雨漏りの多い家
今回は少々短めですが、そこは目をつぶって頂ければと思います。
二人はアイシスの家に着いた。
「だいぶボロくて、雨の日なんかは雨漏りするんだけどね……」
家の中に入り、アイシスはウィズレストをいすに座らせる。
アイシスは台所に行き、できるだけ欠けの少ないコップを手に取った。そこにきれいな水を入れ、部屋で待っているウィズレストのところへ持っていく。
「そういえば、まだ名前言ってなかったよね。私はアイシス。一応、お店もやっていて、昼間はそっちに居るんだけど、今日はもうこんなビミョーな時間だから、今日の分は明日にする気」
アイシスはウィズレストと向かい合う位置に座った。
アイシスが話している途中、ウィズレストはコップの水をすべて飲んでしまった。
「そうなのか……、なんか、悪いことしたかな。店は途中なんだろう?」
「そんなの、別に気にしないで。……それより、お風呂入りにいかない? ここで一番大きい銭湯なんだよ」
「ほう、銭湯か。最近はでかい風呂に入ることがなかったからなあ。ぜひ行きたい」
「そう? じゃあ、家に居てもやること何もないし、すぐにでも行こうか」
アイシスは席を立ち引き出しに向かった。三番目の引き出しを開け、小さいタオルを二枚取り出した。
「必要でしょう、タオル。一枚しか貸せないけどいい?」
「ああ、十分だ。ありがとう」
ウィズレストはいすから立ちあがり、アイシスからタオルを受け取った。
「じゃあ、行こうか」
二人は銭湯に向かった。