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プロローグ

なんか、いろいろあって書き直したし、書き直すかも。




プロローグは読んでも読まなくてもどっちでも大丈夫。

主人公の人物像とか細かい日常描写を見たい人だけどうぞ。




躁鬱なので、不定期更新。

感想は欲しいです。

「何もかもが欲しいんだっ」




 少なくとも、視界いーっぱいに広がって…………見上げるほどの金塊はマストでしょ? 

 それに大きな大きなお城が欲しい。純白でキラキラで、光を反射するぐらいに綺麗なやる。


 いっそのこと金のインゴットでお城を建てたら? 

 ………………いいね。昔やってたゲームみたいに、ひとつひとつ積み上げるんだ。


 でも、それだけじゃ足りないや。

 お城に住むにはうーんとキレイなアクセサリーに、ピカピカでつるつるでゴテゴテな飾りのお洋服。


 おまけにみんなで一緒にご飯を食べるんだ。

 お肉に、魚に、お野菜に、カラフルなフルーツも盛り合わせてさ。


 それに、それにさっ…………。




 ────―でも。




 ほんとのほんとに欲しいのは………………────────────────











 ◆












『運用よりのお知らせ。


 弊社より発売された「■■」のご愛顧戴きまして、大変ありがとうございます。


 しかし、「■■」は、■■においてサービスを提供して参りましたが、経営及び運営陣の都合により、今後、安定的にサービスを提供する事が難しく、ご利用状況を鑑みサービスを終了させていただきます。


 7か月という短い期間ではございましたが、ご愛顧ありがとうございました』




 PCのディスプレイに点々と、そのテキストが表示されたホームページが点滅する。


 背景は七色の蛍光色(ゲーミングカラー)が次々と明転しており、中央を彩るゴシック体が目に痛々しかった。



「…………センス()ぇ」



 思わず《男》はつぶやいた。

 憔悴した力のない声。


 ゲーミングチェアに()()()()とあぐらを掻いて座る男は、何の気兼ねもなしにため息を吐く。意識したものではないそれは、ひどく憂鬱げであった。


 日も暮れていない平日。

 昼間から男はカーテンを閉め切り、PCの光とディスプレイの中だけを頼りに暇を潰していた。特にやりたいこともなく、なすべきやるべきこともない。


 ふと男は思った。


 この家に住み始めて何年目になるかと。


 襤褸屋にしか見えない我が家ではあるが、学生の時から長らく過ごしてきた家だ。思い出もたくさんある。


 主に学生時代のものだ。


 友達と馬鹿をたくさんやった。

 家の中で花火をして、ボヤ騒ぎが起きて、酷く怒られたのを覚えている。


(天井の焦げ目(あれ)、マジで怒られたなあ)


 テスト毎に勉強をしていないと友人から泣き疲れて、一緒に徹夜で勉強したこともあった。まあ、とにかく、男にとってこの襤褸屋もとい、築うん十年としたような木造アパートは思い入れのあるものだった。


 しかし、いかんせんどうにも古かった。


(昔は高級アパートだったかなんだったか知らんけどさ)


 男は椅子から立ち上がる。

 伸びていく間接が支点に変わるたび、ぼき、ばきと音がなった。


 立ち上がった反動でほこりが舞う。



「くっせ」



 男は顔を顰めて咳をした。


 口元を手で覆い、カーテンを開ける。



「換気換気っと」



 途端、差す発光に目がくらみも、ロックに手を掛け解錠する。




「──────―」




 吹き込む風。


 びゅごう。


 と、鳴った。



「あ」



 問題は巻き上がったほこりが男の目に入ったことと。

 そして、




「え」




 たたらを踏んだ彼が、足をもつれさせてしまい、転んでしまったことだった。


 咄嗟に踏み出した足は、転がっていた空のペットボトルに落とし込まれ、さらに回転。姿勢を崩したまま思わず手を伸ばした先を腰の高さよりもちょっと低い程度のデスクだった。


 ただ悲しいかな。

 上半身がねじれた状態で突き出した手は、真っ直ぐ垂直のままPCのモニターへと向けられていた。


 あわや、大惨事────―と思われたその時だった。





 ………………とぷんっ





 と、液晶が水面のように波打ったかと思うと、男の指先から腕までを呑み込んだ。




「は?」




 疑問符も挙げるも、慣性に身を任せたままかつ驚愕のさなかにいた彼は身を崩した。


 液晶──────と称してもいいのかは謎であるが、その中はまるで泥の用だった。靴下のまま田園を歩いたかのような感覚に近い、と男は思った。


 不思議なことに沈んだ腕の先は誰かに捕まれているような感覚があり、引き込まれていた。理解不能な光景と状況に男は、喉を引きつらせて、つばを呑む。

 悟ったのだ。



「ダメだこりゃ」



 と。



 男が残した6つの音の響きを最後に、成人男性大の影は真っ黒なモニターの中へと沈み込んでいった。


 開け放ちにされた窓がほこりを舞い挙げて、遠くへ遠くへと運んでいく。

 その空には、ぽっかりと月が浮かんでいた。

誤字や、脱字。

状況のねじれはありません。

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