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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部2年 校外実習編
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 クーリア達が高等部2年となってから、数週間が過ぎたある日。終礼時に担任であるナイジェルがある事を言い出した。


「…校外実習?」

「そうだ。2年での一大行事のひとつだな」


 校外実習とは。普段魔獣から守られる立場である子供達が、外に出て魔獣から身を守る術を学ぶことである。

 なんの為にそんなことをするのかというと……将来のためだ。

 魔獣と遭遇した際の対処の仕方はもちろんのこと。他者と協力することの大切さ。校外実習は1週間ほどの日程で行われるので、その計画を立てる力など、将来必要になる力を養うのだ。


「概要を説明しておくぞ」


 校外実習は王都から始まり、荷物を積んだ馬車を護衛しながら目的地の村へと向かう。念の為護衛として、冒険者と呼ばれる魔獣と戦うことを生業とする人を、1人だけ付けることになっている。


「基本有事以外は冒険者は助けることはしないからな。全て自分たちでやるんだ」


 帰りも同様に村からの荷物を積み、護衛して帰ることになる。なので、村に着いたからと言って安心するのは早いのだ。

 1週間以内に王都に帰って来れなかった場合、待機している冒険者が迎えに行くことになっており、その場合は減点を食らう。


「だからって強行軍なんてするなよ」


 うんざりとした様子でナイジェルが言う。それもそうだろう。毎年必ずと言っていいほどそういう奴らが出てくるのだから。そして、結局無理したことでトラブルが起き、親や先生に迷惑をかけるのだ。

 毎年そんなことが起きていれば、当然嫌にもなるわけで……。


「まぁ班わけはこっちでしといたからな。貼っとくから後で見とけよ」


 ピラリと1枚のプリントを見せる。そこには名前がそれぞれ書かれているようだった。


「まだ校外実習まで時間はあるが、有限だ。何が必要かもしっかりと話し合っておけよ」


 校外実習で使われる馬車などは学園側で用意はするものの、他に必要な物があれば、各自で準備しなければならないのだ。


「じゃあ今日はここまでだな。また明日」


 そう言ってナイジェルは教室を出ていった。

 ナイジェルが出ていった教室は少し騒がしくなり、帰る者や話し合う者。黒板に貼られたプリントを見る者などに分かれていた。


「とりあえず班でも見ましょうか」

「そうだね」

「はい」


 サラ達は一緒にプリントを見に行くことにしたようだ。

 黒板に貼られていたプリントの前には数人集まっていたが、サラ達がくると場所を譲った。


「ありがとう」


 サラがお礼を口にし、プリントを覗き込む。


「…やっぱり変わらないわね」


 プリントに書かれていた班の名前を見て、思わずサラがそう呟く。

 

 C班:イルミーナ ヴィクター サラ クーリア リーフィア


 紙に書かれていたのは、いつも一緒にいるメンバーだった。

 リーフィアは飛び級して随分と経つが、やはり姉であるクーリアと一緒の方がいいだろうという判断だろう。


「まぁ、よろしくね」

「うん」

「よろしくお願いします!」




   



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