what do you want?
あぁ〜私何がしたいんだろう。
何もかもがだるい、興味もない、存在意義が私には見つからない。生きてることがあまりにも滑稽に見えて笑えてくる、口角をあげることすらけだるさを感じてるから実際は笑ってない。そんな私の毎日にどうでもいい存在が入ってきた。それは片倉朝子、小柄で童顔の少女。性格は明るくて正直あまり頭が良さそうではない。そんな彼女が生活に慣れるまでの間サポートしなければならない存在。少しの間いつもとは少し違う生活が続くけど新鮮ではないし、楽しみでもない。ていうかむしろめんどい。
朝子ちゃんが来てからはや二ヶ月。だいぶこっちの生活習慣に慣れて来たようだ。言語以外は。彼女は中途半端な学年に入学してきた割には英語は話せないし、努力をしてる様子も無い。朝子ちゃんは明るくてポジティブで好奇心旺盛で、いろんな物に挑戦する。私の性格とは正反対だ。私の幼なじみや他の留学生とも打ち解けてるし、もうそろそろ私離れしてもいい頃かな?なんて少し思ったりもしている。朝子ちゃんは毎日学校であったことを話してくる。それはたわいのないこと。同じクラスの誰かが先生に怒られてとか、日本の学校とは違うことがありすぎて、間違えたことをして恥ずかしかったとか。
最初は少し戸惑った。でも気がついたらそれが普通になっていて慣れた。正直彼女は話術に長けている。話を聞いていてたわいのない話でも面白く聞こえてしまう。愛想笑いだけですまそうと思っていたけど、いつの間にか愛想笑いじゃない笑いになっていることがある、たまに。
「茜って頭いいんだね。」
「え?よくないよ」
「そんなことないよ!こないだもアッセンブリーで名前呼ばれていたもん!」
「そうなんだ、そのときオーケストラの練習でいなかったから知らなかった。」
私は4歳の頃からヴァイオリンを習わせれていた。そのせいあってか自ら望んだ訳ではないが、今は学校のオーケストラに所属している。私は好きな物は無いけど嫌いな物ははっきりしている。その嫌いな物の中にヴァイオリンは含まれている。
「謙遜はよせやい!」
謙遜ってなに?って思いながら話を聞いていた。
「頭も良くてスタイルもよくてかわいくて、性格もクールだし。私とは正反対だね。今度化学教えてよ。」
「いいよ。」
教えることは嫌いではない、好きでもないけど。だけど私にとて自分が必要とされていると感じやすい行為の一つである。
自分でも存在意義が欲しいのかどうかはわからないけど、無いよりもあったほうがいい気が少ししないでもない。よくわかないけどね。
「あと私をあまり美化しないで。」
「なんで?本当のことだよ、お世辞じゃないよ。」
「お世辞でないのはわかっているけど、私はそんなんじゃないよ。」
「どうしてそう思うの?もっと自分に自信もっていいと思うよ。」
「本当にそう思えないから言ってるだけなんだけどな。」
朝子は少し驚いた様子で奈津子を見る。今、自分が何か悪いことを言ったかどうか少し考えた。
「どうして?私は実力が無いのにこんなにもいかにもできます的な感じでいるのに。茜は現に私とは比べ物にならないくらいの結果をたたき出しているのに自分に自信が無いの?」
あ、この子自分が馬鹿だってわかっているんだ。
「だって、朝子ちゃんは来たばかりじゃない。」
まぁねぇ、と朝子ちゃんが笑って夕食の時間になったから私たちは食堂に向かった。
いつもふざけたことしか話さないくせにたまにこういうまじめな話をされると自分の日本語に自信が無いのもあるけど、少し困る。
どうすればいいのかわからなくなる。本当に私には何にも興味が無いからさ。自分が誰かより優れている劣っているなんてこと全然考えたことも無かった。いや厳密に言えばそういう機会があったから、全くないとは言えないけど、そのときとなりの芝は青く見える方式で私は自分の評価を誰よりも下げていた。それが事実だと思っていたから。
夕食のときも楽しくたわいのないことを話す朝子ちゃんを横目に私は思う。「私は誰なんだろう?」って。私のことを特別に思う人なんていないだろうし、またその逆もないだろう。私は何を求めているのだろう、彼女が現れてから私は何かを渇望しているような気がしてならない。なんなのだろうこの気持ちは。こんな私を知る由は誰にも無いだろう、朝子ちゃんにも。だって私が答えを出していない、だから教えられる答えなど存在しない。今日も一日が終わる。こうして私は地味に死期をまつ。これが私には滑稽で仕方が無い。
死期を待つだけの人間なんて生きてるって言えるのだろうか?今の私を朝子ちゃんが知ったらどう思うだろう。そんなことを考えながら私はまずい夕食を口に運ぶのであった。
なんか、もう文法とかめちゃくちゃですみません。