表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ツイッタートレンド ホラー偏

『カラダ探し』

作者: 木尾方

中国のある田舎の村に日本の化粧品会社の者 数名が視察に訪れていた。


「これが、この村にしか咲かない貴重な花ですか?」

そう訪ねたのは、化粧品会社の課長で河野歩美といった。


「そうです。10年ほど前に突如咲き始めた新種の牡丹です」

答えたのは現地ガイドの劉晃天だった。


「課長、キレイな牡丹ですね。弊社のイメージにピッタリじゃないですか」


「そうね。田所さん 遠いけど来たかいがありました。」





河野と田所は、劉の通訳で村長、村人たちと仮契約を結んだ。






乗ってきた車に戻り河野は車内で休んでいるもう一人の同行社員に声をかけた。


「菊池さん、具合どう?」


「河野課長すみません。この村に来てから頭が痛くて…ずっと髪を引っ張られている感じがして…」


「いいのよ。ホテルに戻ったら頭痛薬あるから、もう少しだけ待ってね」


「はい」






タバコを吸っている田所と劉の所に河野が戻ってきた。


「課長…花がキレイだったせいか、村人がちょっとだけ気味悪く見えましたね」


「そうね。ちょっと異様ね。髪の長さは、まちまちだけど村人すべてが綺麗なストレート髪で艶やかだったわ。最初見たときは、うらやましいぐらいだったけど全員があれじゃ引くわね」


「ははは、あまり村人を悪く言わないで下さい。理由があるのです」


「理由?」


「はい。この村は花が咲くまで、もっと貧しい村でした。農産物の他に村人は自分たちの綺麗な髪を売って生計を立てていました」


「確かに、あの髪質なら高く売れそうね」


「そうです。今でも高く売れます。」




「いやー、痛い!痛い!助けて!」


突然、車から悲鳴が聞こえた。


三人が車の方を見た。

すると、菊池が車から出て何かに引きずられていた。




「な、なに!どうしたの?」


田所が悲鳴を上げた。


「きゃー!なんなの!」


だんだんと引きずられながら三人に近づく菊池


あまりの恐怖に尻餅をついた劉



菊池の髪が手足のように動き、菊池本人を引きずっていた。


頭を押さえる菊池…だが髪は動きをやめない。


「痛い!痛い!課長助けて!」


河野は、引きずられないように菊池を押さえたが逆効果だった。


「あぁぁぁぁ、ちぎれる!痛い!離して!あぁぁぁ!」


手を離す河野…

三人とも、どうしてもいいのか、わからなかった。


騒ぎに気付いた村の者がハサミを持ってきた。

すると、菊池の髪をつかみ、鋏で切り始めたのだった。


「な、なにするのですか!」河野が止めようとするが、他の村人に押さえられてしまった。


切った髪の毛は、蛇や芋虫のようにクネクネと動き牡丹が咲く場所に向かって行った。

菊池の頭は無残に駆られてしまったが動く髪はなくなった。


「…田所さん!菊池さんを見てあげて!」


「は、はい」恐怖しながらも田所は菊池に寄り添った。




髪を追って走る河野


「ひっ」牡丹畑を見た河野は言葉を失った


髪の毛は牡丹畑に潜ると人の骨と思われるのを次々と土の中から出したのだ。


「なんてこと…」





河野は皆がいる場所に戻ってきた

そこは、ガイドの劉と村人が言い合いをしていた。


「田所さん、菊池さんは大丈夫?」


「はい、気絶してますが…」





「劉さん…劉さん」


言い合いを続ける劉


「劉さん!!!!!!」怒鳴る河野


「!」皆が黙った。



「劉さん、知ってる事、それから村人が隠している事を全部教えてください」


「河野さん…わ、わかりました」





劉は話始めた。


10年前この村に土砂崩れが発生して多くの村人が犠牲になった。

ただでさえも貧しい村なのに田畑が埋もれてしまった。

生き残った村人たちは、犠牲になった人の髪を剃り売ったのだった。

翌年から土壌が変わったのか、牡丹が咲き始めたのだ。

村人は、まだ残って埋もれている人達をそのままにして花を売って生計の足しにしたのだった。

そして、このような事件は、初めてではないとの事だった。



「そ、そんな、この牡丹畑の下には、まだ埋まっている人たちがいるの?」


「そうらしいです。私は土砂崩れがあった所までしか知らなかった。本当です」






町の病院の着き、意識を戻した菊地は事件の記憶を無くしていた。

河野は、その方が良いと考えた。


頭から血を流していた菊地は、髪がなくなったことの方がショックだったようだが、「また、エクステ付けるから大丈夫です」と気丈に振る舞った。




ホテルに戻った河野は、この企画は無理だと上司にメールを送った。

怪奇な事には触れずに…





日本に帰ってから河野のスマホに劉からのメールが何通か届いていたが、開ける事もできず、削除することもできなかった。







読んで頂き誠にありがとうございます。


今日のTwitterトレンド『カラダ探し』です。


いいですね。

ジャパニーズホラー( *´艸`)


期待してます。


期待ハズレだったのが『来◯』だったな~

( ´△`)


怖いのが書きたい~w



それでは、またお会いいたしましょう。m(._.)m



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ