街で一番大きい銭湯
一話目から読んでいただいている方、ありがとうございます。
四話目もよろしくお願いします。
二人は他愛もない話をしながら歩き、銭湯に向かった。
もともとアイシスの家が近かったこともあり、銭湯にはすぐについた。
「……ってトーレスが言って収まったんだけどね~。ほんと、あれは助かったよ」
「俺はトーレスについては今日初めて知ったからなあ。あいつ、そんな性格なんだな」
「トーレスは基本的にいいやつだよ」
「基本的って……」
「あ、もう銭湯に着いちゃったね」
二人は入り口の前に立った。
「じゃあ、上がったらここにいてね」
「ああ、分かった」
そして、ウィズレストは男湯に、アイシスは女湯に入っていった。
「へえ、案外中は広いんだな」
脱衣所で服を脱いだウィズレストは風呂場に入った。
他の人に習って、桶を取り、体を洗った。その後湯船に入り、旅で疲れた体を休めた。
「ふう……。こんなデカい風呂に入ったのはいつぶりだろう」
ウィズレストは、アイシスを待たせるのは良くないと思って、早めに湯から上がった。
銭湯から出てみても、アイシスはまだいなかった。
五分はたっただろうか、ウィズレストがぼうっとしているとアイシスが出てきた。
「お待たせ。どう? 疲れはとれた?」
「ああ。まあ、完全に、とはいかないが」
「そう、それは良かった」
不意にアイシスは左の道を指さした。
「夕食、買っていこう?」
「そうだな、腹も減った」
二人は左の道に歩き出した。
二人がだんだん仲良くなっていくように書きたいな、と思っているのですが、現実はそんな苺のように甘いわけもなく……。