」
「ああ、分かってるよ柳梨。でさこの杏仁豆腐は華鬘が作ってるんだぜ」
「そうなのか!?」
「まあ、そうですね。素人で下手ですが」
「いやいや、下手じゃないって。凄く美味しいじゃん」
「ありがとう」
「3人とも楽しそうだね銀狼」
「そうですね、少しは酔いが覚めましたか?」
「うん、少し覚めたよ」
「あの3人は上手くやれそうですね」
「心配はしてないから大丈夫でしょ」
「信頼してるんですね」
「まあね、会った瞬間にこいつは信頼できるっていう感覚はあったね。運命かなこれは?」
「運命ですか、なら私のこの思いは恋ですかね?」
「うえ、銀狼まさか…」
「嘘ですよ、たしかに信頼できるって感覚はあり興味があります」
「そうだね」
「なあなあ」
「噂をすれば来たね」
「そうですね」
「ん、どうしたんだ?」
「何でもないよ、それでどうしたのさ?」
「この街作ったのって曹仁だろ?」
「ボクだけではないけどそうだよ」
「凄いよなこんないい街を作るなんて」
「そう?」
「ああ、めっちゃ凄い」
「そう言われると照れるな」
「食べ物は美味しいし沢山物はあるし街は綺麗だし」
「街を回ったの?」
「ああ、鮑信さんと一緒に」
「試験が昼で終わったので街を紹介したんですよ」
「へ~、じゃああそこも行ったの?」
「ええ」
「どうだった?綺麗だったでしょ」
「あそこ?」
「最後に行った丘ですよ」
「凄く綺麗だったよ、街が夕焼けで光っていてさ」
「でしょ、でしょ。山と山の間の湖がなぜか夕焼けで少しの間だけ緑色に光るのが一番綺麗だったでしょ」
見てない…やべえ、見てないんだけどどうしよう。多分鮑信さんに見とれてる時だ…
「え、あ、あの」
マジでどうしよう、この曹仁のキラキラした目が眩しい
「今日は雲で見れませんでしたよ」
「ちえ、そうなのか…」
よかった、今日はたまたま見れなかった日なのかありがたい
鮑信さんがこちらに寄ってきて肩に手を置いて耳に口を寄せてきた
「私に見とれてて見てないのは黙っておきますね」
バレてらー…、完全にバレてたのかよ凄く恥ずかしいんだけど
顔が赤くなりしゃがんで顔を隠したくなった
穴があったら入りたい、穴をプリーズ
「ふふ、少し嬉しかったので」
「え?それってどいう」
口に鮑信さんの指を当てられた
「それ以上は聞かないでくださいね」
俺はコクコクとゆっくりとうなずいた
惚れるわ…
「じゃあどんどん飲んで、どんどん食べて楽しんでいこう」
「「お~」」
曹仁のかけ声にみんな声を合わせる
その後歓迎会は夜遅くまで楽しく続き翌日に俺は人生で初めて二日酔いを体験した