設定2 NPCはノン・ヒューマン
「青のミブロ」視てるんですけどね、
新撰組のお話なんですけどね、
芹沢鴨が、いいキャラしてるんですよー。
青のミブロのキャラは皆魅力的でそれぞれキャラが立っていて
視ていて飽きないです。
そして、キャラの真理背景も丁寧に描かれているので
どのキャラにも感情移入が出来ます。
面白いです。
自分ももっと精進します。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
「あら、どうしたのかしら?」
ふと声がした方を見ると、こっちを見ている茶色い馬と、メスの鹿がいた。名前の欄のないところを見ると、どうやらNPCのようだ。
「お兄さん、どないしてん?」
馬が訊いてきた。
「あたしは、青年兵、明日……、じゃなかった、ブレイブ・ハートマンと申します」
まだ入れ替わっているという意識が薄いのか、自己紹介でうっかり本名を話してしまうところだった。
「ほうほう」
馬は言った。
「今しがた、異形の盗賊たちに武器とお金を盗られてしまいまして、困っていたところでございます」
「ほうほう」
『ほうほう』しか言わない、ふくろうみたいな馬だわ、この人、いやこのNPC。
「そこでお願いがございます。今晩一晩、泊めていただけませんでしょうか?」
「ええでえ。なあ、お前もええやろ?」
白い歯をにかっと見せて笑いながら、馬は鹿の方を見て訊いた。
「ええ、いいですよ。あなた」
鹿もにっこり頷いた。
よし、今夜の宿ゲット!!
案内されたのは、すぐ近くにあったが、どう見ても馬小屋だった。しかし、外から見えないように扉があり、暖炉もあった。
「今、暖炉に火を入れますからね」
鹿は言った。
確かに、ちょっと寒かった。あたしは寒さを自覚して、ブルッと震えた。
鹿はマッチで薪に火をつけると、ポンっと暖炉の中に放った。馬は、暖炉の前にある干し草の山に勢いよく横たわると、言い放った。
「ああーー!! やっぱり我が家は一番や!! ほれ、ハートマンさんも突っ立ってないで横になりい?」
そう。あたしは棒立ちしていた。
やがて鹿が、ニンジンとせんぺいの入ったスープを用意してくれて、3人でそれを食べた。いや、「人」はおかしいか。馬と鹿はノン・ヒューマンなのだから。
「結婚式しようとした時はや、嫁さんが今よりも太っててん」
「あなた、それは言わないでほしいわ」
馬の一言に、鹿はたしなめた。
いつの間にか馬は、鹿が出した食後の酒で酔って、鼻周りを真っ赤にしていた。
「ドレスを探すのが、超々大変やったわー」
「そうでしたねえ」
「ハートマンさん、伴侶はええでー」
食後のお酒のせいで例にもれず酔って、干し草に横になってうとうとしかけていたあたしは、その言葉で飛び起きた。
そうだ……! 勇気を探しに来たんだった!! こんなところで(道)草食ってるわけにいかない!! でも眠い……!
馬は続けた。その口でコップを床に置く。
「自分の人生の中で、自分を大事に思って愛してくれて、自分も大事に思えて愛せる。そんな愛に巡り会うんは奇跡やで」
「そうですね」
少し目の覚めた頭であたしはそう返した。
「ハートマンさんにもおるやろ? それとも、おらん? まだ」
「探してます」
あたしのその一言のあとで、馬と鹿は互いに顔を見合わせた。
「探しとるんかー。こんな山奥に来てまで、か……」
そう言って、馬が酒の入ったコップに口をのばすと、鹿が止めた。
「あなた、お酒はもうお終い。寝ましょう」
「もう一杯だけや!」
「だーめ。もうべろんべろんでしょう?」
鹿がその口でコップを遠ざけると、ようやく馬は大人しくなった。
「まあええ。ハートマンさん、この伴侶を探す人生って旅は長いでえ?」
あたしは真顔になって言った。
「はい、覚悟してます」
人生の伴侶は見つけているんだけど。後は、もう一度会って、その足で婚姻届けを出しに行くだけなんだけど……。と内心思いながら。
しばらく眠った、と分かったのは、朝になって「ドンドン!」という扉を叩く音で目を覚ましたからだった。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




