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3年付き合ったならアラサーの責任持てや時間返せ(血涙


アイドルオーディションは輝きを望む少女たちの選別だ。


「まあ、私は少女ですらないけど」


確かオーディションの年齢規定は15歳から18歳までのティーンエイジャー。つまり、25の私は少なく見積もっても7歳もサバを読むことになる。


先行きがとても不安だが、大人びた高校生枠ということで一つ、なんとか見た目と年齢をごまかすしかない。

サバを読んでるのはバレると思うけど、この業界じゃよくあることだし。バレたら開き直っていこう!

せめてファンにハタチぐらいだと思われれば問題ないでしょう!

極論言えば任務のことがバレなければよいのだ。入ってしまえばこちらのもの、サクッと仕事を終わらせて帰ろう。


認識阻害の術を使えば一発で解消するような問題だけど、今回の容疑者は式神を操る術者の可能性が高い。

つまり、術を感知されたらとても不味いことになるから使えない。

だから、術に頼らずアナログで非常にめんどくさい方法でこなす必要がある。




すなわち潜入準備期間中に、アイドル志望の少女の体になるための肉体改造を泥臭く、術に頼らず施す必要がある。



まずティーンのアイドルといえば、とにかく華奢な体だ。


海デートで彼氏にドン引きされた現役刑事の筋肉もりもりシックスパックウーマンから、最低でも縦割れ腹筋程度まで、筋肉を落とさねばならない。

筋肉が落ちるまでは、ジ厶での有酸素運動と海藻だらけの食事制限は不可避だろう。頑張ろう。


次にアイドルグループのダンスと歌を覚える必要がある。地方アイドルなだけあって曲数自体は少ないが、追加メンバー募集であるからには、オーディションの審査項目になるだろう。暫く現役を離れていたとはいえ、パフォーマンスの基礎は体と心に染み付いている。

バミリは覚えようがないし、振りと歌入れさえしておけば問題ないだろう。


最後に、実際これが一番問題なのだが、経歴の捏造だ。就活でいうところの履歴書やエントリーシートだ。もちろん、アイドルのオーディションでも提出が求められる。

カバーストーリーの作成は、得意な同僚に任せるとして、面接のときに話を深く突っ込まれても持ちこたえられるだけの内容を作り込む必要がある。


アイドルになったのは両親とお出かけ中に偶然スカウトされたことがきっかけだ。その後紆余曲折あって刑事になったのも殆どあの上司のスカウトみたいなものだ。私は今までの人生で面接と名のつくものをまともに受けたことがないのである。正直不安だ。

敬語だってあまり得意な方ではないし、言葉で自分をアピールするのは昔から苦手な方だが、任務のために必死に練習しておく。


仕上げに現代のティーンエイジャーらしい若々しいメイクとファッションを見繕う。

アイドル時代は化粧はそこまで必要なかったが、オカタイ現場に出るときのために最低限は覚えた。若者向け雑誌を何冊か買って真似てみるとそれらしくなった。

ファッションも当時は事務所から支給されていたものを着ていたが、無難に若い子向けのブティックでワンピースでも適当に見繕って着ていけばいいだろう。


回らない寿司のためにがんばるぞー!



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