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平和な日常は突然に

初投稿となります。宜しくお願い致します。

「それじゃあ行ってきます。」


「行ってらっしゃい、アナタ。」


私の名前は田中勤(たなかつとむ)44歳。ごくごく普通の外資系企業に務める、もうじきアラフィフな会社員だ。


私には勿体ない金髪美人の妻カーラと結婚し、娘の美穂(みほ)も生まれて家族3人平凡でも幸せな日々を過ごしている。


最近高2になった娘からの態度が冷たかったり、職場で上司や部下に挟まれて冷や汗をかいても幸せだ。


「さあ!今日も仕事頑張るぞー!」


その日も妻に見送られながら出勤した。

妻からのキスを受けて軽くスキップしながら駅へ向かう。

(あぁ!何て幸せなんだろう!)

こんな日がずっと続けばいいと思っていた。






しかしその日の夜の20時を過ぎた頃に妻からメールが届く。


どうやら美穂がまだ帰ってこないらしい。

妻にも連絡が無くどうも変だとのこと。


急ぎ帰宅し妻と話すも、未だに連絡が無いとのこと。

こちらから電話を掛けても全く繋がらなかった。


娘の友達に聞いたが放課後に暫く話した後に別れたそうで、校門の前で別れて以降の足取りは掴めなかった。


警察に連絡するもあまり良い反応は得られなかった。

事件性があると判断できないと大々的に動けないと言われた。


「あなた……どうしましょう………。」


急ぎ家に帰り妻と話すも、かなり憔悴した様子だった。

もしかすると何か事件に巻き込まれたのかもしれない。


私は妻の肩を抱き支えながら言った。


「………よし、ばあさまに連絡を取ろう。」






実は我が田中家には決して他言されない秘密があった。

それは『神隠し』に非常に遭遇しやすいという血統遺伝である。


一族の者がある日突然姿を消す事がある。

次元の裂け目に落ちたり、異世界から呼び出させたりと理由は様々ではあるが、

そういったモノや機会を呼び寄せやすい体質だそうだ。


かく言う私も異世界に召喚された事がある。

妻とはその時に知り合い、結婚しこちらへ着いてきてもらったという経緯もある。

ちょっと耳の尖った従兄弟が居たり、やたらと見た目の若い親戚が居てもあんまり気にしてはいけない。

異世界というのは決して縁遠いモノでは無いというのがうちの一族の暗黙の了解だった。



早速祖母へと連絡を取り、確認を取ってもらう事となった。

祖母は占術を得意としており、一族の血に反応して居場所を特定する事が出来た。

(但し、GPSの様な便利さは無く、今どの世界にいるかがざっくりと分かる程度の物であるが。)



「ばあさま、それで美穂は今こちらの世界に居るのでしょうか?」


「うぅむ………美穂はこの世界には居らんな。前にオヌシのいた世界に居るようじゃ。」


「なっ!まさかベルファニアですか!?」


「間違いないの。お前が消えた時に占った際に見た情景と同じ物が見えておる。」


「何故美穂がベルファニアに居るんだ?」


ベルフェニアとは妻の故郷であり、若い頃に私が召喚された異世界だった。

剣と魔法の存在する世界で、約5年程冒険した世界だった。


しかし魔王討伐を行った際に向こうの世界の神と契約し、今後は勝手にこちらの世界の人間を呼び出さないという事になっていた。

何か緊急な事があれば私の一族に連絡してから召喚するという事で話をつけていた。


「一度、ベルファニアの神に連絡します。」


そう言って私は耳元に手のひらを当て、意識を集中させた。



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