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何か知らんけど受かりました?薫子のお兄ちゃん(笑)に電話します

結果から言うとトントン拍子で話が進み受かりました。なんで?まあ調査任務的には順調といえるからいいことなんけど。

取り敢えず宇佐美に潜入用の携帯から報告用の携帯に電話しておこう。兄弟設定なのでね


「こちら宇佐美」


「お兄ちゃん受かったよー!」


「…………おめでとう薫子」


絶対青筋立ててるねウケる。このための宇佐美姓でしたよ、私はやってやったぞ!禁煙中の人間の前でわざわざ吸いに来るやつは絶対に許さない。絶対にだ。


「お兄ちゃんも時々見に来てね」(お前も道連れだ)


「勿論。それよりいい加減お兄ちゃん呼びやめろよ」(報告役了解。お兄ちゃん呼びはやめろ)


「えー?お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃん」(絶対ヤダ)


「もうアイドルになるんだろ?スキャンダルになったら薫子が辛い思いするだけだ」(お兄ちゃん呼びやめろ)


「やーだ!」(イヤです)


「……薫子はいつまでも甘えん坊だな」(覚えてろよ)


「えへへ、お兄ちゃん大好き」(おーコワッ)


「それとね、プロデューサーの五十嵐さんはとってもいい人だったよ」(五十嵐はシロ)


潜入任務で逃げられないように人を探すなら1対1のときに確認するしかない。実は面接のときに式神を視えるか色々と試していたが、五十嵐は私の出す式神に一度たりとも反応しなかった。


「そうか、他の人はどうだった?仲良くなれそうな人はいたか?」(アヤカシが視えて術式もってそうな人間はいたか)


「うーん。まだプロデューサーさんと数人のスタッフさんとしか会えてないからわかんないや。」(不明)


「そうか、仲良くできるといいな。そういえば、友達を作るのが得意って誰かがMCでいってたような……」(把握。それと解析により扇動が確認された。恐らく最初の術者とは別であるか、複数の術式を扱える術者がいると考えられる)


事前に割り振られたキーワード、簡易的な暗号に反応してしまい思わずカモフラージュしながらの報告電話をも関わらず息を呑んで止まってしまった。なぜならMCは扇動の術式の暗号であるからだ。

注目を集める程度とはいえ、扇動を扱える式神と術師はかなり限られており、危険度も桁違いである。最悪、アヤカシを用いて人の世を支配しようと企む組織の人間である可能性も出てきた。私は手汗で携帯を取り落とさないようしっかりと握り直し、明るい声で茶番のような報告を続ける。


「そうなんだ!誰だろ?仲良くれるように頑張る!また電話するね」(マジかよ……後日連絡する)


「困ったことがあればいつでも電話するんだぞ」(さっさと終わらせるぞ)


「はーい。またね」ガチャ


電話速攻で切られて草

お兄ちゃんつーめーたーいー


ふざけてる場合じゃないや、今夜は明日のために早く寝ないと。


――

宇佐美さんサイド

あいつまじて勘弁してくれ


お兄ちゃんはねーだろお兄ちゃんは、潜入の手引きのためだろうがお兄ちゃんはマジで勘弁してくれよ……というか所長でもよかっただろ。実際アイツら養子縁組で名義上は家族だし。報告役になんで俺指名したんだよクソッ


九十九課に来たときは珍しく女性でしかも電撃引退した推しだった元アイドルってひっくり返ったけど、あいつの中身が煙草吸うは口は悪いは性格はクズだわで淡い思い出も一瞬で消え去った。今は同僚で悪友だが、引退しても幸せに暮らしていたらそれでいいと思っていた何も知らない頃の俺のままでいたかった……

アイドルは所詮作り上げられた偶像なんだ……いつの間にかアイドル業界に染まり切る前の娘しか推せなくなっていた平塚に相談したら


「ロリコンじゃんキモ。現役の頃もそういう奴いたわ」


だそうだ。メンタル崩壊するわ。



「煙草買いいこ」


珍しくショートピースを買って吸ったらむせたので残りを九十九課専用布教用煙草ボックスに置いておいた。


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