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アラサー刑事がアイドルの面接を受けるとか前代未聞だろ……ワロス……

休憩時間があって助かった。

誰にも見られる心配がないトイレの個室でカバンから潜入資料を取り出し最終確認をする。

名前、年齢、干支、生い立ち。致命的な部分に履歴書との齟齬がないようしっかり確認する。流石に干支は聞かれないとは思うけど、一応疑われたときにすぐ答えられるよう念の為に。

その後化粧と髪型を直し待合室に戻ろうとするとスタッフらしき女性から声をかけられた。


「宇佐美さん」


「っ!はい」


不意打ちで偽名を呼ばれ、ワンテンポ遅れて返事をしてしまった。潜入捜査員一生の不覚である、いや一生は言い過ぎた。


「次はこちらの部屋になります。」


コンコン

「宇佐美さんお連れしました」


「はいどうぞ」


「失礼します」


「こちらにどうぞ」


部屋に入ると如何にも応接室といった部屋だった。安価そうな革張りのソファーの前で先程オーディション会場にいた女性が待っており、促されるままソファーに座るとローテーブルには何らかの資料がテーブルを埋め尽くし小さな資料の山ができていた。


「改めまして、アイドルユニット『ぷらすた』プロデューサー兼当事務所社長の五十嵐です。」


「宇佐美薫子です。よろしくお願いします。」


薫子は名前負けしてるけど、カバーストーリーの偽名は宇佐美さんのオタク好みらしい何か凝った意味でもあるんだろうと思って変えずにそのままにしておいた。字面は和風なお嬢って感じなのにキャラはジェンダーレス女子なんですけどね。


「宇佐美さんはアイドル志望ということで間違いないですか」


「はい」


「それは、ぷらすた以外の別のユニットでも構いませんか」


あ、圧迫面接ですか?ぷらすた以外ってなんだよ、こちとらぷらすたのオーディション受けに来てんだよ、ぷらすたに所属する以外に何のためにオーディション受けに来てると思ってんだよ。ボロが出るからやめてくださいお願いします(懇願


「いえ、ぷらすた以外に入るつもりはありません。ぷらすたは私の憧れなんです。今まで兄からCDを貰って聞いたりライブのDVDを買ってきて貰って、ぷらすたに楽しい気持ちにさせてもらうだけのいちファンでしたが、追加メンバーオーディションの話を聞いて私もぷらすたの世界を作り上げる側になれるチャンスだと思いました。年齢的にも今回が最初で最後だと思い今日に懸けて来ました」


どうだ、イケるか?

私はぷらすたにしか入る気がないぞ!任務だからな。


「……そうですか」


あ、まてよ元々落とす気だったけど別件なら任せられそうだから聞いてみただけだった?悪手だったかこれ?

しくじったなー、報告書になんて書こう。実費でファンとして潜入調査するしかなくなったなぁ金かかるし面倒くさい


「貴方の熱意は十分に伝わりました」


あーあ、これに続くの断り文句じゃん。また薄給から金が飛んでいく……


「それでは、契約の話に移らせていただきます」


「??????」


宇宙猫状態なんですけど


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