合コン2
涼木と一緒にカフェからファミレスの方を見ていると3人組の男たちが現れた。
そのうちの1人が綾香に写真を見せてもらったイケメンにそっくりだったので、合コンに参加するメンバーだと気づくことが出来た。
そうなれば話しは早いと、私と涼木は彼らのあとを追うようにファミレスに入店した。
運がいいことに合コンに参加する男たちの後ろの席が空いていたので、アルバイトだろう男性店員に上目遣い+笑顔でお願いしたら快く引き受けてくれた。
そのおかげで私たち目的の席に座ることが出来た。窓際の席だしこの位置なら綾香にもバレにくいだろう。
「行くわよ涼木」
2人で注文したドリンクバーを取るために席を立つ。
綾香が店に到着したらドリンクを取りに行きにくくなるので早めに済ましたい。
「先輩はどうするの?」
「私? 私はオレンジジュースとカルピスを組み合せるわ」
ついついドリンクバーを見ると色々と混ぜたくなる。
流石に子どもの時みたいにゲテモノを作ろうとはもう思わないけど。
「俺はコーラとオレンジジュースと炭酸水と野菜ジュースを少し」
「何それ…? 美味しいの?」
「さあ。今日はそういう気分だっただけ」
「そう…」
ここにいた…高校生にもなって小学生みたいな楽しみ方をしている奴が。
「あ、そうだ」
「どうしたの先輩?」
「アンタはこっちに座りなさい」
「いいの?」
「そっち側の席にいたらバレるかもでしょ」
幸いなことに私たちの席は窓際の端っこなので、2人で下座に座っていれば綾香には見られりにくいはずだ。
「ああ、確かに」
「じゃあこっち来て」
「了解」
そうして涼木がこっちの席に来たのだが…
「ちょっと…近い」
私と密着するぐらいに近づいてきた。
「別に近くなくね」
「どう考えても近いわよ」
「俺、今日はせっかくの休日を先輩に使ってるんだけどなー」
「う…」
それを言われると私も弱い。
「ダメ?」
「き、今日だけだからね…」
「うん。ありがと」
ああ、違和感が凄い。自分から指示しておいてあれだが、2人しかいないのに隣同士で座っているというのは変なんじゃないだろうか。
しかも、お互いに少し動けばぶつかるような距離にいると思うとなんだか緊張してくるし、周りからバカップルみたいに見られてないから心配だ。
そんな事を考えていたら、不意にテーブルの横から女性の声が聞こえた。
「お待たせしましたー。ミックスグリルランチとカルボナーラです」
「え…!」
油断していた…
メニューを頼んだんだから、店員が商品を持ってくることなんて簡単に想像出来たはずなのに……!
知らない人とはいえ、見られたくないところを見られた!
しかも…商品を届けてくれた店員のお姉さんは密着した私たちを見て凄いニヤニヤしてたし。
うぅ……恥ずかしい




