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顔合わせってアラサーになっても緊張するよね。しない?あっそう……

愛媛への引っ越し作業も終わり腰を落ち着けること一週間。とうとう今日が顔合わせ日で初めてのレッスン日だ。


ということで!失礼がないように2時間前からレッスン室でスタンバイしております。女の子の集団はファーストコンタクトが大事。クールさを装いながらも結構緊張している。ハブられたら任務遂行に影響が出かねない。

30分ほど待っていると勢いよく扉が開いて制服をカスタムしている元気でかわいらしい見た目をした女の子が入ってきた。


「お疲れ様でーす!」


「お疲れ様です。新人の宇佐美です」


「あー!五十嵐サンから聞いてるよ!これからよろしくね」


「はい、よろしくお願いします。どうお呼びすればいいでしょうか」


「真面目ちゃん?かわいーね。あーしは花梨で芸名はリンだよメンカラは黄色。まんまでウケるよねーリンって呼んでよ」


「リン先輩よろしくお願いします」


「うん、よろしくー。あとちょっとで皆くるって」


あっぶな

かなり早めに来ておいてよかった


リン先輩は練習着に着替えながらスマホから曲を流している。確か彼女たちの持ち歌だろう、事前情報で聞いたことがある曲だ。


「リン!早めに来てみんなで新人ちゃんのお迎えするって言ったじゃん!先に練習始めないでよ」


続いて正統派ド真ん中なかわいい子が目尻をあげて起こりながら入ってきた。怒っているとはいっても擬音にぷんすこって付きそうなかわいい怒り方だ。絶対メンバーカラーはピンクだね。


「そうだっけ?ごめーん、モモ。でもうさみんもう来てるよ」


「う、うさみん?」


作り上げてきたボーイッシュキャラが崩壊する音が聞こえた。うさみんはアカン。あと本物の宇佐美さん見たときに絶対笑ってシバかれるからやめて


「宇佐美だからうさみん?」


「そっ!流石ミカち」


「イエーイ!」「ふふっ、いえーい」


続いておっとり系高身長の娘が続いて入ってくる、何がとは言わないがどこもかしこもでかい。中身アラサーの貧相派閥に密かにダイレクトアタックをしてくるとはやるな。


「お、お疲れ様です」


最後におどおど小動物系が控えめに入ってくる。絶対宇佐美さんが好きなタイプ。タレ目でヘーゼルナッツみたいな大きな瞳がかわいい。


「おつかれ、ヨル。学校どうだった?」


「給食でみかんゼリーがでました」


ん?給食?


「よかったねwみかんゼリー懐かし」


「あの、もしかしてヨルさんは小学生ですか?」


「そだよ。年齢非公開ってことになってるけど」


ギク


「ヨルはオーディションで年齢逆サバ読んでまで受けに来たんだよねー」


ギグギクッ


「そうね。最終面接の後になって提出書類でバレて怒られてたわ」


年齢差エグいって小学生とアラサーが同じユニットって面白すぎでしょ。偽造書類様にありがとうございましたと感謝の意を捧げながら、彼女たちの他愛もない思い出話を操作の情報になるかもしれないためしっかりと聞きながら思考を飛ばす。

届けてくれた真うさみん先輩は宇佐美姓にブチギレてらっしゃったけどちゃんと必要な書類持ってきてくれてたのでサンキューお兄ちゃん!ってちょけたらしばかれたなー。


「……よろしくね」


一方的に親近感が湧いたヨルちゃんは昔の黒歴史を掘り返されてほっぺたをプクプクにしながらもこちらに手を差し出している。かわいいほっぺに免じて持ち上げておこう。


「よろしくお願いします。ヨル先輩」


「せんぱい!?」


まんまるな目をさらにまんまるにして驚くヨルちゃんに不覚にもキュンときた。守護らねば(使命感


「嫌でしたか?」


「ううん!うれしい!」


にっこり笑って先輩呼びをするとヨルちゃんは他の三人に私先輩だって!って報告している。かわいいの擬人化か?

宇佐美さんをロリコン呼びできなくなってきたな。もしかしてヨルちゃんは精神汚染系の式神持ちだったりします?あっ生来の性質ですよね、失礼しました。


「先輩になんでも頼っていいからね!」


「はい、よろしくお願いします。ヨル先輩」


うーん、かわいい。生暖かい目で見守る三人とドヤ顔で先輩風を吹かせるヨル先輩とによによ笑顔を隠しながらほのぼのしている私という謎の光景がしばらく続いた。

ほら、調査するには仲良くなって気を許して貰わないとね。女の子だらけの癒やし空間に浸っているのも任務です。役得ってやつ?宇佐美さんに自慢してやろ。


――


「貴方達、今日は随分集まりが早いわね」


しばらく雑談しているとプロデューサーの五十嵐さんがレッスン室に入ってきた。


「新人来るって聞いてからうちらがちゃんとしないとねってリンが張り切ってたから」


「ちょ、モモやめてよー」


「自分だけ先に会った仕返しっ」


「バラさないでよー!キャラじゃないじゃん」


「いえ、リンさんが真面目なのは最初に話したときに知ってましたよ。呼び方を聞いたらメンバーカラーまで丁寧に教えてくださったじゃないですか」


「むむむっ」


「リン顔真っ赤だね。ヨルもからかってあげなー?」


「リ、リンちゃんお水飲む?」


「飲む」


ヨルから水を受け取り喉を潤すと、落ち着いたようで普段の調子を取り戻した。


「そういえは、あーし以外ちゃんと自己紹介してないじゃん」


「そういえばそうね。それに薫子さんの芸名も決めないといけないのに、話に花が咲いていたわ」


「でも仲良くなれたよねー」


「はい!」


「貴方達……まぁいいわ、改めて一人ずつ自己紹介しましょう。モモからいつもの順番で」


「えーキャッチコピーもってこと?」


「何恥ずかしがってんのモモ?今更でしょ」


「いやファンがいないし練習でもないのにやるのは初めてだから」


「そういうことならファン役やったげるー」


いやそういう意味ではないと思いますよミカ先輩……

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